2014.12.03 Wednesday

むせかえるような、美しい映像。「青いパパイヤの香り」

ベトナム映画「青いパパイヤの香り」鑑賞。なんというかもう、映像の美しさにため息がもれます。

青いパパイヤの香り あらすじ


1950年代ベトナム。12歳の少女ムイは、布地屋で資産家の家へ奉公に来た。その家には放浪癖のある根無し草の父親、家業も家庭も切り盛りするやさしい女主人、孫娘を亡くし、2階の仏間に引きこもる姑と、3人の息子たちがいた。

ムイは先輩女中に家事を教わりながら、徐々に暮らしになれていき、長男の友人に淡い恋心を抱く。しかしある日、またしても父親が行方不明になり、一家の生活は苦しくなってしまう。

それから10年後、ムイは女中を雇う余裕のなくなった布地屋から暇を出され、若い作曲家の元へ働きにでることになり…

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むせかえるような、濃厚な風景。


まず、ベトナムの植物と風景に酔わされます。濃い緑の葉、吹き抜けで独特な作りのベトナムの家、そして庭のパパイヤの木からしたたる白く、濃厚な樹液…。

そのどれもがじわじわと、画面を通じて染みこんでくる。まるで、その暑さや臭いまで、伝わってくるようで、目が離せない。

映像と音楽だけで伝わる


「青いパパイヤの香り」では、登場人物が会話をするシーンはもちろんあるのですが、それ以上に、映像と音楽が登場人物たちの心情を際立たせます。前半、悲しみに満ちた音楽による女主人の悲哀、放浪癖のある旦那の奏でる月琴(に似た楽器)の、どこか空虚な音色、そして、映画全体に広がる虫の声。

後半、大人になったムイが働きにでる若い作曲家クェンの家には、西洋のピアノ曲が流れている。やがてムイの美しさに引かれたクェンと、婚約者の破局を大降りの雨とピアノの旋律だけで表現したのは素晴らしかった。

その中で、ムイにいじわるばかりする三男坊の登場シーンでドンドコドンドコ太鼓の音が聞こえてくるのがおかしかったwww

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香りと湿度さえも


12歳のムイが窓から顔をのぞかせた時の、少女ならではの美しさと可愛らしさにハッとさせられ、布地屋の次男ムイが、家庭の事情で鬱屈した感情をぶつけるためアリを押しつぶして殺すシーンに、絶対的な力の差の恐ろしさを感じました。

後半では、おとなになったムイが沐浴をするシーン、水を体にすべらせるように体を清めるムイの美しさはまさにむせかえるような芳香が香ってくるようでした。




おまけ


やっぱりベトナムの男性はヘタレだなあと。布地屋の放浪癖の旦那は、奥様が一生懸命稼いだ金えお持ちだして出奔するし、その息子も新しい女房の尻に敷かれているっぽい。クェンにしても、ムイに「手を付けた」ように関係が始まるし。そんな男たちを支えつつ働くベトナム女性は美しくて強い。

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レビューポータル「MONO-PORTAL」

Comment
日月さん、こんにちは!
私もこの映画、3か月くらい前に、再見したところだったんですよ。
昔見た時と、今見た時とでは、細かい部分を忘れていたりして、あぁーこんな風な映画だったっけか、って思いました。

そうそう、あの悪戯3男の部分が、ちょっとした可笑しい息抜きになってるんですよね。

ずっとベトナムに憧れてたのだけれど、実際今年行ってみたら、予想以上に都市になってました・・・。

でも、基本、こういった雰囲気は大好きです。
  • latifa
  • 2014/12/04 15:41
latifaさんへ
latifaさんのベトナム旅行記も読ませていただきましたよ(*´∀`*)

いつか行ってみたい場所です。

ベトナムを舞台にした映画は「インドシナ」や「ラ・マン」なども美しい映画でした。

トラン・アン・ユン監督の「夏至」もみたいです。
  • 日月
  • 2014/12/04 22:30





   
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お気に入りの映画!とハッキリは胸張って言えないものの、映像がかなりお気に入りな「青いパパイヤの香り」1993年 ベトナム/フランス映画、この映画の監督は、トラン・アン・ユン(フランスに12歳で亡命したベトナム人 血はベトナムでも感覚は殆どフランス人って処で
  • ポコアポコヤ 映画倉庫
  • 2014/12/04 3:37 PM

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