「明日の子供たち」から、「施設で育った子どもの自立支援」を読む。

2015.11.12 Thursday

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    有川浩さんの「明日の子供たち」を読むまでは、児童福祉施設がどんなところかなんて、全く知りませんでした。唯一、児童養護施設で知っている知識は、ジーン・ウェブスターの「あしながおじさん」と「続あしながおじさん」くらいです。

    あしながおじさん」の中で、主人公ジュディは親切な評議員(あしながおじさん)によって、大学へ進むことができました。

    けれど、ジュディのように、運に恵まれなかった場合、一定の年齢に達すると、施設を出なければなりません。これは何も、100年前のアメリカの話ではなく、現代の児童養護施設施設でも、同じ条件なのだそうです。


    「明日の子供たち」を読んでから


    「明日の子供たち」で、それのことを読んで驚きました。現在の日本でも、高校進学しない場合は中卒で、高校進学後も、高校卒業時点で子供たちはそのまま、施設を卒業することになります。

    「施設で育った子どもの自立支援」は、施設を去ってからの子供たちの告白と、児童養護施設、自立支援の関係者による文章で構成されてていて、初心者でも読みやすいです。

    それにしても、子供たちの告白には衝撃を受けました。社会に出ても生活苦のため犯罪に走ったり、風俗で働かざるを得なくなったり、パートナーから暴力を振るわれたりと、悲惨なことも書いてありました。

    施設で育った子は、決して「かわいそう」ではないのだけれど、ハンデはある。相談できる大人がいない社会にいきなり出て行くことは、リスクを伴うこともあるのですね。そういうことも、初めて知りました。

    この本では、施設で育った子供たちのアフターケアについても書かれています。「アフターケア相談所ゆずりは」では、児童養護施設を退所した人向けの相談、ケアを行っているそうです。


    子どもの未来をあきらめない 施設で育った子どもの自立支援
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    有川浩さんの作品のすごさは、作品そのものにもあるのですが、読者がその物語の背景を知りたいと強く思うこともあるのじゃないでしょうか。有川浩さんの本を読むと、巻末にある関連書籍を読んで、その世界のことをもっと知りたくなるんです。

    明日の子供たち 感想→

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