2013.12.01 Sunday

オリンピック賛美ではなく、むしろ警告のドラマ 『オリンピックの身代金』感想

テレビ朝日系で放送された『オリンピックの身代金』を見ました。最初は2020年の東京オリンピック決定をうけての宣伝的な内容なのかと思いましたが、むしろ逆。オリンピック賛美ではなく、むしろ警告として、高度成長期の『闇』を描いていきます。

オリンピックそのものを『人質』にとり、身代金を要求する爆弾犯人と刑事たちとの息詰まる攻防戦が始まります。

現代の問題に重なる内容


テロリストとなった東大生、島崎が強行に走った理由は、オリンピック建設で過酷な労働を敷いられ、ヒロポン(昭和二十年代まで合法だった覚せい剤)中毒で、出稼ぎの兄が死んだことでした。

当時、オリンピックや高速建設に従事していたのは、東北からの出稼ぎ労働者もおり、過酷な労働で亡くなった人もいたらしいです。国家的な事業の前に『人柱』とされた人たち。

でもこれは、50年前の問題だけでは決してなくて、被災地のことを忘れて、申し訳程度に仙台のスタジアムを使うだけで『被災地に配慮』とか言っちゃう、2020年のオリンピック開催に騒ぎたてる東京に関しても同じことが言えるのではないかと思うのです…。

豪奢な選手村と未だに残る仮設住宅…。
仮設住宅に関しては、資金面以外にも問題はあるようですが、それでも、お金の使い道が東京にだけ集中してしまうのは、昔も今も変わらないのかもしれませんね。

私は前々から『三丁目の夕日』の時代が決して理想ではないと思ってきました。当時の情の裏には確実に差別が存在していたのですから。そんな格差や差別に憤りを感じ、戦いを挑もうとする島崎と、それを止めようとする刑事の落合との緊迫した戦いが面白く、そしていろいろ考えさせられる話でした。

ドラマの中に市川崑監督の『東京オリンピック』の映像をうまく物語の中に組み込んで、違和感なく50年前のオリンピックの雰囲気が出ていて、レトロ好きにはうれしい映像でした。

昭和三十年代、オリンピック関連
・昭和三十年代の犯罪記録『三丁目の猟奇』→
市川崑『東京オリンピック』→


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