[舞台]温室 

2012.07.10 Tuesday

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    難解で不条理、でも目を離せないほど惹きこまれてしまった舞台「温室」。観終わった後はしばらく手の震えが止まらなかった。今までに見たことのない世界でした。

    劇場に入ると、客席を挟んで中央に舞台が設置され、それが回転してゆく。
    役者さんは回転する舞台に立ちながら演技をするため、観客は様々な角度から芝居を見ることができます。
    (そのため席番号が複雑で、他の人が私の席に座っていて座れない!(゚д゚)!というトラブルも。)

    【物語】
    クリスマスの日、閉鎖された「施設」で責任者ルートは部下ギブスから「患者」の1人、6457号が死に、6459号がが子どもを産んだと聞かされる。秩序を重んじるルートは、妊娠させた犯人を突き止めるように命じるが…。複雑に人物たちが絡みあい、物語は奇妙な方向へ進んでいく。


    閉鎖、制約された空間の中での人間模様が好きです。
    登場人物たちは、与えられた数少ない情報の中から想像を働かせ、迷い、時に間違った道を選んでしまう。
    でも物語の外から俯瞰できる観客は、そこで「神の視点」を手に入れることができる。
    けれど、「温室」はそうじゃなかった。観客は「神の視点」を取り上げられ、登場人物たちの複雑なセリフに翻弄され、気がつくと登場人物たち以上に迷宮に迷い込んでしまう。一瞬たりとも気の抜けない舞台でした。

    ・登場人物のセリフ
    セリフは常に印象的で抽象的。特に人物に対する説明は複雑。
    Aという人物の話なのに、その特徴は時にBという人物のことを表しているようであり…。

    ・生贄の子羊
    青年ラム君が実験台の配線につながれ、人体実験をされるシーンは「未来世紀ブラジル」のラストシーンを思い出してぞっとしました。拷問ともいえる人体実験の後、ラム君は拷問後ずっと舞台におり、うつろな表情をしています。それは生贄の子羊(「ラム」は多分、キリスト教的な「子羊」の意味があると思うのだけど。)のようでした。

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    新国立劇場・小劇場前。池の周りは心地良い風。ステキな劇場です。

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