[映画]海街Diary
2017.05.03 Wednesday
いい映画を観せていただきました「海街Diary」は、鎌倉で暮らす4人姉妹の物語です。もともと、吉田秋生さんの原作が大好きでしたが、映画は、漫画の世界観そのまんまでした。
鎌倉で暮らす香田3姉妹(幸、佳乃、千佳は、不倫の末に家を出た父親の葬儀に出席するため山形へ。そこには母親違いの妹、すずがいた。すずをひきとり、4姉妹として暮らすことになった。
やがてすずは、地元サッカーチームに入り、鎌倉に馴染んできた頃、祖母の法事に、3姉妹を捨てた母親が現れ…
美しい鎌倉の四季と、4姉妹の心の機微が繊細に描かれていて、いやもう、一瞬たりとも目を離せない映画って久しぶり。穏やかな日常の中にも、姉妹ひとりひとりが悩みを抱え、それをなかなか口にだすことができないでいるその感じがね、すごく伝わる。
私も三姉妹だったので、しっかりものの長女、破天荒な次女、変わり者の三女っていう姉妹あるあるに、思わず笑ってしまいました。そうそう、姉妹ってこんな感じなんだよね。こんな服の貸し借りで喧嘩したりもしょっちゅうだったし。
すずちゃんは4女だけど、ずっと一人っ子だったし、父親の再婚相手の子供面倒見たりしていたので、完全に甘えるわけにはいかなくて、そんなところが愛おしいんだよなあ。
広瀬すずちゃんがほんと、いい表情するんだよなあ。彼女が最初に出てきた時、その表情をみただけで泣きそうになりました。ああ、本当にすずちゃんがいるな、と。その存在感は、樹木希林、大竹しのぶという演技のバケモノ(褒め言葉です)2人をむこうに回しても色褪せることはありませんでした。
「海街Diary」は、細部にまでこだわってつくられてます。衣装ひとつとっても、すずちゃんが花火大会から帰ったあとの襟元のくたり具合とか、千佳ちゃんの個性的な帯とか、姉妹たちの性格を表したデザインになってます。
あと、細かいな―、と思ったのは樹木希林さん演じる大船の大叔母さんの喪服の帯がゆがんでるんですね。
樹木希林さんご自身は着物愛用者なので、こんなミスはしないだろうし…、と思ったら、年配の方って腕が後ろに回りにくいので、帯が歪んでしまうことがあるんです。もしかしたらわざと?だとしたらこだわりすごいな…
風太がすごいな、と思ったのは、すずが両親が不倫の末に自分が生まれたことで、姉たちに申し訳ない気持ちと、母を恋しく思うけれど、それを口に出せないこと。そんな複雑な事情を抱えたすずの悩みを「男兄弟で女の子望まれたのに男だったから自分だけ写真少ない」といって返すんですね。
複雑な家庭環境って、他人からはなかなか想像つかないし、だからといって「そんなことないよ!」ではすずの心は晴れなかったでしょう。こういう切り返しができるからこそ、この子はみんなに愛されてるんだなって思うんです。
原作では、このあとも物語は続いていて、すずの進学や姉たちのその後の恋も描かれていきます。ぜひ、続編つくってほしいな。
レビューポータル「MONO-PORTAL」
あらすじ
鎌倉で暮らす香田3姉妹(幸、佳乃、千佳は、不倫の末に家を出た父親の葬儀に出席するため山形へ。そこには母親違いの妹、すずがいた。すずをひきとり、4姉妹として暮らすことになった。
やがてすずは、地元サッカーチームに入り、鎌倉に馴染んできた頃、祖母の法事に、3姉妹を捨てた母親が現れ…
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そりゃ、アカデミー賞総ナメするわけだ。
美しい鎌倉の四季と、4姉妹の心の機微が繊細に描かれていて、いやもう、一瞬たりとも目を離せない映画って久しぶり。穏やかな日常の中にも、姉妹ひとりひとりが悩みを抱え、それをなかなか口にだすことができないでいるその感じがね、すごく伝わる。
私も三姉妹だったので、しっかりものの長女、破天荒な次女、変わり者の三女っていう姉妹あるあるに、思わず笑ってしまいました。そうそう、姉妹ってこんな感じなんだよね。こんな服の貸し借りで喧嘩したりもしょっちゅうだったし。
すずちゃんは4女だけど、ずっと一人っ子だったし、父親の再婚相手の子供面倒見たりしていたので、完全に甘えるわけにはいかなくて、そんなところが愛おしいんだよなあ。
広瀬すずちゃんがほんと、いい表情するんだよなあ。彼女が最初に出てきた時、その表情をみただけで泣きそうになりました。ああ、本当にすずちゃんがいるな、と。その存在感は、樹木希林、大竹しのぶという演技のバケモノ(褒め言葉です)2人をむこうに回しても色褪せることはありませんでした。
神は細部に宿る
「海街Diary」は、細部にまでこだわってつくられてます。衣装ひとつとっても、すずちゃんが花火大会から帰ったあとの襟元のくたり具合とか、千佳ちゃんの個性的な帯とか、姉妹たちの性格を表したデザインになってます。
あと、細かいな―、と思ったのは樹木希林さん演じる大船の大叔母さんの喪服の帯がゆがんでるんですね。
樹木希林さんご自身は着物愛用者なので、こんなミスはしないだろうし…、と思ったら、年配の方って腕が後ろに回りにくいので、帯が歪んでしまうことがあるんです。もしかしたらわざと?だとしたらこだわりすごいな…
すずと風太
風太がすごいな、と思ったのは、すずが両親が不倫の末に自分が生まれたことで、姉たちに申し訳ない気持ちと、母を恋しく思うけれど、それを口に出せないこと。そんな複雑な事情を抱えたすずの悩みを「男兄弟で女の子望まれたのに男だったから自分だけ写真少ない」といって返すんですね。
複雑な家庭環境って、他人からはなかなか想像つかないし、だからといって「そんなことないよ!」ではすずの心は晴れなかったでしょう。こういう切り返しができるからこそ、この子はみんなに愛されてるんだなって思うんです。
原作では、このあとも物語は続いていて、すずの進学や姉たちのその後の恋も描かれていきます。ぜひ、続編つくってほしいな。
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レビューポータル「MONO-PORTAL」