『旅猫リポート』 有川 浩
2013.04.25 Thursday
有川浩さんの「旅猫レポート」。これはたぶん、「猫バカ」にしか書けない物語だろうな。そして「猫バカ」の理想の物語ではなかろうか。
ノラ猫だったナナ(オス)は、事故にあってサトルに助けられてから、彼の飼い猫、兼相棒として、しあわせな日々のを送っていた。
けれど、「のっぴきならない事情」で、タケルはナナを手放すことになり、ナナの新しい飼い主探しのため一人と一匹の旅が始まります。
ナナの引き取り先を探すべく、サトルは銀色のワゴンに乗って、幼なじみのコースケ、中学の親友ヨシミネ、高校・大学時代の友人スギ夫妻を訪ねます。結局、彼らの誰もナナを引き取ることはなかったのですが、サトルとナナの訪問によって、彼らは救われる部分があったし、サトルもまた、大好きな人達との再会を果たすことができました。
色んな所を旅して、最後はおばさんのいる北海道へ。
有川浩さんも相当な「猫バカ」(最大級の褒め言葉です)のためか、猫にまつわる小さくてやさしエピソードが物語に詰まっています。
テレビの上で寝る猫のために、薄型テレビを使わないおうちや極寒の北海道で野良猫たちがどうやって冬を過ごすのかなど、本当のネコ好きじゃないと気づかないような猫にまつわる話がいろいろ。
それが猫飼育経験のない私には読んでいて新鮮だったし、なんか、幸せな気持ちになりました。
猫という生き物は、自分の縄張り(家の中)がなにより大事なテリトリーであると聞いたことがあります。そんな猫であるナナが、「旅」に出るのは私達が思っているよりもそうとう大変な冒険だろうけれど、それでもナナは、サトルと一緒にいることを選んだんですね。
この旅の部分は、サトルとナナが本当に楽しそうで。今まで観たこともない風景やみたり、たくさんの動物達にも出会った。けれど、そんな楽しい旅は、とうとう終わりが来てしまいます。
最後は…。悲しいけれど、不幸じゃないんだろうな。きっと。
装画は村上勉さん。子供時代、一度は彼の絵の本をよんだことがあるんじゃないか、ってくらい有名な挿絵画家さんです。ノスタルジックな雰囲気が、この本の内容とよくあっています。
ラジオで児玉清さんの本紹介が流れるなど、ファンにうれしいエピソードがちょこっと入っているにもうれしい。
2018年には福士蒼汰さん主演で映画化。相棒猫・ナナの登場により映像化されました。ナナが本当に物語の中のナナみたいなんだよな…。
「旅猫リポート」は、2013年4月、有川浩先生とキャラメルボックス阿部丈二さんの演劇ユニット・スカイロケットで上演されました。惜しくも見逃してしまったので、ぜひ再演してほしい!
・空飛ぶ広報室
・明日の子供たち
・ほっと文庫 「ゆず、香る」
・クジラの彼
・ラブコメ今昔
・阪急電車
・海の底
・空の中
・レインツリーの国
・三匹のおっさんふたたび
・三匹のおっさん
・キケン
・ヒア・カムズ・ザ・サン
・シアター!
・シアター2!
・フリーター、家を買う。
・植物図鑑
・県庁おもてなし課
レビューポータル「MONO-PORTAL」
『旅猫リポート』あらすじ
ノラ猫だったナナ(オス)は、事故にあってサトルに助けられてから、彼の飼い猫、兼相棒として、しあわせな日々のを送っていた。
けれど、「のっぴきならない事情」で、タケルはナナを手放すことになり、ナナの新しい飼い主探しのため一人と一匹の旅が始まります。
中古価格 |
猫にまつわる話がいろいろ
ナナの引き取り先を探すべく、サトルは銀色のワゴンに乗って、幼なじみのコースケ、中学の親友ヨシミネ、高校・大学時代の友人スギ夫妻を訪ねます。結局、彼らの誰もナナを引き取ることはなかったのですが、サトルとナナの訪問によって、彼らは救われる部分があったし、サトルもまた、大好きな人達との再会を果たすことができました。
色んな所を旅して、最後はおばさんのいる北海道へ。
有川浩さんも相当な「猫バカ」(最大級の褒め言葉です)のためか、猫にまつわる小さくてやさしエピソードが物語に詰まっています。
テレビの上で寝る猫のために、薄型テレビを使わないおうちや極寒の北海道で野良猫たちがどうやって冬を過ごすのかなど、本当のネコ好きじゃないと気づかないような猫にまつわる話がいろいろ。
それが猫飼育経験のない私には読んでいて新鮮だったし、なんか、幸せな気持ちになりました。
猫の旅、人の旅
猫という生き物は、自分の縄張り(家の中)がなにより大事なテリトリーであると聞いたことがあります。そんな猫であるナナが、「旅」に出るのは私達が思っているよりもそうとう大変な冒険だろうけれど、それでもナナは、サトルと一緒にいることを選んだんですね。
この旅の部分は、サトルとナナが本当に楽しそうで。今まで観たこともない風景やみたり、たくさんの動物達にも出会った。けれど、そんな楽しい旅は、とうとう終わりが来てしまいます。
最後は…。悲しいけれど、不幸じゃないんだろうな。きっと。
装画は村上勉さん。子供時代、一度は彼の絵の本をよんだことがあるんじゃないか、ってくらい有名な挿絵画家さんです。ノスタルジックな雰囲気が、この本の内容とよくあっています。
ラジオで児玉清さんの本紹介が流れるなど、ファンにうれしいエピソードがちょこっと入っているにもうれしい。
2018年には福士蒼汰さん主演で映画化。相棒猫・ナナの登場により映像化されました。ナナが本当に物語の中のナナみたいなんだよな…。
中古価格 |
「旅猫リポート」は、2013年4月、有川浩先生とキャラメルボックス阿部丈二さんの演劇ユニット・スカイロケットで上演されました。惜しくも見逃してしまったので、ぜひ再演してほしい!
スカイロケット |
有川作品感想
・空飛ぶ広報室
・明日の子供たち
・ほっと文庫 「ゆず、香る」
・クジラの彼
・ラブコメ今昔
・阪急電車
・海の底
・空の中
・レインツリーの国
・三匹のおっさんふたたび
・三匹のおっさん
・キケン
・ヒア・カムズ・ザ・サン
・シアター!
・シアター2!
・フリーター、家を買う。
・植物図鑑
・県庁おもてなし課
JUGEMテーマ:小説/詩
レビューポータル「MONO-PORTAL」
でも、そう、不幸ではないって思えるんですよね。
有川作品の前向きさはいつもながらに見習いたいなぁと、理想論にしたくないなぁといつも思います。
猫作品と言えば、本屋大賞にノミネートされた『世界から猫が消えたなら』も気になってますが。。。