ショート・ショート時代小説 「ならぬ堪忍」 山本周五郎

2015.06.10 Wednesday

0
    山本周五郎の「ならぬ堪忍」読了。もともとBS11の本紹介番組「すずらん本屋堂」のショート・ショートSHOWという企画で紹介された短篇集です。

    時代小説でショート・ショートって、珍しいなと思い読んでみると、ああ、なるほど、こういうことになるのかと納得。短い文章の中に武士の生き様が描かれています。

    その他にも、情よりも武士としての建前をとるもの、人のために自分を犠牲にするものなど、様々な武士の生き様が描かれています。


    「ならぬ堪忍」あらすじ


    とある藩。大六という少年が、重助という相手との諍いから、決闘にまで発展する。決闘を決意した大六に、叔父の又十郎は、「侍の命は君主に捧げたもので、私事で捨てるものではない。」と諭すのだが、大六は聞き入れない。

    そこで又十郎は、大六に、内密だが、近々戦があると打ち明ける…。

    時勢に流されない、山本周五郎の思い


    「ならぬ堪忍」は昭和20年に書かれました。私情に流されず、主君のために命をささげるのを良しとする戦意啓発の物語ですが、一方で「命を粗末にせず、大事の時まで生き抜け」とも書かれています。

    おそらく戦時中の人が読むと「主のために命を捧げる」が主で、現代人が読むと「命を粗末にしない」という点に重点が置かれるのではないでしょうか。

    他の小説も、戦時中に書かれたにしては、無闇やたらに命を捨てさせる戦意高揚というより、武士道を通じて、どう生きるかを説いた物語が多く、制約の中でも山本周五郎の反骨の心意気が感じられます。


    ならぬ堪忍 (新潮文庫)

    新品価格
    ¥724から
    (2018/6/2 21:08時点)





    こちらも番組で紹介されたショート・ショートを集めた「極短小説
    「SHORTEST STORIES」を、「極短小説」と訳したのは洒落がきいていますね。

    極短小説 (新潮文庫)

    中古価格
    ¥1から
    (2018/6/2 21:08時点)





    JUGEMテーマ:読書感想文

    コメント
    コメントする
    トラックバック
    この記事のトラックバックURL