101歳の詩人、柴田 トヨさんの訃報と「くじけないで」の感想

2013.01.22 Tuesday

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    くじけないで」で有名な101歳の詩人柴田トヨさんの訃報を聞きました。
    ご冥福をお祈りします。(;ω;` )

    ・悲哀と慈愛
    私がはじめて「くじけないで」を読んで感じたのは、トヨさんの「90歳のリアル」な生活と感情が、そのまま詩に描かれているんだなあということです。どうも私は、ご高齢の方は聖職者のような達観し、何事にも動じない心を持っているのだと誤解しがちです。でもトヨさんは詩や、あとがきの中でも「年をとって体が動かなくて、朝起きるのがつらい」みたいなことを書いています。あと息子が帰るのがさみしいとか(^^)。

    でも、そんな感情を隠すことなく、それを糧にしてやさしく、力強い詩としてうたっています。
    変に飾らず、自分の心にまっすぐに詩を読む。だからこそたくさんの人がトヨさんの歌を愛するのかもしれません。


    ・痛みを知るということ
    それと、驚いたのは小さい頃のイジメ体験のお話。トヨさんは小さい頃、奉公に出された先で、イジメにあっていたのだそうです。当時90を過ぎていたおばあちゃんが、そんな子どもの頃の辛い記憶を忘れられずにいるのか、というのにまず驚きました。人から受けたひどい仕打ちというのは、年月がたち、癒されることはあっても、忘れられるものではないのだと。

    トヨさんはそんな痛みを知っているからこそ、詩にうたわれた他者への眼差しが、とてもやさしいのです。

    震災の時、被災者にあてたトヨさんのメッセージ→
    慈愛とやさしさに満ちたメッセージです。読む度に泣けます(;ω;` )

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