都会の真ん中、サバイバル。[映画] 彼と私の漂流日記
2014.06.08 Sunday
韓流映画は今までほとんど観ていなかったのだけど、この映画はすごく面白かった!「彼と私の漂流日記」
「彼と私の漂流日記」はソウル市内を流れる漢江・その中州の無人島に漂流した「彼」と、そんな彼の姿を偶然見つけた、ひきこもりの女性との不思議な交流を描いたお話。
漢江から身投げをした彼が偶然たどり着いた無人島。そこで暮らすうちに生きる決意をした彼は、漂着物や川の魚などでサバイバル生活をはじめる。一方、対岸のマンションにすむひきこもりの「彼女」は、偶然彼を見つけたことで、、不思議な交流が始まっていく…。
彼が漂流した無人島は、すぐ対岸にはビルや国会議事堂もみえるのに、カナヅチの彼は対岸に渡ることもできない。すぐ近くには文明社会があるのに、まったく隔絶された世界。そんな都会のど真ん中でのサバイバル生活をするって設定が新鮮で面白くて、サバイバル生活はまるでDASH島か、「荒川アンダー ザ ブリッジ 1 (ヤングガンガンコミックス)」のようです。
半ケツしながら用を足したり、塩分不足で自分の汗をなめたりと、エグいシーンもあるんですが、映像のみせ方がとてもうまいし、描き方がコメディタッチなので、そういう場面も楽しく見ることができました。
彼女のひきこもり生活も、ただ単に自堕落な生活をしてるのではなく、自分の決めたルールにしたがって行動しているのが、本物っぽい気がします。プチプチの寝床はちょっとためしてみたい。夏は暑そうだけど。
無人島生活者の「彼」も、ひきこもりの「彼女」の交流がすごくいいんです。最初は望遠レンズで無人島を撮影していた彼女が、彼が砂浜に書いた「HELLO」をみつけて、ビンに「HOW are you?」と書かれた手紙を入れて、ビンにいれて無人島に投げ入れ、それを見てまた彼が砂浜に字を書く…。ネット社会の現代で、とてもとても手間のかかるコミュニケーション。
ひきこもりの彼女は外に出て手紙を投げるだけでも勇気がいる行動で、そうした行動が徐々に彼女を変えていくんです。彼もまた、彼女の返事を心待ちにするようになるんですが…。
漂着者の彼も、ひきこもりの彼女も、社会的に弾かれてしまった弱者なのけど、その2人がお互いを知ることで、少しずつ変わり始めていきます。でも、最後まで2人は弱者のまま。逆転で成功をおさめるわけでもなく、きっとこの後も2人に対して世界は厳しい。けれど、前よりもほんの少し、2人は前を向くことができたんじゃないかな。
そんな社会的に弱い人々の強さを、やさしいまなざしで見つめている、そんなふうに感じた映画でした。
物語の重要な鍵として登場するのがジャージャー麺。これは、韓国のソウルフードで、バレンタインにチョコを貰えない男子が食べたりすると聞いたことがあります。そして韓国名物、どこでも出前!噂には聞いていましたが、本当にどこへでも届けるのね…。半年に一度、防空訓練があるっていうのも映画で初めて知りました。
台湾映画「藍色夏恋」でも国歌斉唱のときは作業をやめて直立不動をしていたっけ。
映画をみることは、その国を知ることつながるんですね。
レビューポータル「MONO-PORTAL」
「彼と私の漂流日記」ストーリー
「彼と私の漂流日記」はソウル市内を流れる漢江・その中州の無人島に漂流した「彼」と、そんな彼の姿を偶然見つけた、ひきこもりの女性との不思議な交流を描いたお話。
漢江から身投げをした彼が偶然たどり着いた無人島。そこで暮らすうちに生きる決意をした彼は、漂着物や川の魚などでサバイバル生活をはじめる。一方、対岸のマンションにすむひきこもりの「彼女」は、偶然彼を見つけたことで、、不思議な交流が始まっていく…。
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何その設定www
彼が漂流した無人島は、すぐ対岸にはビルや国会議事堂もみえるのに、カナヅチの彼は対岸に渡ることもできない。すぐ近くには文明社会があるのに、まったく隔絶された世界。そんな都会のど真ん中でのサバイバル生活をするって設定が新鮮で面白くて、サバイバル生活はまるでDASH島か、「荒川アンダー ザ ブリッジ 1 (ヤングガンガンコミックス)」のようです。
半ケツしながら用を足したり、塩分不足で自分の汗をなめたりと、エグいシーンもあるんですが、映像のみせ方がとてもうまいし、描き方がコメディタッチなので、そういう場面も楽しく見ることができました。
彼女のひきこもり生活も、ただ単に自堕落な生活をしてるのではなく、自分の決めたルールにしたがって行動しているのが、本物っぽい気がします。プチプチの寝床はちょっとためしてみたい。夏は暑そうだけど。
弱者にそそがれる、やさしいまなざし
無人島生活者の「彼」も、ひきこもりの「彼女」の交流がすごくいいんです。最初は望遠レンズで無人島を撮影していた彼女が、彼が砂浜に書いた「HELLO」をみつけて、ビンに「HOW are you?」と書かれた手紙を入れて、ビンにいれて無人島に投げ入れ、それを見てまた彼が砂浜に字を書く…。ネット社会の現代で、とてもとても手間のかかるコミュニケーション。
ひきこもりの彼女は外に出て手紙を投げるだけでも勇気がいる行動で、そうした行動が徐々に彼女を変えていくんです。彼もまた、彼女の返事を心待ちにするようになるんですが…。
漂着者の彼も、ひきこもりの彼女も、社会的に弾かれてしまった弱者なのけど、その2人がお互いを知ることで、少しずつ変わり始めていきます。でも、最後まで2人は弱者のまま。逆転で成功をおさめるわけでもなく、きっとこの後も2人に対して世界は厳しい。けれど、前よりもほんの少し、2人は前を向くことができたんじゃないかな。
そんな社会的に弱い人々の強さを、やさしいまなざしで見つめている、そんなふうに感じた映画でした。
映画をみることは、その国を知ること
物語の重要な鍵として登場するのがジャージャー麺。これは、韓国のソウルフードで、バレンタインにチョコを貰えない男子が食べたりすると聞いたことがあります。そして韓国名物、どこでも出前!噂には聞いていましたが、本当にどこへでも届けるのね…。半年に一度、防空訓練があるっていうのも映画で初めて知りました。
台湾映画「藍色夏恋」でも国歌斉唱のときは作業をやめて直立不動をしていたっけ。
映画をみることは、その国を知ることつながるんですね。
レビューポータル「MONO-PORTAL」