「一瞬の風になれ 第一部 -イチニツイテ-」 佐藤 多佳子

2012.08.19 Sunday

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    高校陸上競技部を舞台にした青春小説の名作「一瞬の風になれ 第一部 -イチニツイテ-」を読みました。
    数年前に読んで今回再読。やっぱり面白い。

    神谷新ニは、天才といわれる高校サッカー選手・健一を兄にもち、中学までサッカーを続けてきたものの、自分の才能の限界を感じたことと、幼なじみの一ノ瀬連に「ボールがないほうがお前はもっと早い」と言われ、連とともに春日高校の陸上部に入部することに。

    ここで新ニは本人すら気づかないスプリンターとしての才能を見出され、走ることに喜びを感じるようになっていきます。ページが進むたびに、新二がどんどん早くなって、どんどん陸上が面白くなってくるのが伝わってきます。

    天才スプリンターだけど、きまぐれな連は、合同合宿のシゴキについていけず逃亡を図ったり練習をサボったりするので、たまに新二を怒らせたりします。(^^;) でも天才肌の連と努力型の新ニ。この2人が影響しあって、加速していく様子は読んでいてほんと楽しいです。

    400mを専門とする根岸や、冷静沈着な先輩・守谷さん、風水マニアの浦木さん、陸上部顧問のみっちゃんなど、彼らを囲む春高メンバーも個性的。特にみっちゃん(三輪先生)は大泉洋のような風貌で、いつも飄々としているけれど、生徒を押さえつけたり、管理したりせず、選手一人ひとりの特性を見ながら指導を行うかなりの名伯楽。

    駅伝を舞台にした小説「風が強く吹いている」(こちらもすばらしい陸上小説です。)でも、才能を伸ばすのに長けたハイジさんという名コーチがでてきますが、選手の個性を活かすには、軍隊方の指導よりも、個性を伸ばす指導が必要なのかも。

    一瞬の風になれ 第一部 -イチニツイテ- (講談社文庫)
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