2013.12.05 Thursday

石原さとみさんが下品な言葉の下町娘を演じた[舞台感想]ピグマリオン

石原さとみさん主演の舞台『ピグマリオン』を観てきました。(結局3回観た)ピグマリオンは、貧しい花売りの娘が、言語学者によって一流のレディに仕立てあげられる物語であり、映画『マイ・フェア・レディ』のベースとなった物語です。

けれど、『ピグマリオン』は『マイ・フェア・レディ』とはひと味違い、身分制度への辛辣な皮肉が込められていて、有名なラストシーンも映画とは全く異なります。

私は以前『マイ・フェア・レディ』を観た時に、あんなおじさんのヒギンズ教授が、あんな美しいイライザ(オードリー・ヘップバーン)を射止めるなんてありえない!と思っていたので、今回のピグマリオンが違ったラストと聞いて楽しみにしていました。


石原さとみイライザと平岳大ヒギンズの攻防


ヒギンズ役の平岳大さんは男前なので、映画と同じ結末でもいいんじゃないかと思ったのですが、このヒギンズ、実はどうしょうもない男性なんです。例えるなら「中二病をこじらせた英国紳士」。

弁がたち、有能だけども、礼儀知らず。イライザのことも一人の人間ではなく、感情のない人間のように扱う男。本当に憎たらしいのだけど、でも、憎めないんです。奇妙な魅力があるんです。幼児性と尊大な学者としての顔を平さんが魅力的に、存在感たっぷりに演じていました。カッコ良かった。(*´∀`*)

そしてイライザ役の石原さとみちゃんのイライザ、素晴らしかったです!前半はコックニーという下町なまりのきつい、粗野な下町娘でしたが、言葉と礼儀作法を身につけ、美しくエレガントな女性へと変貌する姿は、同一人物かと疑うほどでした。


もうひとつの主役である『言葉』


ヒギンズ教授はイライザの下町なまりを矯正し、美しい英語を喋れるように教育します。しかし、イライザとヒギンズはその共通の「言葉」を使っても、自分の気持ちを相手に伝えることができない。
後半ラスト近く、2人は壮絶な言葉のバトルを繰り広げていますが、そのラリー自体は面白いものの、お互いの気持は平行線のまま、イライザは去っていきます。

ヒギンズが己を反省してイライザを一人の自立した女性として認めさえすれば、2人はうまく言ったんじゃないかと思うのですが…。

19世紀英国の雰囲気を演出


『ピグマリオン』は、舞台演出や舞台美術も素晴らしかったです。ヒギンズの家や母親の住まい、イライザの部屋の丁度は、スケッチ風に室内が描かれています。白黒のスケッチの舞台に、色とりどり衣装が映えるし、『下町娘を侯爵夫人にする』という、まがい物をつくる行為とも関連しているのかも。
舞踏会のシーンでは実際にソシアルダンスが披露され、舞踏会の雰囲気をもりあげてくれました。

劇場の風景


劇場のロビーも『ピグマリオン』にちなんだ演出されています。花売りのイライザにちなんで花屋風パンフレット売り場
『ピグマリオン』パンフレット売り場

ピグマリオンポスター


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