純愛って、けっこうホラー。[映画] 友だちのパパが好き

2016.05.13 Friday

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    「友だちのパパが好き」タイトルだけみると、ちょっと切ない、ラブストーリーなのかと思いきや、けっこうなホラーでした。そして、下手なホラーより、人間の心がずっと怖い。でも面白い。で、ちょっとエロいw


    山内ケンジ監督は、舞台『トロワグロ』を観てから、ファンに成ってしまいました。人間の描き方、本音と建前や、建前にひた隠した醜い部分を「笑い」にしてみせてくれるのですが、その描き方が徹底していて怖いくらい。

    けれど、目が話せないのです。そして、一度観るとやみつきになるのです。


    「友だちのパパが好き」にでてくるのは、私達の隣にいそうな、普通の人々。本来なら「建前」で覆い隠している人間の本音の部分が、主人公のマヤの行動によって、浮き彫りになっていく。その姿はとても醜くて欲にまみれているのですが、でもどうしても嫌いになれない。



    「友だちのパパが好き」 あらすじ


    妙子は、ある日友人のマヤから「あなたのパパが好き」と告白される。
    妙子も、母親のミドリも、最初は相手にしていなかったが、マヤの行動はエスカレートし、恭介を駅で待ち伏せし、メル友になり、ミドリとの離婚が決まると、今度は愛人のハヅキと恭介の仲を裂こうとする。一方でマヤに別れを告げられた元担任の田所はマヤ恋しさに狂気に走って行き…。


    普通の怖さ、普通じゃない怖さ


    私が怖いなあと個人的に思ったのは、吹越満さん演じる恭介さんが、娘に離婚の説明をするとき「震災とかいろいろあって…」と、震災を言い訳に「普通に」使っていたことです。おそらくこの人、震災では被害を受けず、親戚、知り合いも被災していないんじゃないかな。


    だから「普通に」言い訳に使える。そして、日本中に同じような言い訳をしている人がいるんだろうな、と考えたら、ちょっと背筋が寒くなりました。


    妙子も、彼氏と自分の関係を聞かれて「好きだよ、普通に」って答えてる。これは、マヤのように本気になれない自分をごまかすための「普通」なんだろうな。


    それを「普通じゃない」マヤがかき回していくのがまた、怖いんだよなあ。


    考えてみたらこの映画「恐怖」と「笑い」と「エロ」と、人間がほしい感情が全部詰まってますね。だから面白いのかも。


    山内ケンジさんの戯曲本「トロワグロ」。とある家のホームパーティーに集まる人々。美しい人妻、童貞っぽい男、優男のデザイナー、女好きの専務、不機嫌な専務の妻、一見好青年な息子。


    パーティーが進むにつれ、建前に隠された、さまざまな本音や秘密が見えてくる。岸田國士戯曲賞受賞を受賞。


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