しゃばけシリーズ外伝 「えどさがし」 畠中 恵
2015.01.07 Wednesday
しゃばけシリーズ外伝「えどさがし (新潮文庫)」読了。通常のしゃばけシリーズと異なり、今回、若だんなはあまり出てきません。
おなじみの仁吉や佐助、妖が見える僧・寛朝さまや、若だんなに知恵とお菓子を拝借しに来る、親分とそのおかみさんの話など、しゃばけの登場人物たちが主人公になり、身に迫る難題を(若だんな抜きで)解決していきます。
これはまだ、犬神の佐助が若だんなと出会う前のお話。あてもない旅を続ける佐吉の前に、人に化けた狐・朝太が現れる。
茶店の判じ絵(絵文字)の謎を解いていくうち、どうやらそれが佐助の500年前の約束に関わることだとわかる。けれどそこへまたお稲という狐が現れ、珍道中が始まることに…。判じ絵の謎が解かれていくうち、佐助は500年前の約束事を思い出していきます。
若だんなたちと関わりのある河童の親分・禰々子は、このところ利根川の化身・坂東太郎が荒れているのに頭を悩ませていた。
原因を探ると、人間たちが利根川の流れを勝手に変えようとしているらしい。様子を探るべく普請場へ向かった禰々子は、普請を行う侍・小日向に出会う。小日向をにくからず思うようになった禰々子は、坂東太郎に人間と真っ向勝負をするように諭すのだが…。
江戸初期、実際に行われた利根川東遷事業に案を取り、人間の都合で自然を変えられる側のドタバタを描いています。それにしても禰々子さん強い。
直木賞作家、門井慶喜さんの「家康、江戸を建てる」でも、利根川東遷事業について書かれています。
妖退治で有名な僧・寛朝の元には、人々からの怪異に関する相談事が後を絶たない。あるとき、口入れ屋の女房お千が亭主についた「おなご妖」を払って欲しいとやってくるが、寛朝といえでも「おなご妖」など聞いたことがない。よくよく聞くと、亭主が弱腰なのを、妖のせいだと思い込んでいるようで…。
その後、大滝屋が夜道で襲われ、その後大滝屋でも奉公先の騒動が発生し、女房お千の責任問題にまで発展するが、それを解決したのは、意外な人物で…。
時々長崎屋の離れに現れては、お菓子と若だんなの知恵を拝借していく日限の親分。その女房・おさきは病がちで夫に面倒をかけるのを申し訳なく思っていた。
あるとき、自分の長屋の中に赤ん坊が捨てられ、同時に亭主が買っておいた昼ごはんまでが消えていた。長屋の住人に相談すると「捨て子を引き取るふりをした強盗事件」があることを知らされる。けれど、強盗に使われたのは女の子だという。果たして捨てられた赤子の正体は…。
話には出てきていた親分のおかみさん。こんな方だったんですね。拾い子をしたことで彼女自身も強くなっていったようでした。推理は親分よりも上手のようです。
明治20年代。「京橋」と名を変えた仁吉は、「江戸の頃をおぼえているか 一」という新聞の投書の出処を調べに新聞社へ。
そこでピストル殺人事件に遭遇し、事件に巻き込まれることに。警官に化けた妖かし・秋村から、投書の情報を調べるかわりに事件を調べてほしいと頼まれ、仁吉は明治の世でも面倒事に巻き込まれます。
果たして投書の主は若だんな(の生まれ変わり)なのか、ピストル事件の真相は…
時は明治に移り、若だんなはそこにおらず、妖かしたちだけが明治の世に残されています。仁吉たちは店を守り、姿を変えて若だんなの生まれ変わりを探しているのです。
こうした形で若だんなのいないのその後を知らされるのは、なんとも切ないのですが、「しゃばけ」では神様によって一度運命が変えられたこと(ゆんでめて)があるので、あくまでスピンオフの世界として考えておこうと思います。
しゃばけ本編では、若だんなと妖かしたちがずっとずっと一緒にいると、信じていますので。
「えどさがし」には畠中先生の「アイスクリン強し」に登場する洋菓子屋「風琴屋」のものらしき洋菓子がでてきます。いつか若様組や真次郎が仁吉たちに会うお話も読んでみたい。
・「しゃばけ」感想→
・「ぬしさまへ」感想→
・「おまけのこ」感想→
・「うそうそ」感想→
・「いっちばん」感想→
・しゃばけ絵本「みぃつけた」感想→
・「ころころろ」感想→
・「ゆんでめて」感想→
・「やなりいなり」感想→
・「ひなこまち」感想→
・「たぶんねこ」感想→
・「すえずえ」感想→
