「雑誌の品格」 能町みね子

2014.12.21 Sunday

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    どうでもいいものに、的確な名を与える天才・能町みね子さん


    世の中にある、なんて言ったらいいかわからないけれど、なんかもやもやする感じ、そうしたモノに的確な言葉をつけることができるのが、能町みね子さんです。

    有名なところだと、芸能人と結婚する経歴が謎の一般女性を「プロ彼女」と呼んだのも彼女の造語です。あとは「モテない系」とか。

    雑誌の品格のどこかに自分がいる


    そんな秀逸なセンスで絵や言葉で伝える天才・能町みね子さんが、世にあふれる様々な雑誌の購読者を、想像し、妄想して擬人化したのが「雑誌の品格」です。

    とにかく、網羅している雑誌の種類が豊富。ギャル御用達の雑誌「小悪魔ageha」から、対極にあるようなナチュラル嗜好の「クウネル」、有名ドコロの赤文字雑誌「JJ」や「nonno」まで、あらゆる雑誌の人格がつくられていて、読んでいくと、その趣味嗜好が自分に似通った人格がいるのに気が付きます。

    こうしてみると、雑誌ってあらゆる人格を網羅したメディアなのだなー、と気付かされます。
    また、能町みね子さんが作り出す雑誌の人格がツボすぎるの。ちょっと誇張はあるものの、だいたいその雑誌を読んでいそうな、実際にいそうな人ばかりなんですよ。

    雑誌の人格
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    ギャル系雑誌の「小悪魔ageha」(惜しまれつつも現在休刊)擬人化・アゲハさん設定
    ・地方(山口県)のキャバ嬢・22歳
    ・キラキラネームの子供あり
    ・地元を愛する
    など

    私に一番近いのは、「カメラ日和」か「ku:nel (クウネル)」かなあ。近いというより憧れですね。雑誌は憧れの対象を掲載するものですから。

    友人の漫画家・久保ミツロウさんとタッグをくんだオールナイトニッポンや久保みねヒャダこじらせナイトは最高。
    久保ミツロウと能町みね子がオールナイトニッポンやってみた
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    モテない理由はここにあった! 「くすぶれ!モテない系」

    大野更紗さんの「困っているひと」のイラストも能町さんです。

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