2014.04.17 Thursday

「そんへえ・おおへえ―上海生活三十五年」 内山 完造

伝説の内山書店、その始まり


大正時代、上海でひとつの本屋が開業しました。夫の行商の留守に妻が内職がわりに勤しむための、小さな書店でした。しかしそれが、上海在住の日本人、魯迅などの中国文化人のサロンとなった、有名な「内山書店」の始まりでした。

当時の中日文化交流のサロンとしての役割をになった内山書店、その創業者である内山完造氏の上海での出来事を綴ったのが「そんへえ・おおへえ―上海生活三十五年」です。内山書店創業のエピソードや氏が行なった広告手法、書店以外に手がけた日本語学校の創設など、当時の内山書店と、内山完造氏の体験談が書かれています。

そんへえ・おおへえ」とは、上海を現地の発音で聞き取ると、こう聞こえるのだとか。また、「おおへえ」とは、上海の下海地区を同じく現地発音読みしたもの。なんだか、レトロでノスタルジックで、どこか優しくなつかしい響きです。

内山完造氏が暮らした当時の上海は、きっとこの言葉「そんへえ・おおへえ」の音のように、おおらかだったのでしょうね。
旧仮名使いの古い言葉は、読みづらい部分もあるのですが、かえって古き良き時代への憧れが駆り立てられます。
岩波新書の特装版の装丁も美しく、レトロ上海好きには、手元に置いて楽しみたいと思える一冊です。


そんへえ・おおへえ―上海生活三十五年 (岩波新書 特装版)
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