神保町に、住みたくなる。[映画] 森崎書店の日々

2015.03.04 Wednesday

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    古書店が軒を連ねる東京・神保町。そんな本の街を舞台にした映画「森崎書店の日々」を鑑賞。本好きには、たまらない映画です。

    「森崎書店の日々」あらすじ


    貴子は、社内恋愛の恋人から突然「彼女(貴子とは別の女性)と結婚する」と告げられ、会社にいづらくなり辞めてしまう。自堕落な日々を過ごしていた貴子のもとに、ある日一本の電話が入る。東京で古書店を営むおじのサトルから、店を手伝わないかと誘われるまま、貴子は神保町にある森崎書店で暮らすことになる。

    今までまったく知らなかった本の世界。貴子は神保町で暮らすうち、徐々に古書店の生活に慣れ、喫茶店でアルバイトをするトモコや高野などの友達もでき、徐々に明るさを取り戻していったのだが…。

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    価値をつくる


    本好きカフェ好きの私としては、毎日思う存分本を読んだり、コーヒーを読みながら本を読めたらいいなあ、理想の生活だなあ、と思うのですが、でも、そうした幸運をさずかるのは、本にあまり興味のない人だったりするわけです。

    貴子も最初は、本には全く興味がなくて、常連客に本について語られてもちんぷんかんぷんだったのですが、なにせやることがないので、当てずっぽうでそこらにある本を読んでいくと、徐々に本の魅力にとりつかれていきます。

    映画の中で、サトルおじさんが値段が決められない本を貴子に託し、「好きな値段をつけていい」といったのですが、貴子はその本を読み終わって値段をつけるシーンは、金額が映されません。でもここが映画のポイントなのだと思います。

    それが、友人のトモコが語る「自分で価値をつくる」という言葉につながっていくのでしょう。

    自分で価値をつくる、その可能性に気がついた貴子は、神保町を去る決心をします。いつか、彼女が価値をつけた本を、選んでくれる人(恋人)がくるといいな。

    サトルおじさんと貴子


    サトルおじさんと、貴子の距離感がいいんです。親子でもなく、恋人とも違う、独特の距離感があって。だからこそ、サトルさんは貴子を心配するけど、あまり深入りせず、彼女が心を開くまで待っています。

    やがて、貴子が本当のことを話した時「その男に謝罪させよう。向き合わないと過去に囚われる」といい、相手の家に押しかけたりもする。

    サトルさん自身も若い頃、傷ついて、迷って、放浪の旅にでたり、奥さんに逃げられたり、さまざまな苦労があったので、貴子を自分の若い頃と重ねていたのかもしれません。だから、放っておけないんでしょうね。

    それにしても、昔バックパッカーで、古書店経営なんて、そんなステキなおじさん、私も欲しい…。


    原作も読んでみたくなりました。
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    ●古書店にまつわる作品いろいろ


    「ビブリア古書堂の事件手帖〜栞子さんと奇妙な客人たち」(三上 延)
    「月魚」(三浦しをん)
    「ブンブン堂のグレちゃん」(グレゴリ青山)
    JUGEMテーマ:邦画

    レビューポータル「MONO-PORTAL」
    コメント
    日月さん、こんにちは☆
    これ、本当に羨ましい環境というか、親戚をお持ちですよねー。
    私もあんな風な親戚がいたらなあ・・・。

    この女優さん(名前ド忘れ)は、女優さん以外にもイラストや文章も書ける人ですよねー。
    おさんぽ日記だったかな・・?(これまた忘れちゃった)も好きでした。
    • by latifa
    • 2015/03/04 2:15 PM
    latifaさんへ

    知り合いになったお友達のご家族が古書肆だったらしく、古書にまつわる本を紹介してもらいました。

    どうも古書店の横のつながりは強いらしくて、森崎書店の日々でも神保町の古本屋さんがエキストラででてらしたそうです。
    • by 日月
    • 2015/03/06 12:23 AM
    「日月」さん、わざわざTBをありがとうございます。
    クマネズミも本が好きで、昔はよく古本屋を漁りに行きましたから、こうした雰囲気の映画にはたまらないものを感じます。
    ただ、本作が制作された時から5年も経過する今、神保町の雰囲気は相当変わってしまっていると思います。人々がより一層本を読まなくなっていますし、他方、ネットで古書が簡単に入手できるのですから(貴エントリで「値段が決められない本」に触れておられますが、そんな本でも、ネット検索すれば中古価格がすぐに分かる時代です)。
    それで、拙エントリの(2)で触れました高円寺の都丸書店も、その支店が別経営に移ってしまっています〔ちなみに、この古書店は映画『苦役列車』(2012年)にも登場します〕。
    貴エントリに、「昔バックパッカーで、古書店経営」する「ステキなおじさん」とあるところ、そんな人がまだこの世に存在することを切に願うものです。
    そのおじさん役の内藤剛志は、映画よりも「科捜研の女」などのTV出演が多いようですが、主演の菊池亜希子は、その後も気になっていましたら、なんと現在公開中の『深夜食堂』で見ることが出来たので嬉しくなりました。
    ご挨拶遅くなりましたが、TBありがとうございました。

    もうこの作品観てから4〜5年経ちます。
    これを観た映画館はもうなくなってしまいました。
    映画自体も、穏やかですがほっこりとした内容で、私は好きなんです。
    これ観たなあと懐かしく(映画だと5年スパンがあればそうなっちゃいますね)思い起こさせていただきまして、ありがとうございました。
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    古本屋を舞台にした内容は基本大好きなので、見てみました。
    • ポコアポコヤ 映画倉庫
    • 2015/03/04 2:15 PM
    タイトルでもわかるように、これは古本屋さんを舞台にした物語である。今年最初に観た映画は面白くも可笑しくもない、ほんとに何ともないまったりとした内容だった。若い女の子の失恋話、自分探し、中年男の懐かしい自分探しの旅、そしてcoffeeの香り。またこれですか
    • GARA
    • 2015/03/11 8:31 AM
    監督・脚本 : 日向朝子 原作 : 八木沢里志 出演 : 菊池亜希子 、 内藤剛志 、 田中麗奈 、 奥村知史 、 きたろう 、 松尾敏伸 、 吉沢悠 、 岩松了 鑑賞劇場 : シネセゾン渋谷 公式サイトはこちら。 <Story> 失恋の痛手から会社を辞め、ひたすら
    • Nice One!! @goo
    • 2015/03/12 9:34 AM
    【解説・あらすじ】第3回ちよだ文学賞で大賞を受賞した八木沢里志の小説を、人気モデルの菊池亜希子主演で映画化。同じ職場の恋人から別の女性と結婚することを打ち明けられた貴子は、ショックのあまり会社を辞めてしまう。ある日、部屋に閉じこもってばかりいた彼女の
    • ただただ映画を楽しんでる人のブログ
    • 2017/02/17 6:12 AM
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