『ビブリア古書堂の事件手帖2 〜栞子さんと謎めく日常〜』 三上 延
2012.11.05 Monday
北鎌倉の古書店「ビブリア古書堂」の店主・栞子さんは、膨大な本の知識と洞察力で本にまつわる事件を解決する力を持つ女性です。ただし、極度の人見知りで、本の知識以外の会話がおぼつかない。
そんな彼女を支えるのが、とあるきっかけでビブリア古書堂で働くことになった主人公・五浦大輔。大輔はトラウマから本が読めない体質のため、栞子さんから聞く本の話が好きで、彼女自身のことも想っているけれど、「本の虫」である栞子さんには、いまいち伝わっていないようで…。
今回「ビブリア古書堂の事件手帖 2 栞子さんと謎めく日常 (メディアワークス文庫)〜」では、栞子さんの過去が少し明らかになります。栞子さんには10年前に出奔した母親がいて、彼女もまた栞子さんと同様に本にまつわる洞察力で事件を解決していたらしい、ということがわかってきます。
栞子さんは出奔した母親に複雑な思いを抱いているらしく、2作目から登場するプロローグとエピローグに登場する本が、今後の物語の流れに関連していくようです。
ビブリア古書堂の常連の女子高生・小菅奈緒が、妹の書いた『時計仕掛けのオレンジ』の読書感想文について相談を持ちかけます。
過激な暴力シーンを肯定するような妹の感想文を読んだ栞子さんは、妹が「ほんとうの意味で小説を読んでいない」と結論づけます。この話では子供時代の栞子さんの描写がありますが、本のためなら遠い距離の本屋さんにも自転車を漕いでは通っていたとは…。さすが栞子さん。
『時計仕掛けのオレンジ』は映画の印象が圧倒的ですが、映画の原作って、実は結末が異なるってこともあるらしいのです。「太陽がいっぱい」の原作も結末が真逆だったりしますから。
大輔は元カノ・晶穂から、父親の遺した本の査定を頼まれる。中には数十万の値のつく本もあるらしいが、栞子さんには珍しく、査定に迷いがでているようだったけれど、なんとか査定を終え、晶穂が引き取る価値のない本を新古書店(ブック○フみたいな店)に持ち込むようアドバイスするものの、実はその中にこそ「価値ある本」が潜んでいて…。
元カノが出てきたことで、栞子さんと大輔の関係がかき乱されたり、進展したりするかなと思いきや、まったくそんなことはなく…( ´Д`)=3 ただ呼び名が「五浦さん」から「大輔さん」に変わったけれど、それは進展て感じじゃないしなあ。
ビブリア古書堂に漫画の査定を持ち込んだ客が、査定を待たずに消えてしまう。栞子さんは途中まで書かれた住所や本の状態から、客の居場所を推理します。実は一連の行動はその客が数十年前に彼女の母親が行った推理を再現し、栞子さんの能力を試すためのテストでした。
栞子さんはここで足塚不二雄(藤子不二雄)の初期作『UTOPIA 最後の世界大戦』を巡り、彼女の母親の起こした事を知るのですが…。
『クラクラ日記』は坂口安吾の奥さんが書いたエッセイ集で、失踪した栞子さんの母親が彼女に残していったもの。
栞子さんの母親は、かなりキワドい取引も平気でやってのける人だったらしく、それが栞子さんの心のトゲとして刺さっているらしい。
『クラクラ日記』にまつわる栞子さんの秘密を解いた大輔は、その勢いでデートを申し込むものの、栞子さんの「行きたいところ」はやっぱり古書店…。これじゃデートじゃなくて買取なのでは…(;´・ω・)
・『ビブリア古書堂の事件手帖〜栞子さんと奇妙な客人たち〜』
・『ビブリア古書堂の事件手帖2〜栞子さんと謎めく日常〜』
・『ビブリア古書堂の事件手帖3〜栞子さんと消えない絆〜』
・『ビブリア古書堂の事件手帖4〜栞子さん2つの顔』
・『ビブリア古書堂の事件手帖5〜栞子さんと繋がりの時〜』
・『ビブリア古書堂の事件手帖6〜栞子さんと巡るさだめ〜』
・『ビブリア古書堂の事件手帖7〜栞子さんと果てない舞台〜』
・『ビブリア古書堂の事件手帖〜扉子と不思議な客人たち〜』
・『ビブリア古書堂の事件手帖II〜扉子と空白の時〜』
・「月魚」(三浦しをん)
・「ブンブン堂のグレちゃん」(グレゴリ青山)
そんな彼女を支えるのが、とあるきっかけでビブリア古書堂で働くことになった主人公・五浦大輔。大輔はトラウマから本が読めない体質のため、栞子さんから聞く本の話が好きで、彼女自身のことも想っているけれど、「本の虫」である栞子さんには、いまいち伝わっていないようで…。
