『映画篇3、4』 金城 一紀×遠藤佳世

2014.06.07 Saturday

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    金城一紀さん原作の「映画篇」の漫画版もいよいよ完結。5つの映画をモチーフにした短篇集は、最後の篇「愛の泉」ですべての物語がつながっていきます。

    映画篇 3 (ビッグコミックススペシャル)
    金城 一紀 小学館 (2014-04-30)




    小説と漫画の相性


    金城一紀さんと遠藤佳世さんのコンビはすごく相性がよくて、原作とおりの描写もあれば、そうきたか!と意外なシーンが盛り込まれたり、漫画ならではの表現がすごくいい。だから漫画を読んだ後、もう一度原作を読み返して、違いを確かめずにはいられませんでした。それがまた、楽しい作業なんです(*´∀`*)

    そして、私の一番好きな物語「愛の泉」がいよいよ漫画になりました。「愛の泉」は、最愛のおじいちゃんを亡くして元気のないおばあちゃんを、孫達が「ローマの休日」を上映することで元気づけようとする物語です。

    原作「映画篇」感想→

    主人公の哲やいとこたち、それぞれに物語があるし、おばあちゃんがおじいちゃんと出会って、初めて映画を観るまでのエピソードや、クセのある賢者のような浜石教授など、実際に漫画で見ることができてうれしかった。原作にはない、アホの子ケン坊がアホアホパワーを発動させて問題を解決するシーンは、読みながら愛おしさがこみ上げてきました。ケン坊は「レヴォリューション No.3」の山下みたいで愛おしい。

    「愛の泉」とは対照的に「ペイルライダー」は悲しい話なのだけど、、主人公の男の子が出会った「バイクのおばちゃん」のエピソードが追加されていて、おばちゃんが最後にどうしてあの行動をとったのかが、よりわかりやすくなっています。悲しいけれど、きちんと希望がのこされていて、この作品も大好きです。

    漫画版 映画篇1,2巻の感想→

    映画篇 1 (ビッグコミックススペシャル)
    金城 一紀 遠藤 佳世 小学館 (2011-03-30)


    映画篇 2 (ビッグコミックススペシャル)
    金城 一紀 小学館 (2012-01-30)



    金城一紀作品感想


    GO→
    対話篇→
    映画篇→

    ここからゾンビーズの冒険がはじまります。
    レヴォリューション No.3→
    舜臣と中年サラリーマンの奇妙な師弟関係。
    フライ,ダディ,フライ→ゾンビーズと一緒に冒険する女の子が主人公の物語。
    SPEED→
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