カリスマ女性作家同士の、知的ガチトークバトル「古典夜話: けり子とかも子の対談集」

2019.04.04 Thursday

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    名随筆家であり、骨董収集家で目利きの白洲正子、古典文学に造形の深い小説家・円地文子。この博識な女流文学者2人が語る古典・芸術よもやま話『古典夜話: けり子とかも子の対談集』読了。

    対談ではおふたりとも何気なく話しているようですが、内容はかなり高レベル。これはお互いが深い知識を持っていないと成立しない。相手の質問に対して「わからない」ってことがあまりない。

    必ず何かしらの応えを返しているんです。「知識がない」と言いつつも、会話の中に膨大な知識量を感じさせる。

    なんだこの知的ガチトークバトルは(笑)



    高貴な女性、下世話な話で盛り上がる


    「悪口」や「こきおろし」は女性の会話に必要不可欠なアイテムですが、かたや伯爵令嬢、かたや大学教授令嬢という、やんごとなき女流作家でも、下世話な話は好きなようで…

    役者の品定めや演技のダメ出し、男色(BL)など、話題多岐にわたって盛り上がっています。しかしそこは知識と教養で裏打ちされている、それほど下世話には感じないんですね。
    男色にしても歴史や文学、芸術性の高い高尚なものとして語られています。

    おまけ:能とBL


    能に詳しい白洲正子さんは世阿弥と足利義満の関係について語られています。こちらの「夢幻花伝」も少年時代の世阿弥が足利義満の寵愛を受け、芸の道を極めていく姿が描かれます。木原敏江先生の絵が美しいです。



    役者批評では18代目中村勘三郎(その頃は勘九郎)を「あの坊やは名優になる」と、その才能を評しています。果たして彼女たちの予言(?)は当たり、勘三郎は歌舞伎ファン以外でもその名が知られる名優となりました。

    歴史、宗教、能、源氏物語


    能に造形の深く、日本各地をフィールドワークで飛び回る白洲正子と、源氏物語深い知識を持ち、歌舞伎の戯曲もてがける円地文子。

    実際に研究、体験した教養人が紡ぎ出す話題は、ユーモアにあふれてわかりやすく、一般の知識のない私のような読者にもわかりやすく噛み砕いて教えてくれます。

    たとえば「能」という古典芸能は難しくて近寄りがたいと感じていたのだけど、白洲正子さんによると「能には幽霊とか人外しかでてこないし、生身の人間があちらの世界に行くためにはまず酒盛りをする」って書いていて、ちょっと親しみが持てました。
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