粋でかっこいい、こんな映画は初めてだ。[映画]幕末太陽傳

2015.09.06 Sunday

0
    2015年9月に川島雄三の傑作「幕末太陽傳」が青木崇高さん主演で舞台化されると聞き、原作にあたる映画「幕末太陽傳」のデジタルリマスター版を鑑賞。

    いやー、もう、かっこいい。こんなかっこいい映画、初めてだ。

    幕末太陽傳 デジタル修復版 DVD プレミアム・エディション
    Happinet(SB)(D) (2012-06-02)売り上げランキング: 65,688


    幕末太陽傳 あらすじ


    まず、冒頭、現代(昭和30年代)の品川の風景が写され、赤線地帯(知らない人はググってみよう!)の「逆さクラゲ」(まあ、ご想像通りの意味です。多分)の看板から、文久二年の品川遊郭・相模屋へ移動していく。

    「居残り佐平次」「品川心中」「三枚起請」など、落語のモチーフを使い、幕末の品川遊郭を舞台に一文無しで女郎屋へ居続ける佐平次を中心に、幕末の志士や女郎たちの悲喜こもごもが描かれます。

    豪遊を決め込み、持ち前の才覚で女郎屋で頭角を現す主人公・佐平次をフランキー堺、高杉晋作に石原裕次郎、二谷英明、岡田真澄、その他豪華キャスが揃い踏み。(ちょい役で二代目水戸黄門、西村晃さんも出演)


    死があるからこそ、生が輝く


    佐平次のフランキー堺さんが、本当にかっこいい。当時人気絶頂の石原裕次郎を向こうに回して、一歩も引かない、それどころか上回る存在感。

    肺病を病み、死を間近に感じてなお、生きることに貪欲で、幕末のご時世を己の才覚で泳いでいく、佐平次。その姿がユニークで、時にシリアスで。

    死が身近にあるからこそ、生は濃厚で華やいでいく。

    「地獄も極楽もあるもんけぇ、おいらはまだまだ生きるんでぇ!」

    このセリフ、ただただ、かっこいい。

    現代は、死を遠ざけ、生だけをもとめてしまうから、今ではこんなに輝いていないんだと思う。




    寛政太陽傳「写楽」


    川島雄三監督は、「幕末太陽傳」の後、東洲斎写楽を主人公にした「寛政太陽傳」を企画していたそうです。川島亡き後、その意志を受け継ぎ、フランキー堺さんが制作したのが「写楽」。こちらもあわせてみてみたい。

    写楽 Sharaku [DVD]
    写楽 Sharaku [DVD]
    posted with amazlet at 15.09.02
    東宝 (2008-04-25)売り上げランキング: 74,085


    幻のラストシーン


    川島雄三が考えていたラストシーンは、佐平次が時代劇のセットを抜け、昭和30年代の、町並みをどこまでも走って行くというものだったのだとか。その辺りの話が漫画「栄光なき天才たち」に描かれています。

    栄光なき天才たち 10 (ヤングジャンプコミックス)
    森田 信吾 集英社 売り上げランキング: 157,246


    レビューポータル「MONO-PORTAL」

    コメント
    コメントする
    トラックバック
    この記事のトラックバックURL