何度も読み返したくなる恋愛小説 『きみはポラリス』 三浦 しをん

2012.04.30 Monday

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    三浦しをんさんの恋愛短編小説「きみはポラリス」を読みました。

    しをんさんの恋愛小説には、恋愛の美辞麗句や、女が求める恋愛のファンタジーはない。
    「切なさ」ともどこか違う。

    けれど、読むとどうしても「つかまれて」しまう。
    人間の感情の奥深くにある「思い」が、じわじわと染みてくる感じ。

    これは、何度も読み返したくなる恋愛小説。
    深く深く潜っていけば、もっとたくさんのものがみえてきそうな気がする。

    私が好きなのは「骨片」。おそらく今よりもっと昔の時代設定。
    当時としては珍しく、大学で文学を専攻していた女性が、愛する恩師の死に際してその骨の欠片を手に入れる。
    あるとき、彼女の祖母が亡くなり、その骨壷に先生の欠片を忍ばせた。
    秘めた恋を胸に埋め、それをまっとうさせるために彼女は生きていく。
    やがて死を迎えた時、その狭く暗い空間で先生と同じ場所で眠りにつくときを夢みて。

    「骨片」は田辺聖子さんが小説で引用した西条八十の詩「恋の棺」を思い出させます。
    人知れず埋めた思いというのは、なんでこうも官能的なのだろう。
    直接的な描写は何一つないのに…。

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    三浦しをん作品感想


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    コメント
    日月さん、こんにちは!
    しをんさん、本当に才能のあるお方ですよね〜。
    これは短編集ですが、色々な恋愛模様が描かれていて、多彩だなぁ〜と思いました。

    >ビルケンシュトック アナポリスを修理に
    の記事拝見しました。
    あのデザイン、大好きです!
    高いので(爆)持っていませんが、似たようなデザインの靴を何足か持っています。
    それで、修理代が高い!件については、非常に共感します。。。
    私も好きなものを長く使いたいと思う人間なのですが、修理費の高さに、新しく買った方が安いんだ・・・と、凹んだ経験数限りなく・・・。

    あと、きょーしろーの命日・・・
    きょーしろーが亡くなった事は、私の青春のヒトコマを失った気持ちなので、なんだか本当に切なくなります・・。
    • by latifa
    • 2012/05/05 11:07 AM
    latifaさんへ
    三浦しをんの青春小説は、あんなにもさわやかでピュアなのに、恋愛だと、心の奥底の感情を引きずりだされる感じがして落ち着かないながらも、目が離せない感じがします。


    ビルケンは気に入っているのですが、修理費が高いのがねえ…。「良い物を長く使う」というのは、最初に賭ける金額がもっと高くないと実現しないと思います。

    若いころ、清志郎のライブに行きました。その頃から若いミュージシャンたちとセッションしていて、彼らに活躍の場所を提供していたんですね。今でも歌声を聞くと、近くにいるんじゃないかと思います。
    • by 日月
    • 2012/05/06 1:24 AM
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    三浦しをんさんの、2002年〜2007年に描かれた恋愛テーマの短編小説をまとめた1冊
    • ポコアポコヤ
    • 2012/05/05 11:09 AM
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