「鹿の王 還って行く者」 上橋 菜穂子

2015.04.14 Tuesday

0

    「鹿の王 還って行く者」 あらすじ


    岩塩鉱で黒犬によって移された伝染病から、奇跡的に助かった主人公・ヴァンは、同じく助かった幼女・ユナとともに、トナカイ放牧民の青年、トマもとへ身を寄せ、トナカイの放牧を手伝っていたが、呪術師スオッルに招かれた先で、ユナが何者かにさらわれてしまう。「偶然」居合わせた女狩人・サエとともにユナを追いかける旅へ。

    一方医術師ホッサルは、黒犬病が狼と犬の混血犬によって媒介されることを発見し、核心に迫るものの、媒介者たちに捕らえられてしまう。

    ヴァンとホッサル、全く異なる2人が会合したとき、病の謎と陰謀の姿が明らかになっていく…。

    鹿の王 (下) ‐‐還って行く者‐‐

    中古価格
    ¥214から
    (2019/4/13 19:44時点)




    異世界と現世は表裏一体


    「鹿の王」の後半は、伝染病の原因と、その裏側にある、国や民族の対立が浮き上がってきます。ひとつを結び目を解くと、また別の結び目ができてしまう、そんな複雑な背景がみえてくる。普通、ファンタジーというのは、善とか悪とか、二分化された単純なものが多いですが、上橋菜穂子さんの作品は、だれも悪ではなく、視点を変えれば、だれもが悪で、善でもあるんです。

    普通の人々が、追い詰められ、自らの氏族を守ろうとするあまり、相手を犠牲にしてもかまわない。そんな考えに取り憑かれてしまう。

    「鹿の王」は架空の国の話ですが、一方的な支配や闘争、伝染病の蔓延は、今の世界情勢にシンクロしています。本当に人間を描いた作品には、絵空事なんてないんです。そんな中で、この物語を読むことで、自分はどう考え、どう生きればいいのか、とても考えさせられるのです。

    人と自然との結びつき


    人は、生きていく土地によって、食べるものも、環境も違います。育てる家畜も、馬であったり、トナカイであったり様々。

    土地にあった作物や家畜を育て、その土地の自然を神として祀る、そんな社会環境が構築されていきます。けれど、そのシステムが無理やり変化させられてしまうとしたら、やはりそこには歪みが生じ、それが闘争の原因となっていきます。

    鹿の王 (上) ‐‐生き残った者‐‐

    中古価格
    ¥1から
    (2019/4/13 19:44時点)







    外伝が読みたいっ!


    「鹿の王」発売から日も浅いのですが、もう外伝が読みたくて仕方がないんです。マコウカンの一族の話とか、サエの跡追いの話とか、あと、できればユナが大きくなった話とか、物語の世界で他にどんなことが起こっていたのか、これから起こるのか、それをぜひ読みたい。

    鹿の王 水底の橋

    中古価格
    ¥1,250から
    (2019/4/13 19:45時点)




    JUGEMテーマ:オススメの本


    レビューポータル「MONO-PORTAL」
    コメント
    コメントする
    トラックバック
    この記事のトラックバックURL