2018.04.30 Monday

しゃばけシリーズ『とるとだす』畠中 恵

しゃばけシリーズ『とるとだす』読了。最近のしゃばけシリーズは、それぞれが独立したお話であると同時に、各話が呼応し合った一連の流れとなっています。

最初のお話で問題が発生→若だんなと妖たちが試行錯誤(その間に他の事件を解決)→最終話で解決…?

『とるとだす』あらすじ


さて、今回の話の核となるのは長崎屋の主である藤兵衛の病。若だんなたちが藤兵衛病状を回復させるため、妖怪の世界や神々の世界を訪れ奮闘します。しかし、藤兵衛の倒れた原因は病ではなく「薬」だったため、通常の方法ではなかなか回復せず…

とるとだす
とるとだす
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とるとだす


顔見知りの僧、寛朝に呼び出された若だんなと父親の藤兵衛。ほかにも薬種問屋が集められており、その渦中、突然藤兵衛が倒れてしまう。どうやら数種類の薬をすすめられて同時に飲んだらしい。息子と違って健康体の藤兵衛がなぜ薬を飲んだかというと…


しんのいみ


藤兵衛の病状は危機は脱したもののまだ難しい状態。若だんなは父親の病を好転させることのできる妖怪「枕返し」を探して江戸に出現した蜃気楼のなかへ。ところがその蜃気楼は、入ったものの記憶をうばっていくところだった。

若だんなは蜃気楼の中で知り合った坂左(さかざ)とともに蜃気楼の主である喜見を探しに行くのだが…

古来、蜃気楼は大きな貝がつくる幻だと信じられてきました。幻の土地だからこそ、人は何かを忘れたくてひきつけられるのかもしれません。


ばけねこつき


藤兵衛の容態はまだ安定せず、若だんなは兄やたちの静止も振り切り薬種問屋の店先にでて商売に励んでいた。あるときそんな若だんなに押しかけ結婚話が。神田の裕福な小東屋では娘が「ばけねこつき」と噂され縁談が流れたため、遠くの通町の長崎屋へ縁を求めに来た。小東屋は娘と結婚すれば万病に効く薬の作り方を持参金としてもたせるという。

実はそこには、ある陰謀があり…

ここで一番怖いのは妖怪よりも人。善意にせよ悪意にせよ、人の強い気持ちにはさすがの妖怪も神々ですら圧倒されます。なかでもすごかったのが長屋のおかみさんたち。なんと貧乏神の金次にまでお嫁さんを世話する始末。

当時仲人をすると謝礼がもらえるし、付き合いもふえる、井戸端会議のネタにもなるので、おかみさんたちはこぞって独身者に結婚を世話していたそうで…。現代も少しはそうしたおせっかいがあったほうがいいのかな、と思いますが、あまり強引なのも現代では通用しないでしょうね。


長崎屋の主が死んだ


このタイトルには驚きました。本当に藤兵衛は死んでしまうのか。あるとき長崎屋に狂骨と呼ばれる死神が長崎屋を呪うとやってきた。まだ本調子でない藤兵衛を心配し、若だんなは狂骨の正体を探っていくと、ある僧が井戸に身を投げて死んだのが原因とつきとめる。

自分だけがなぜこんな不幸な目に。という思いが強すぎて、狂骨は不幸の原因に少しでも関わった者たちをたたっていたのです。狂骨も以前は人間。やはり恐ろしいのは人間ですね…。

ふろうふし


藤兵衛の様子は芳しく無く、若だんなの母親のおたえは心配で数々のお供えをした。それが神々の噂となり大黒様が長崎屋にやってきて、常世の国の少名彦ならば妙薬を知っている、ついでに言伝を頼みたいと、若だんなを常世の国国へ送ってしまう。しかし、ついた先はなぜか神田。小さな一寸法師が侍たちと争っていた。

若だんなは「島子」という神が不老不死の薬を持ち逃げした騒動にまきこまれてしまう。

相変わらず日本の神仏は畏れ敬い、決して近づいてはならぬものですね。こちらの理は通用しませんから。

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