『舟を編む』三浦 しをん
2012.06.04 Monday
三浦しをんさんの「舟を編む」読了。辞書編纂という未知の世界と、言葉への愛がつまっています。辞書の薄くなめらかな紙の触感と、整然と並んだたくさんの言葉。読んでいるうちに、久しぶりに辞書を引きたくなりました。
タイトルの「舟を編む」は、辞書は膨大な言葉の海を渡るための舟である。という意味。
そして、その舟は、
「船」ではなく「舟」なのは、それだけ言葉の海が果てしないから、かもしれません。
辞書編纂室スタッフは、個性的な面々が集まっています。彼らについても、しをんさんはひとりひとりを丁寧に掘り下げて描いています。なかでも登場したての馬締(まじめ)さんの変人ぶりがおもしろい(^^)。
辞書「大渡海」を歌の「大都会」と勘違いしていきなり歌い出したり…!
卓越した言葉のセンスを持つまじめさんですが、世情にうとく、同じ下宿の女性・かぐやさんに思いを寄せ、いまどき十数枚ものラブレターを書くのですが、難解過ぎて伝わってなかったりと、ズレっぷりが甚だしい。ひとことで言うなら「辞書バカ」。
でも「〜バカ」って、私にとってはほめ言葉です。それだけ一つのことに熱中できるってすばらしいですよね。
辞書編纂のベテラン荒木さん、松本先生、それぞれに辞書への愛と思いも語られます。西岡くんは、最初は適当に仕事をしてるだけのチャラ男かとおもいきや、辞書づくりに情熱を注げるまじめさんを羨ましく思ったり、それを表にださず、彼の徳井な営業面でさりげなくサポートしたり…。
いいやつだな、西岡。個人的には事務担当の佐々木さんも掘り下げて欲しかったのですが。
物語の後半、大渡海の企画開始から13年後の辞書編纂室の様子が描かれています。この時間経過は、それだけ辞書づくりに膨大な時間と手間がかかることを、読者は認識させられます。
辞書づくりに必要な能力は言葉のセンスと整理整頓の能力なのだそうで。(言葉や要訳をバランスよく配置するため)私には無理だなあ…。
本屋大賞受賞した「舟を編む」はいくつもの書店で特集コーナーを設置されていますが、なぜか辞書と一緒に売られている書店にはまだお目にかかれない。この本の隣に辞書があれば、きっと辞書を手に取る人、多いとおもうんだけど。
「舟を編む」の書店ポップ。既存の辞書と、大渡海の「愛」の注釈が書かれています。本への愛を感じるポップです。(^O^)
「舟を編む」販促グッズのヌッポロラーメン。作中に登場する架空のインスタントラーメンで、まじめさんがよく食べています。
『舟を編む』は映画や漫画、アニメにもなりました。コミカライズは『昭和元禄落語心中』の雲田はるこさん。
・「むかしのはなし」→
・「まほろ駅前狂騒曲」→
・「まほろ駅前番外地」→
・「まほろ駅前多田便利軒」→
・「月魚」→
・「風が強く吹いている」→
・「きみはポラリス」→
・「木暮荘物語」→
・「星間商事株式会社社史編纂室」→
・「三四郎はそれから門を出た」→
・[映画]舟を編む 感想→
レビューポータル「MONO-PORTAL」
タイトルの「舟を編む」は、辞書は膨大な言葉の海を渡るための舟である。という意味。
そして、その舟は、
もっともふさわしい言葉で、正確に、思いを誰かに届けるために存在する。自分ではなく、相手のために。
「船」ではなく「舟」なのは、それだけ言葉の海が果てしないから、かもしれません。
辞書編纂室スタッフは、個性的な面々が集まっています。彼らについても、しをんさんはひとりひとりを丁寧に掘り下げて描いています。なかでも登場したての馬締(まじめ)さんの変人ぶりがおもしろい(^^)。
辞書「大渡海」を歌の「大都会」と勘違いしていきなり歌い出したり…!
愛すべき、辞書バカ
卓越した言葉のセンスを持つまじめさんですが、世情にうとく、同じ下宿の女性・かぐやさんに思いを寄せ、いまどき十数枚ものラブレターを書くのですが、難解過ぎて伝わってなかったりと、ズレっぷりが甚だしい。ひとことで言うなら「辞書バカ」。
でも「〜バカ」って、私にとってはほめ言葉です。それだけ一つのことに熱中できるってすばらしいですよね。
辞書編纂のベテラン荒木さん、松本先生、それぞれに辞書への愛と思いも語られます。西岡くんは、最初は適当に仕事をしてるだけのチャラ男かとおもいきや、辞書づくりに情熱を注げるまじめさんを羨ましく思ったり、それを表にださず、彼の徳井な営業面でさりげなくサポートしたり…。
いいやつだな、西岡。個人的には事務担当の佐々木さんも掘り下げて欲しかったのですが。
物語の後半、大渡海の企画開始から13年後の辞書編纂室の様子が描かれています。この時間経過は、それだけ辞書づくりに膨大な時間と手間がかかることを、読者は認識させられます。
辞書づくりに必要な能力は言葉のセンスと整理整頓の能力なのだそうで。(言葉や要訳をバランスよく配置するため)私には無理だなあ…。
中古価格 |
本屋大賞受賞した「舟を編む」はいくつもの書店で特集コーナーを設置されていますが、なぜか辞書と一緒に売られている書店にはまだお目にかかれない。この本の隣に辞書があれば、きっと辞書を手に取る人、多いとおもうんだけど。
「舟を編む」の書店ポップ。既存の辞書と、大渡海の「愛」の注釈が書かれています。本への愛を感じるポップです。(^O^)
「舟を編む」販促グッズのヌッポロラーメン。作中に登場する架空のインスタントラーメンで、まじめさんがよく食べています。
『舟を編む』は映画や漫画、アニメにもなりました。コミカライズは『昭和元禄落語心中』の雲田はるこさん。
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三浦しをん作品感想
・「むかしのはなし」→
・「まほろ駅前狂騒曲」→
・「まほろ駅前番外地」→
・「まほろ駅前多田便利軒」→
・「月魚」→
・「風が強く吹いている」→
・「きみはポラリス」→
・「木暮荘物語」→
・「星間商事株式会社社史編纂室」→
・「三四郎はそれから門を出た」→
・[映画]舟を編む 感想→
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