「宝の嫁」 近藤ようこ

2014.07.07 Monday

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    思えば、私の中世の物語に関する知識は、主に漫画から得ていたように思います。
    とくに、近藤ようこさんが描く中世の物語は、時に痛快で、時に悲しくて印象に残っていました。

    そんな、近藤ようこさんの新たな説話集「宝の嫁」。民話や故事をベースにしながらオリジナルの展開をみせ、その時代を必死に生きる人々の様子が絵巻物のような美しいタッチで描かれています。

    宝の嫁 (ビームコミックス)
    近藤ようこ KADOKAWA/エンターブレイン



    宝の嫁


    表題の「宝の嫁」は、古事記のコノハナサクヤヒメとイワナガヒメの神話を元にしたお話です。
    没落貴族の若者がある日、道に迷ってある館に招かれ、館の主から「娘を嫁にもらって欲しい」といわれます。
    二つ返事で承諾したものの、やってきたのは醜い姉の方でした。

    美しい妹を望んでいた若者は、姉を邪険に扱い、悲しんだ姉は、妹をよこすことに。けれど、本当に「宝」を与えてくれるのは姉の方だったのです。姉は同情した若者の従者と幸せに暮らし、若者は妹を手に入れるものの…

    その他、異世界に迷い込み、そこの姫とねんごろになるお話や、けちな長者が僧に水を分けなかったせいでバツを受けるなど、因果応報な話や、南蛮の怪しげな術を使う娘の話など、中世の不思議がたくさんつまった本です。


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