・「なりたい」→
・「しゃばけ読本」→
・2007しゃばけドラマ感想→
・2008しゃばけドラマ感想→
レビューポータル「MONO-PORTAL」
おなじみの仁吉や佐助、妖が見える僧・寛朝さまや、若だんなに知恵とお菓子を拝借しに来る、親分とそのおかみさんの話など、しゃばけの登場人物たちが主人公になり、身に迫る難題を(若だんな抜きで)解決していきます。
五百年の判じ絵
これはまだ、犬神の佐助が若だんなと出会う前のお話。あてもない旅を続ける佐吉の前に、人に化けた狐・朝太が現れる。
茶店の判じ絵(絵文字)の謎を解いていくうち、どうやらそれが佐助の500年前の約束に関わることだとわかる。けれどそこへまたお稲という狐が現れ、珍道中が始まることに…。判じ絵の謎が解かれていくうち、佐助は500年前の約束事を思い出していきます。
太郎君、東へ
若だんなたちと関わりのある河童の親分・禰々子は、このところ利根川の化身・坂東太郎が荒れているのに頭を悩ませていた。
原因を探ると、人間たちが利根川の流れを勝手に変えようとしているらしい。様子を探るべく普請場へ向かった禰々子は、普請を行う侍・小日向に出会う。小日向をにくからず思うようになった禰々子は、坂東太郎に人間と真っ向勝負をするように諭すのだが…。
江戸初期、実際に行われた利根川東遷事業に案を取り、人間の都合で自然を変えられる側のドタバタを描いています。それにしても禰々子さん強い。
直木賞作家、門井慶喜さんの「家康、江戸を建てる」でも、利根川東遷事業について書かれています。
たちまちづき
妖退治で有名な僧・寛朝の元には、人々からの怪異に関する相談事が後を絶たない。あるとき、口入れ屋の女房お千が亭主についた「おなご妖」を払って欲しいとやってくるが、寛朝といえでも「おなご妖」など聞いたことがない。よくよく聞くと、亭主が弱腰なのを、妖のせいだと思い込んでいるようで…。
その後、大滝屋が夜道で襲われ、その後大滝屋でも奉公先の騒動が発生し、女房お千の責任問題にまで発展するが、それを解決したのは、意外な人物で…。
親分のおかみさん
時々長崎屋の離れに現れては、お菓子と若だんなの知恵を拝借していく日限の親分。その女房・おさきは病がちで夫に面倒をかけるのを申し訳なく思っていた。
あるとき、自分の長屋の中に赤ん坊が捨てられ、同時に亭主が買っておいた昼ごはんまでが消えていた。長屋の住人に相談すると「捨て子を引き取るふりをした強盗事件」があることを知らされる。けれど、強盗に使われたのは女の子だという。果たして捨てられた赤子の正体は…。
話には出てきていた親分のおかみさん。こんな方だったんですね。拾い子をしたことで彼女自身も強くなっていったようでした。推理は親分よりも上手のようです。
えどさがし
明治20年代。「京橋」と名を変えた仁吉は、「江戸の頃をおぼえているか 一」という新聞の投書の出処を調べに新聞社へ。
そこでピストル殺人事件に遭遇し、事件に巻き込まれることに。警官に化けた妖かし・秋村から、投書の情報を調べるかわりに事件を調べてほしいと頼まれ、仁吉は明治の世でも面倒事に巻き込まれます。
果たして投書の主は若だんな(の生まれ変わり)なのか、ピストル事件の真相は…
時は明治に移り、若だんなはそこにおらず、妖かしたちだけが明治の世に残されています。仁吉たちは店を守り、姿を変えて若だんなの生まれ変わりを探しているのです。
こうした形で若だんなのいないのその後を知らされるのは、なんとも切ないのですが、「しゃばけ」では神様によって一度運命が変えられたこと(ゆんでめて)があるので、あくまでスピンオフの世界として考えておこうと思います。
しゃばけ本編では、若だんなと妖かしたちがずっとずっと一緒にいると、信じていますので。
「えどさがし」には畠中先生の「アイスクリン強し」に登場する洋菓子屋「風琴屋」のものらしき洋菓子がでてきます。いつか若様組や真次郎が仁吉たちに会うお話も読んでみたい。
アイスクリン強し (講談社文庫)
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しゃばけシリーズ感想
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