八咫烏シリーズ外伝『ふゆきにおもう』(ネタバレ)

2018.02.07 Wednesday

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    八咫烏シリーズ外伝『ふゆきにおもう』。『烏は主を選ばない』の主人公・雪哉の出生にまつわる物語です。

    『烏は主を選ばない』から八咫烏シリーズの重要な役割を担ってきた雪哉。一見、明るく飄々としているけれど、俯瞰的に物事をみる目と、明晰な頭脳を持つ少年で、若君からの信頼も厚い。

    そんな彼の能力は、実は2人の母親から受け継いだものでした。

    『ふゆきにおもう』あらすじ


    北領・垂氷郷の郷長の下の息子2人が行方知れずになった。母親の梓は必死で探すものの見つからない。そんな時・息子雪哉とその母親・冬木の噂を耳にした梓は、北本家の姫・冬木のことを思い出す。

    梓は昔、冬木に仕えていた侍女だった。冬木は病弱ゆえ、意地のわるいところがあったが、梓のように気に入ったものや、小さく無垢なものにはやさしかった。そして、俯瞰的に物事を見る目と、明晰な頭脳を持っていた。

    ある時2人の前に垂氷郷の嫡男・雪正が現れた。健康的で誠実な雪正に惹かれた冬木をおもい、梓は雪正と冬木の縁談を申し出る。しかし、雪正が思っていたのは梓の方で…



    2人の母


    『烏は主を選ばない』では、雪哉の母は侍女だった梓と夫雪正へのあてつけとして、無理やりに雪哉を産み落として死んでいった、と語られました。

    けれども、そこには冬木の計算があったのです。ただ純粋に自分の子を生みたい。その思いと梓への信頼。自分が死んだあと梓が雪哉を守ってくれるだろうと。だから2人を恨む芝居を打って雪哉を産み落としたのでした。

    このふゆきの計算高さと、自分の評価より目的を優先する行動力、それが雪哉に受け継がれたのでしょうね。

    『しのぶひと』で雪哉が結婚相手の条件としてあげた「自分に何かあった時頼れる実家があり、夫婦間に恋愛感情を持ち込まないこと」という表現も若宮の影響もありますが、やはり冬木の遺伝なのでは。

    そしてもう一人の母、梓からは思いやりと思いやりを受け継いだ気がします。
    この母がのおかげで、雪哉は垂氷郷でなんとかやっていけたのだし、『黄金の烏』でも相手への思いやりについて教えられています。(その時は暴走しましたが…)



    いよいよ八咫烏シリーズ外伝『烏百花 蛍の章』の発売が決まりました。これまでの短編に加えて書き下ろしも。





    八咫烏シリーズ


    『烏に単衣は似合わない』
    『烏は主を選ばない』
    『黄金の烏』
    『空棺の烏』
    『玉依姫』
    『弥栄の烏』
    外伝『すみのさくら』
    外伝『しのぶひと』
    外伝『まつばちりて』
    外伝『あきのあやぎぬ』
    外伝『ふゆのことら』
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