2015.07.21 Tuesday

読むとほっこりとする、恋愛小説 「ラビット病」 山田詠美

以前、広田レオナさん、吹越満さんご夫妻がテレビにてていた時、ご自分たちを「夫婦というより、双子の兄弟(レオナさんが兄だそうな)のような関係」だと例えてらっしゃいました。

はて?そんな言葉を前にもどこかで聞いたことがあるような…?

と、思ったら、これでした。山田詠美さんの「ラビット病」にそんなフレーズがあったのです。「ラビット病」は、愛を知らない破天荒だけどかわいい女の子と、心優しい黒人青年とのラブストーリーです。

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「ラビット病」は、日本人の女の子、ゆりちゃんと、アフリカ系アメリカ人のロバート(ロバちゃん)の愛と試練(主にロバちゃんが)の日常を描いた連作短編なのですが、その中に「双子届」という、不思議なお話があるのです。

双子届


あるとき、ラーメン屋に入ったゆりちゃんとロバちゃんは、顔形から仕草まで全く同じ双子の老紳士に出会います。老紳士たちから「君たちも双子なのだから、双子届を出さなければならない」と忠告され…。

なぜ、性別も国籍も違うふたりが双子なのか?そんな疑問はあるのですが、ゆりちゃんとロバちゃんの2人は本当に仲がいいので、きっとソウルメイトみたいなことなんじゃないかな、と。

愛とは、バターより鍋である


私が好きなエピソードはラストのお話「ゆりの嫁入り」の中の、お鍋の話です。蟹を食べる時ロバちゃんは、ゆりちゃんが好きな鍋を用意するものの、ゆりちゃんは困惑します。

というのも、ロバちゃんは、蟹は溶かしたバターにつけて食べるのがすきなのに、自分の好みに合わせてくれる。早くに両親を亡くし、人を愛する行為が具体的にわからない(だから時々突飛な行動をする)ゆりちゃんは、ロバちゃんが自分を思ってしてくれる行為を素直に受け取れないんですね。

ロバちゃんのうちでは、母親は毎日の調理法を子供たちの好みを聞いて、順繰りで変えてくれていたのです。そんな愛のある家庭に育ったロバちゃんだからこそ、ゆりちゃんをまるごと受け止めることができるのだろうな。

読むとほっこりとする、恋愛小説「ラビット病」。人を好きになるって、きっとシンプルなことなんでしょうね。

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