八咫烏シリーズ『黄金の烏』 阿部 智里
2016.04.19 Tuesday
八咫烏シリーズ『黄金の烏』読了。面白くて一気読み。相変わらず阿部智里さんの書く世界観は独特で面白い。
人の姿をとれる八咫烏の住まう世界「山内」、その世界を統べる特別な烏を「金烏」という。
「金烏は、あらゆる烏の父であり、母でもある。」山内が危機に瀕したときに生まれ出るとされ、現在では、若君の奈月彦が金烏であると言われている。
地方豪族の次男坊・雪哉は以前、日嗣の皇子である若君に仕えていたが、現在は故郷の垂氷にもどっていた。ある日、「仙人蓋」と言われる危険な薬物を使用し、暴れていた者と遭遇する。
雪哉はお忍びで垂氷へ来ていた若君と共に、薬の調査を開始するが、調べの途中で立ち寄った辺境の村で、全ての村人が「猿」に喰われるという異常事態に遭遇する。
生き残ったのはたった一人、行李に入れられ、難を逃れた小梅という少女だけだった。
やがて、人喰い猿を山内へ引き込んだものがいることがわかり、そしてそれは、小梅が鍵をにぎっているらしいのだが…
今回は、「山内」の世界の謎、外の世界との関わり、そして、真の金烏とは何か?と言う謎が少し明かされます。
山内は、言わば大きな結界であり、そこからの出入りは(とくに、入ることが)容易ではありません。
今までの敵は、宮中内の同じ烏同士でしたが、今回は新たな敵「猿」が登場します。また八咫烏の世界と何らかの関わりがある「人間」の存在も。今まで、独立した異世界だと思っていた「山内」が実はいろいろな世界とつながり、影響を与えているらしいことがわかってきます。
でも今回、雪哉は金烏である若君が世界を救う力を持つことに懐疑的でしたが、今回、若君の力を目の当たりにしたことで、若君のマイペースな行動の裏にある思いに触れることになります。
それが、どんな結果を若君や雪哉にもたらすのでしょう。これからの展開が楽しみです。
改めて読んでみると、気になることがいろいろと…。
・路近と朔王は顔見知り
・小梅と雪哉の視点の違い
八咫烏シリーズというか雪哉については「自分と相手との視点の違い」について何度も描写されています。ここでも雪哉は事件の関係者として小梅を見ていて、小梅は雪哉を愛しさから見ているため、誤認が生まれます。
「やっていることは同じなのに、がらりと意味合いが変わってしまう」
今後の八咫烏シリーズを読むにつけ、この意味合いが違う、同じ行動が物語の鍵になりそうです。
八咫烏シリーズ外伝『烏百花 蛍の章』は、『すみのさくら』から『まつばちりて』までの4編に描き下ろしの2編が加わった外伝集。
・『烏に単衣は似合わない』
・『烏は主を選ばない』
・『黄金の烏』
・『空棺の烏』
・『玉依姫』
・『弥栄の烏』
・第二部『楽園の烏』
・第二部『追憶の烏』
・『烏百花 蛍の章 八咫烏外伝』
・『烏百花 白百合の章 八咫烏外伝』
・八咫烏シリーズ外伝『さわべりのきじん』
・コミカライズ『烏に単は似合わない』
・コミカライズ『烏は主を選ばない1』
・コミカライズ『烏は主を選ばない2』
・コミカライズ『烏は主を選ばない3』
・『羽の生えた想像力 阿部智里BOOK(電子書籍)』
・『八咫烏シリーズファンブック』(電子書籍)
・『追憶の烏』ネタバレトークイベント感想
レビューポータル「MONO-PORTAL」
『黄金の烏』あらすじ
人の姿をとれる八咫烏の住まう世界「山内」、その世界を統べる特別な烏を「金烏」という。
「金烏は、あらゆる烏の父であり、母でもある。」山内が危機に瀕したときに生まれ出るとされ、現在では、若君の奈月彦が金烏であると言われている。
地方豪族の次男坊・雪哉は以前、日嗣の皇子である若君に仕えていたが、現在は故郷の垂氷にもどっていた。ある日、「仙人蓋」と言われる危険な薬物を使用し、暴れていた者と遭遇する。
雪哉はお忍びで垂氷へ来ていた若君と共に、薬の調査を開始するが、調べの途中で立ち寄った辺境の村で、全ての村人が「猿」に喰われるという異常事態に遭遇する。
生き残ったのはたった一人、行李に入れられ、難を逃れた小梅という少女だけだった。
やがて、人喰い猿を山内へ引き込んだものがいることがわかり、そしてそれは、小梅が鍵をにぎっているらしいのだが…
八咫烏の住む世界について
今回は、「山内」の世界の謎、外の世界との関わり、そして、真の金烏とは何か?と言う謎が少し明かされます。
山内は、言わば大きな結界であり、そこからの出入りは(とくに、入ることが)容易ではありません。
今までの敵は、宮中内の同じ烏同士でしたが、今回は新たな敵「猿」が登場します。また八咫烏の世界と何らかの関わりがある「人間」の存在も。今まで、独立した異世界だと思っていた「山内」が実はいろいろな世界とつながり、影響を与えているらしいことがわかってきます。
でも今回、雪哉は金烏である若君が世界を救う力を持つことに懐疑的でしたが、今回、若君の力を目の当たりにしたことで、若君のマイペースな行動の裏にある思いに触れることになります。
それが、どんな結果を若君や雪哉にもたらすのでしょう。これからの展開が楽しみです。
再読感想
改めて読んでみると、気になることがいろいろと…。
・路近と朔王は顔見知り
・小梅と雪哉の視点の違い
八咫烏シリーズというか雪哉については「自分と相手との視点の違い」について何度も描写されています。ここでも雪哉は事件の関係者として小梅を見ていて、小梅は雪哉を愛しさから見ているため、誤認が生まれます。
「やっていることは同じなのに、がらりと意味合いが変わってしまう」
今後の八咫烏シリーズを読むにつけ、この意味合いが違う、同じ行動が物語の鍵になりそうです。
八咫烏シリーズ外伝『烏百花 蛍の章』は、『すみのさくら』から『まつばちりて』までの4編に描き下ろしの2編が加わった外伝集。
八咫烏シリーズ
・『烏に単衣は似合わない』
・『烏は主を選ばない』
・『黄金の烏』
・『空棺の烏』
・『玉依姫』
・『弥栄の烏』
・第二部『楽園の烏』
・第二部『追憶の烏』
・『烏百花 蛍の章 八咫烏外伝』
・『烏百花 白百合の章 八咫烏外伝』
・八咫烏シリーズ外伝『さわべりのきじん』
・コミカライズ『烏に単は似合わない』
・コミカライズ『烏は主を選ばない1』
・コミカライズ『烏は主を選ばない2』
・コミカライズ『烏は主を選ばない3』
・『羽の生えた想像力 阿部智里BOOK(電子書籍)』
・『八咫烏シリーズファンブック』(電子書籍)
・『追憶の烏』ネタバレトークイベント感想
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