[舞台感想] 演劇集団キャラメルボックス 『涙を数える』

2014.08.18 Monday

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    演劇集団キャラメルボックス『涙を数える』を観てきました。『涙を数える』はキャラメルボックスの名作時代劇『TRUTH』の登場人物・鏡吾の9年前の物語。

    『涙を数える』あらすじ


    長谷川鏡吾は勘定方の父が過去に不正で罰せられたため、貧乏生活を敷いられ、道場にも通えず一人剣のけいこに励む。そんな鏡吾に、昔と変わらず友として接してくれる明一郎。しかし、鏡吾はそんな明一郎に対して素直になれない。

    やがて、明一郎がそりの合わなかった父親を切り、上田藩を出奔する。追っ手の南条から明一郎捕縛の補佐として雇われた鏡吾は、江戸屋敷詰の藩士・大佛とともに、明一郎の妹・樹雨が務める江戸屋敷で明一郎の行方をつかもうとするのだが…。

    お日さまのような明一郎、月のような鏡吾


    辻本祐樹さん演じる明一郎が舞台に出てくると、舞台がぱあっと明るくなるようでした。(決して照明だけではなく)明るく、屈託がなく、素直な明一郎。そんな明一郎に感謝も友情も感じているけれど、反発してしまう鏡吾。それはまるでお日さまと月のよう。

    お日さまが明るすぎると、眩しくて目をそらさずにはいられなくなる。月は所詮、お日さまの光でしか輝けない…。

    そんな鏡吾の屈折した思いは枷のように彼に重くのしかかってくる。そんな「重さ」が、観ている観客にも伝わってくるようでした。

    そういえば、「鏡」も月も、光を反射するモノですね。そして、南条さんの名前の「朔」は新月(闇)を表す。登場人物たちの名が、物語を表しているのですね。


    『涙を数える』笑いのパート


    『涙を数える』は悲劇ではありますが、そこはキャラメルボックス、笑いパートもたくさん。ただ、笑いが多いほど、後の悲劇がジワジワ効いてくるのですが…。

    『涙を数える』笑いのツボは、確実に何人か殺っている目をした岡田さん演じる南条さんに対し、てへぺろ♪(*ノω・*)な感じで受け流す池岡くん演じる大佛さんと、それをどう受け止めたらいいかわからず、間に入っていけない多田鏡吾。その絶妙なバランスがいいんです。

    『TRUTH』がセリフとアクションによる正統派コントだとしたら、『涙を数える』はジワジワ来るシュールっぽい笑いですかね。芸人で言ったら東京03とラバーガールかなあ?笑いの表現ひとつとっても、『TRUTH』との違いが際立っていて、両方見比べるのがとても楽しかったです。

    『涙を数える』の女性たち。『TRUTH』との違い


    『涙を数える』は『TRUTH』とともに男性たちの物語ですが、脇を固める女優陣も素晴らしく、彼女たちがいたからこそ、男たちはきっと、安心して戦えるんだと思います。

    ヒロイン像もそれぞれ違い、初音さんは相手を信じ抜いだけど、『涙を数える』の樹雨さんは鏡吾を信じきることができなかった。初音さんのが愛だとしたら、樹雨さんのは憧れレベルだったんじゃないかと。

    その違いが、それぞれの主人公たちの命運を分けているように感じました。


    鏡吾のTRUTH


    『TRUTH』を観た時、登場人物のTRUTHは私欲ではなく、大事な相手への思いだと感じたけど、鏡吾のTRUTHは父親だけでなく、明一郎へものでもあるのでしょう。

    お前の望みは、俺の望みだ。」と明一郎が遺した言葉。鏡吾はその言葉だけを胸に、自らのTRUTHを、あえて9年前に置いてきた、そんな気がしました…。


    カーテンコール


    大佛役の池田くん、多田さんの後ろでウインクしたりしてお客さんを笑わせてました。
    それを多田さんが「なんですか!真面目な話してんのに!」とキレてみるwww→私を含め、客が池田くんを指さすwww→多田さん振り向く→池田くん♪〜(´ε` )→会場爆笑

    と、最後まで狂言回しの役回りを演じてくれましたよ。

    どす黒い(肌じゃなくて)悪役を演じていた岡田達也さんが、いきなりあかるく話しかけてこられて、そのギャップに萌えたりして、すてきなカーテンコールでした。www

    2005年版『TRUTH』では上川隆也さんが鏡吾を演じていました。
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    演劇集団キャラメルボックス舞台感想


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