[舞台感想] ヒストリーボーイズ

2014.09.23 Tuesday

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    「諸君、人生を学ぶゲームを始めよう。誰か、どこか、いつかのために」

    80年代、イギリス。オックスフォード、ケンブリッジの歴史学科を受験する高校生と教師たちの濃厚な物語「ヒストリーボーイズ」を観てきました。

    「ヒストリーボーイズ」あらすじ


    名門大学の歴史学科を受験するヒストリーボーイズたちには、2人の教師がいた。詩や教養(時には下品なものも)を教え、生徒との距離が近いヘクターと、歴史の基礎を教え、生徒から慕われるリントット。
    そこへケンブリッジ卒の新任教師アーウィンが赴任してくる。

    アーウィンの歴史授業は一風変わっており、時に「真実はどうでもいい」とさえ言い放つ。今までにない斬新な教育に、生徒たちは戸惑いつつもアーウィンの授業に夢中になっていく。


    ヒストリーボーイズポスター


    観客をも巻き込む、最高の授業



    ヒストリーボーイズを観て真っ先に感じたこと。それは単純に、この授業を受けみたい。ということでした。それくらい、楽しいのです。この授業は。

    実際、アーウィン先生の講義のシーンでは、手を上げて講義に参加したくなるのをぐっとこらえるくらい、観客も授業に参加している感覚に陥りました。

    ヘクター先生のポルノ授業(売春宿の場面をフランス語で行う)も楽しかったなあ。下ネタへのエネルギーは万国共通だもの、そりゃフランス語達者になるよね(*´∀`*)

    高校生という多感な時期に、こんな最高の授業が受けられるヒストリーボーイズたちが本当にうらやましい。

    知識のバトン


    ヘクター先生の「自分が受け取った荷物を次の人に渡せ」というセリフが好きです。
    教育や知識は自分だけのものではなく、学んだことを、どんな形であれ、次の世代へ渡していく義務がある。
    これが、ヒストリーボーイズのテーマのひとつなのではないかと。

    私の好きな小説「獣の奏者」でも、「(知の)松明を次へ渡していく」という表現があります。

    それこそが教育であり、それには教師と生徒の間に信頼関係がなくては成し得ないのではないかと思うのです。



    教師たち、生徒たち


    ヒストリーボーイズは、歴史の授業とともに、教師と生徒との人間模様が描かれていきます。頭脳明晰で美しく単純明快なデイキン、そんなデイキンに憧れるポズナー、生徒たちに影響を与えたいと願うヘクター先生。授業での大胆さと、繊細な神経を合わせ持つアーウィン、語り部として輪の中にいながらも俯瞰した視点をもつスクリップス。

    みなそれぞれ、葛藤や悩みを抱えていて、それらが関わりあって複雑で人間模様が繰り広げられます。
    教師たちは不完全で、生徒たちはそんな教師たちのすべてを知ろうとする…。一筋縄ではいかない濃厚な関係。


    奇跡のような配役


    若手もベテランも、それぞれが役にぴたりとハマって、素晴らしい空間を作り上げてくれました。

    アーウィン役の中村倫也さん、アーウィンは喜怒哀楽が少ないタイプの人間なのですが、さりげない表情や声のトーンひとつひとつが、アーウィンのその時の心情が伝わってきました。すごかった、もうそれ以上、どういったらわからないくらい、素敵だった。

    内向的で悩み多きユダヤ人少年・ポズナーを演じた太賀さん。デイキンへの禁じられた思いを持て余し、迷う姿がいじらしい。ソロパートの歌の美しさに聴き惚れました。

    この物語の語り部で、彼らに起こる出来事をニュートラルに見つめることのできる作家志望のスクリップス。演じる橋本淳さん、難しいピアノ演奏を、ただ演奏するだけじゃなくて、おそらく教会のピアノに慣れ親しんだスクリップスのピアノ演奏として演奏を演じているというか。彼の役に対する貪欲なまでの表現力に毎回感動させられます。かといって個性を突出させるのではなく、場になじむ。

    サッカーで例えるならデイキンやポズナーなど、相手に応じてオーダーメイドで正確なパスをだすことができる存在だと思うのです。

    ヒストリーボーイズはグッズも充実してました。イラスト入りノートやキャラクター別靴下(これは売り切れ…)、ヘクター先生の蝶ネクタイをあしらったバッジなど。普段づかいのできるグッズはいいですね。(*´∀`*)バッジは着物の帯留めにしてみました。

    ヒストリーボーイズバッジ

    こちらは映画版。

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