2013.04.06 Saturday

着物と珈琲と明治ロマンのつまった漫画 「ちろり」 小山 愛子

明治時代の横浜・関内。店主の美しいマダムと、まだ幼さの残る娘「ちろり」が働く、小さなカフェー「カモメ亭」での日々を綴った「ちろり」は、ゆったりとした時間と極上のカヒーが味わえる漫画です。

最初のお話は、主人公のちろりが朝起きて、身支度を整え、開店準備を始めるまでが描かれています。幼さの残る体にぴったりと添わせた着付けは(明治の着付けは現代よりもゆるやからしい)凛としていて、どこかエロティックさもかいま見えるし、物語のはじめから終わりまでほとんどセリフがなく、ちろりの動作だけでみせる構成もおもしろい。

氷を砕いてアイスカヒーを作ったり、西洋菓子を焼いてカヒーと楽しんだり、あまり儲からなさそうなカモメ亭ですが、それでもマダムとちろりの日常はゆるやかで楽しげなんです。(ちろりの出自やマダムがなぜカフェを営んでいるか、そういった詳細は一切語られません)

女主人と幼い女給との関係は森薫さんのメイド漫画「シャーリー」を思い出します。姉と妹のようでもあり、師弟のようでもあり、時に「エス」のような雰囲気すら感じられ…。

作者の小山愛子さんは着物好きで珈琲好き。そんな作者のこだわりが、登場人物のしぐさや、着付けのシーン、珈琲を入れるシーンの描写に現れています。

「ちろり」読むと、むしょうに、コーヒーが飲みたくなります。







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