『ビブリア古書堂の事件手帖5 栞子さんと繋がりの時』 三上 延
2014.02.06 Thursday
『ビブリア古書堂の事件手帖 (5)~栞子さんと繋がりの時』を読みました。
北鎌倉のビブリア古書堂で、本に関わる謎を解く才能をもつ店主・栞子さんと、彼女を愛する店員の大輔。
栞子さんには、本を求めて失踪した母親がいますが、恐ろしく頭のきれる母親は、栞子さんと大輔を引き離し、自分のパートナーとして連れ去ろうとしています。
前回、大輔は栞子さんに告白したのですが、返事は保留。悶々としながらも素直に返事を待つ大輔。実は栞子さんは、返事をする前に、母親に会う決心をします。
しかし、母親の仲介役の人物から、会う条件として、ある謎を解くように指示を受け…。
プロローグ 『愛のゆくえ』リチャード・プローティガン
第一話 『彷書月刊』
第二話 『ブラック・ジャック』
第三話 『われに五月を』
エピローグ 『愛のゆくえ』リチャード・プローティガン
目次に書かれているのは、これらの項目だけですが、読んでいくと「断章」という短編がはさまれています。これがちょっとした謎解きの「しかけ」につながっていきます。
プロローグを読んでいて、ちょっとひっかかりを感じました。栞子と大輔のことを書いているようで、実は…。
そのプロローグのひっかかりが、エピローグで明かされる仕掛けになっています。
今回の『ビブリア古書堂の事件手帖』は、本の謎解きも面白いのですが、こうした本のなかの「しかけ」でも楽しませてくれます。
今回は、栞子さんと大輔以外に、栞子さんの両親の恋も、物語にはさまれてきます。
知識へ欲求のまま、家族を捨てることになる母に、父親は、待つことを選びます。
栞子さんは、いつか自分も母と同じ道を辿るのではないか、という不安を大輔にぶつけますが、大輔から返ってきた答えは、意外でなものでした。
それは古書という深い世界の、外側にいる大輔ならではの素直な答えだったから、栞子さんの心も打ったのでしょうね。この答えが、すごくシンプルでいいんです。
・『ビブリア古書堂の事件手帖〜栞子さんと奇妙な客人たち〜』
・『ビブリア古書堂の事件手帖2〜栞子さんと謎めく日常〜』
・『ビブリア古書堂の事件手帖3〜栞子さんと消えない絆〜』
・『ビブリア古書堂の事件手帖4〜栞子さん2つの顔』
・『ビブリア古書堂の事件手帖5〜栞子さんと繋がりの時〜』
・『ビブリア古書堂の事件手帖6〜栞子さんと巡るさだめ〜』
・『ビブリア古書堂の事件手帖7〜栞子さんと果てない舞台〜』
・『ビブリア古書堂の事件手帖〜扉子と不思議な客人たち〜』
・『ビブリア古書堂の事件手帖II〜扉子と空白の時〜』
レビューポータル「MONO-PORTAL」
北鎌倉のビブリア古書堂で、本に関わる謎を解く才能をもつ店主・栞子さんと、彼女を愛する店員の大輔。
栞子さんには、本を求めて失踪した母親がいますが、恐ろしく頭のきれる母親は、栞子さんと大輔を引き離し、自分のパートナーとして連れ去ろうとしています。
前回、大輔は栞子さんに告白したのですが、返事は保留。悶々としながらも素直に返事を待つ大輔。実は栞子さんは、返事をする前に、母親に会う決心をします。
しかし、母親の仲介役の人物から、会う条件として、ある謎を解くように指示を受け…。
『ビブリア古書堂の事件手帖5 栞子さんと繋がりの時』の物語構成
プロローグ 『愛のゆくえ』リチャード・プローティガン
第一話 『彷書月刊』
第二話 『ブラック・ジャック』
第三話 『われに五月を』
エピローグ 『愛のゆくえ』リチャード・プローティガン
目次に書かれているのは、これらの項目だけですが、読んでいくと「断章」という短編がはさまれています。これがちょっとした謎解きの「しかけ」につながっていきます。
プロローグとエピローグ
プロローグを読んでいて、ちょっとひっかかりを感じました。栞子と大輔のことを書いているようで、実は…。
そのプロローグのひっかかりが、エピローグで明かされる仕掛けになっています。
今回の『ビブリア古書堂の事件手帖』は、本の謎解きも面白いのですが、こうした本のなかの「しかけ」でも楽しませてくれます。
母と恋、娘の恋
今回は、栞子さんと大輔以外に、栞子さんの両親の恋も、物語にはさまれてきます。
知識へ欲求のまま、家族を捨てることになる母に、父親は、待つことを選びます。
栞子さんは、いつか自分も母と同じ道を辿るのではないか、という不安を大輔にぶつけますが、大輔から返ってきた答えは、意外でなものでした。
それは古書という深い世界の、外側にいる大輔ならではの素直な答えだったから、栞子さんの心も打ったのでしょうね。この答えが、すごくシンプルでいいんです。
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ビブリア古書堂の事件手帖シリーズ
・『ビブリア古書堂の事件手帖〜栞子さんと奇妙な客人たち〜』
・『ビブリア古書堂の事件手帖2〜栞子さんと謎めく日常〜』
・『ビブリア古書堂の事件手帖3〜栞子さんと消えない絆〜』
・『ビブリア古書堂の事件手帖4〜栞子さん2つの顔』
・『ビブリア古書堂の事件手帖5〜栞子さんと繋がりの時〜』
・『ビブリア古書堂の事件手帖6〜栞子さんと巡るさだめ〜』
・『ビブリア古書堂の事件手帖7〜栞子さんと果てない舞台〜』
・『ビブリア古書堂の事件手帖〜扉子と不思議な客人たち〜』
・『ビブリア古書堂の事件手帖II〜扉子と空白の時〜』
レビューポータル「MONO-PORTAL」
ここへきて、ようやく気持ちが通じあった2人ですが、ラストでは過去に関わった意外な人物が不安な影を落としていきます。また、母・智恵子さんの動向も気になります。人の感情を読み解いて、手駒のように利用する彼女が、これで手を引くとは思えないのですが…。
母親の暗躍はこれからも続きそうだし、この先どんなことが起こるのか楽しみです。
彼のヤツは今度こそ(栞子らに嵌められて)証拠残すことになり、立件されて・・って、ことになるのではないかと予想しますが。
大輔の、栞子にしてみれば考えも及ばなかった逆転の発想的答えがとっても良かったですね。