『少女の友とその時代』遠藤 寛子

2018.06.12 Tuesday

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    『少女の友』をモチーフにした伊吹有喜さんの小説『彼方の友へ』を読んでから、伝説の少女雑誌『少女の友』への興味が俄然わいてきました。
    『彼方の友へ』感想

    『少女の友とその時代』は、作家であり『少女の友』の愛読者であった遠藤寛子さんが雑誌関係者や愛読者たちへの丹念な取材をもとに書かれた研究本。『少女の友』伝説の主筆・内山基氏にスポットを当て、彼の業績についても紹介しています。

    内山基氏は『彼方の友へ』で主人公が憧れる有賀主筆のモデルとなった人物。中原淳一氏とタッグを組み、上質な小説や詩、美しい付録、少女たちへの啓蒙など、雑誌を通じて次世代の少女たちの感性を育てたいと信念をもっていました。

    「友ちゃん会」と呼ばれた読者の集いは、運営は少女たち自身が行っていたそうです。女が働くことが蔑まれていた昭和時代に自ら会場を手配し、人数を集めて会を進行する。こうした「少女たちが自ら考え行動すること」こそが内山主筆が『少女の友』で目指したことでした。

    当時の投稿ページには作家の田辺聖子さんなどが名を連ねていたそうです。
    少し文章が硬くて読みにくい面もあるけれど、当時の『少女の友』の雰囲気が伝わってきます。



    『彼方の友へ』で登場した美しい付録「フローラゲーム」のモデルとなった「フラワー・ゲーム」や「啄木かるた」など、当時の付録への制約を逆手にとった、今見ても美しい付録の数々。この伝説の付録は近年復刻されましたが、今やおとなになった女性の「乙女心」をくすぐります。これはほしい…!

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