今回「ビブリア古書堂の事件手帖 2 栞子さんと謎めく日常 (メディアワークス文庫)〜」では、栞子さんの過去が少し明らかになります。栞子さんには10年前に出奔した母親がいて、彼女もまた栞子さんと同様に本にまつわる洞察力で事件を解決していたらしい、ということがわかってきます。
栞子さんは出奔した母親に複雑な思いを抱いているらしく、2作目から登場するプロローグとエピローグに登場する本が、今後の物語の流れに関連していくようです。
ビブリア古書堂の事件手帖 2 栞子さんと謎めく日常 (メディアワークス文庫)
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第一話 アントニイ・バージェス『時計仕掛けのオレンジ』(ハヤカワNV文庫)
ビブリア古書堂の常連の女子高生・小菅奈緒が、妹の書いた『時計仕掛けのオレンジ』の読書感想文について相談を持ちかけます。
過激な暴力シーンを肯定するような妹の感想文を読んだ栞子さんは、妹が「ほんとうの意味で小説を読んでいない」と結論づけます。この話では子供時代の栞子さんの描写がありますが、本のためなら遠い距離の本屋さんにも自転車を漕いでは通っていたとは…。さすが栞子さん。
『時計仕掛けのオレンジ』は映画の印象が圧倒的ですが、映画の原作って、実は結末が異なるってこともあるらしいのです。「太陽がいっぱい」の原作も結末が真逆だったりしますから。
第二話 福田定一『名言随筆 サラリーマン』(六月社)
大輔は元カノ・晶穂から、父親の遺した本の査定を頼まれる。中には数十万の値のつく本もあるらしいが、栞子さんには珍しく、査定に迷いがでているようだったけれど、なんとか査定を終え、晶穂が引き取る価値のない本を新古書店(ブック○フみたいな店)に持ち込むようアドバイスするものの、実はその中にこそ「価値ある本」が潜んでいて…。
元カノが出てきたことで、栞子さんと大輔の関係がかき乱されたり、進展したりするかなと思いきや、まったくそんなことはなく…( ´Д`)=3 ただ呼び名が「五浦さん」から「大輔さん」に変わったけれど、それは進展て感じじゃないしなあ。
第三話 足塚不二雄『UTOPIA 最後の世界大戦』(鶴書房)
ビブリア古書堂に漫画の査定を持ち込んだ客が、査定を待たずに消えてしまう。栞子さんは途中まで書かれた住所や本の状態から、客の居場所を推理します。実は一連の行動はその客が数十年前に彼女の母親が行った推理を再現し、栞子さんの能力を試すためのテストでした。
栞子さんはここで足塚不二雄(藤子不二雄)の初期作『UTOPIA 最後の世界大戦』を巡り、彼女の母親の起こした事を知るのですが…。
プロローグ・エピローグ 坂口三千代『クラクラ日記』(文藝春秋)
『クラクラ日記』は坂口安吾の奥さんが書いたエッセイ集で、失踪した栞子さんの母親が彼女に残していったもの。
栞子さんの母親は、かなりキワドい取引も平気でやってのける人だったらしく、それが栞子さんの心のトゲとして刺さっているらしい。
『クラクラ日記』にまつわる栞子さんの秘密を解いた大輔は、その勢いでデートを申し込むものの、栞子さんの「行きたいところ」はやっぱり古書店…。これじゃデートじゃなくて買取なのでは…(;´・ω・)
JUGEMテーマ:注目★BOOK
ビブリア古書堂の事件手帖シリーズ
・『ビブリア古書堂の事件手帖〜栞子さんと奇妙な客人たち〜』
・『ビブリア古書堂の事件手帖2〜栞子さんと謎めく日常〜』
・『ビブリア古書堂の事件手帖3〜栞子さんと消えない絆〜』
・『ビブリア古書堂の事件手帖4〜栞子さん2つの顔』
・『ビブリア古書堂の事件手帖5〜栞子さんと繋がりの時〜』
・『ビブリア古書堂の事件手帖6〜栞子さんと巡るさだめ〜』
・『ビブリア古書堂の事件手帖7〜栞子さんと果てない舞台〜』
・『ビブリア古書堂の事件手帖〜扉子と不思議な客人たち〜』
・『ビブリア古書堂の事件手帖II〜扉子と空白の時〜』
古本屋を舞台にした小説・漫画
・「月魚」(三浦しをん)
・「ブンブン堂のグレちゃん」(グレゴリ青山)
ってことは、もしや現在3巻目も読んでいるor読み終わってこれから感想を書く処かしら?
栞子さんのお母さんの過去、がぜん気になって来ちゃいました。