2014.08.01 Friday

昔の映画の、なんとも言えない風情[映画] 祇園囃子

昭和28年、溝口健二監督作品「祇園囃子」を観ました。古い映画は、その時代の風情を垣間見れることが映画の楽しみのひとつでもあります。

「祇園囃子」は、京都の祇園で芸者を生業とする美代春と、その妹分の栄子(美代栄)を軸にして、祇園の花街に生きる芸者の生き様を描いた作品。物語の初盤、今も雰囲気だけは残る祇園の古い町家を、路地を荷物をもった栄子が美代春の家を探してさまようシーンからはじまります。

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芸姑の世界


栄子は芸者をしていた母親に死なれ、母親の知り合いだった美代春のもとで芸姑として働きたいといってきます。情に厚い美代春は、栄子を仕込んで舞妓としてデビューさせるのですが、美代春は役所の神崎、栄子は車両会社の楠田専務に、それぞれを旦那にするよう、お茶屋の女将から勧められるものの、それを拒んだために、二人は窮地に立たされます。

祇園の実力者の女将から睨まれてお座敷がかからない。しかたなく美代春は栄子を守るため、神崎に身を任せる決心をします。これが戦前だったら、有無をいわさず枕を共にしないといけないでしょうが、「アプレ」といわれた戦後では、多少は芸姑さんが意見を通すこともできたようですね。うまくいくかは微妙ですが。

どうも、女がひどい目にあうというイメージの溝口健児監督作品にしては、わりとハッピーエンドな終わり方でした。

女優さんの美しい所作


美代春の仕草ひとつひとつがとても美しいのです。着物の袖の捌き方とか、帯のとき方、結び方などはもちろん、お座敷でお客あしらいなど、流れるような所作なんです。美代春の衣装は、袖の後ろ側にも華やかな模様が描かれていて、それが動きによってちらりと見える。そのなかなか見えない美しさが見事なんです。

木暮実千代さんの美代春は、大人の芸者の色気、したたかさがあり、それがやわらかな所作であわらされ、まだ若い栄子役の若尾文子さんの所作は、ちょっと直線的というか、気持ちで動く10代の女の子の感じでした。

今でこそ白い犬のお母さんで有名な若尾文子さんですが、若い頃はふっくらとしていて愛らしいお顔立ちでした。これが数年後の「雪之丞変化」では恐ろしいくらいの色気と美しさが加わるのです。



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