本でレトロ香港を旅する『香港セピア物語』 大村 真紀

2012.12.21 Friday

0
    ノスタルジックな雰囲気をもつ、都市の歴史を読むのが好きです。
    特に上海・香港・大連などの中国の都市は(侵略・譲渡など悲しい歴史もあるけれど)様々な国の文化が入り混じり、異国情緒あふれる独特の都市の雰囲気は、どのようにしてうまれたのか。

    香港セピア物語」は、香港のはじまりから、成長までの歴史をまとめた本ですが、作者の大村真紀は紀行作家でもあるので、まるで、昔の香港を旅しているような、小説を読んでいるような感覚で読めました。

    香港のはじまりにはアヘンが関わっていました。アヘン戦争で譲渡された香港は岩だらけの田舎で、価値といえば優良な港だけ。そんな荒地の香港を、イギリス人商人たちがアヘンで得た富で香港を都市としてつくりあげていきます。

    イギリス人は自分たちの文化・風俗をそのまま香港に写しこみ、英国式の建物を建てアフタヌーンティーを楽しみます。大陸から流入してきた中国人を安い賃金で差別しながら…。

    また、香港には革命家たちも愛した街でした。孫文は革命の準備を香港ではじめ、高杉晋作や幕末の志士も欧州へ向かう途中に香港へ立ち寄ります。新しい思想を受け入れる土壌が香港には育っていたのでしょうね。

    そして、香港の華やかな時代が始まります。ペニンシュラホテルの開業、中国人の富裕層の誕生、女性たちは流行のチャイナドレスに身をつつみ、ホテルではダンスやパーティーが行われます。戦争の影が迫る上海を抜け出し、作家や文化人も香港へ。

    ラスト、コーション」の原作者・張愛玲も、美しい香港の町を舞台とした恋愛小説を書いています。当時、国際都市として都会的だったのは上海の方で、香港はまだ田舎のリゾート的な都市だったというのは、今ではかんがえられませんね。


    香港セピア物語
    香港セピア物語
    posted with amazlet at 13.04.10
    大村 真紀 大和書房 売り上げランキング: 1,006,213



    ジャッキー・チェンの名作アクション映画「プロジェクトA 」も香港統治時代のお話。イギリス人とジャッキー演じる水上警察が協力して敵を倒しますが、実際は中国人が香港総督に会って説得するなんてできない時代だったんだろうな…。

    プロジェクトA [Blu-ray]
    プロジェクトA [Blu-ray]
    posted with amazlet at 12.12.19
    パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン (2011-11-11)売り上げランキング: 3630


    古き良き香港の面影を写した映画「慕情」レパレス・ベイでの海水浴シーンは有名。
    慕情 [DVD]
    慕情 [DVD]
    posted with amazlet at 12.12.19
    20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン (2010-08-04)売り上げランキング: 2887


    レトロモダン関連
    「ラスト、コーション 色・戒」→
    「上海セピアモダン―メガロポリスの原画」→
    「上海航路の時代―大正・昭和初期の長崎と上海」
    「上海モダンの伝説」→
    上海租界時代の復刻ポストカード→
    「グ印亜細亜商会」→

    JUGEMテーマ:香港
    コメント
    コメントする
    トラックバック
    この記事のトラックバックURL