[舞台]キャラメルボックス ハーフタイムシアター 『隠し剣鬼ノ爪』、『盲目剣谺(こだま)返し』感想

2013.03.07 Thursday

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    キャラメルボックス ハーフタイムシアター『隠し剣鬼ノ爪』、『盲目剣谺(こだま)返し』を観てきました〜。いやー、すごかった!殺陣のアクションがかっこよくてね、人間模様の描写が深くってね、役者さんの着物の所作が美しくって(*´∀`*) 本格的、本当に本格的な時代劇なのですよ。(だってダンスもなかったし)

    ハーフタイムシアターは、お客さんにより身近に演劇を楽しんでもらうため、1時間のお芝居2本立ての上演システム。値段も通常の半額。2本のお芝居は世界観は同じだけれども、異なる設定のため、1本だけ観ても面白いし、両方見れば、よりたのしめるつくりになっています。


    『隠し剣鬼ノ爪』


    片桐宗蔵はかつて道場で同門だった狭間が、罪を犯して捉えられた牢から逃げだしたと聞かされる。片桐との果し合いを望んでおり、上役からは果たし合いで狭間を撃つようにと命じられる。狭間の狂気の原因は、宗蔵がかつて師匠・小野治兵衛から伝授された「鬼の爪」と呼ばれる秘剣が原因らしい。果し合いに向かう宗蔵の前に、狭間の妻女・結女があらわれ、狭間を逃がすようにと懇願される…。

    『盲目剣谺(こだま)返し』


    藩主の毒見役・三村新之丞は、貝の毒にあたり、一命はとりとめたものの、目の光を失うこととなった。妻の加世は献身的につかえ、病平癒の寺参りも欠かさない。しかし、失明してから勘のするどくなった新之丞は妻が嘘をついていることに気づく。また親戚筋からも良からぬ噂を耳にした新之丞は、下男の徳平に後をつけさせるのだった。


    私は、キャラメルボックスの演出の方が原作よりも好きです。なぜなら、私が読んだ藤沢周平作品の印象は、女性の描き方に容赦がないっていうか、どこか突き放した感じがするんです。

    今回の『隠し剣鬼ノ爪』、『盲目剣谺(こだま)返し』でも、夫を助けようとして、必死になりすぎて、結局は自分の犠牲にしてしまう、しかもその「犠牲」は実際には役に立たなかったという、愚かで悲しい運命の女性たちが出てきます。

    藤沢作品では突き放された女性たちを、キャラメルボックスの舞台では、愚かさと凛とした強さをもつ存在として描き、また男たちは、そんな女の悲しみを断ち切るために剣を振るうのです。

    また完全な悪役がいないといわれるキャラメルボックスの舞台ですが、今回は原作がありますので、原作に登場する悪役、敵役、黒幕を「ええ!あの役者さんが?Σ(´゚д゚`)」という意外なキャスティングで演じていました。でもそれがぴったりハマっていて、今までの役の印象をいい意味で覆されます。
    特に菅野さんの老け役がもうぴったりで!このまま鬼平犯科帳ドラマからオファーきても驚かないレベル。(相模の彦十やってほしい…)

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