江戸の姫さまは、結婚が仕事。『大江戸の姫さま』関口 すみ子

2013.03.29 Friday

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    大河ドラマ「八重の桜」では、会津藩主・容保さまの義姉君、照姫さまが献身的に容保さまを支え、後の戊辰戦争では、城の女達を率いて怪我人の看護などを行なっていたそうです。そんな有事に大活躍をされた照姫さまですが、きっとそんな波瀾万丈な大名の姫さまは「まれ」なのでしょう。

    でも、姫さまたちの一生って具体的にどんな感じなのでしょう?
    そんな疑問を解明していくのが、関口すみ子さんの「大江戸の姫さま (角川選書)です。この本ではあまり知られていない姫様達の生活や婚礼、婚家での生活などを資料に基づいて紹介しています。

    本の装丁からしてちょっと堅そうな本かな?と思ったのですが、文章がくだけていてわかりやすく、読みやすいので(歴史学者の本にしては珍しく)さらっと読めてしまいます。

    姫さまの仕事、それは「大名の妻となること」。
    家どうしの結びつきを深め、その家の様式を持ち込むことができるので、婚姻は非常に重要な役割もっていたのだそうです。だから、実子の姫がいない場合は、よそから姫を養子をとってまで婚姻を行うのだとか。

    会津には保科、尾張には高須と、養子や跡づぎ要員となる親戚筋の支藩があり、照姫も保科家から会津に入って嫁いでいますね。

    特に将軍家の姫さまの婚姻は政治的にも重要なものであったそうです。将軍の姫君が降嫁することによって、将軍家の権威や家風を大名家に示すことができ、内側から支配を強化する意味もあったそうです。おまけに姫君用の御殿もつくらないといけないので、当然大名家の経済的に圧迫させることもできたそうです。

    質素倹約の吉宗でさえ、養子筋の姫の婚姻にはお金をかけたのは、姫君の婚姻にはそれだけの「効果」があったのからなのでしょうね。




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