『BORDER 警視庁捜査一課殺人犯捜査第4係』古川 春秋 金城 一紀
2018.06.27 Wednesday
金城一紀脚本、小栗旬主演でドラマ化された『BORDER』。犯人の銃弾が脳内に残ってしまったことで死者と話せるようになった刑事、石川安吾が事件を通じ生と死に対峙する重厚なサスペンス。
自らも格闘技を行う金城さんがこだわったアクションシーンは圧巻でした。
そんな『BORDER』がオリジナルストーリーでノベライズ化。登場人物のバックボーンや心情が語られ、より深くドラマの世界を楽しむことができました。
トンネルで会社員大谷の死体が発見される。特別監察官の比嘉ミカは「犯人は身長160センチ前後、あるいはそのように偽装だれた可能性がある」と推測。時を同じくして大谷の部下の女性社員が自殺未遂。
事件は、恥情のもつれによる犯行とみて捜査が開始される。
石川は静かに死者に問いかける「あなたを殺したのは、誰ですか?」死者からの聞き取りで犯人は「鬼」のような突起を持つ男だという。ほどなく政治家の秘書が殺され、石川は殺された秘書にも話を聞くと、彼もまた「鬼」を見たという。
関連のないように思われた2つの事件が、大きな事件につながっていくと知った石川は…
ノベライズものって、ただストーリーを文章化したものが多いですが、こうしたオリジナルストーリーはうれしいです。
登場人物たちの設定も深く描かれていて、ドラマでは描かれなかった石川の家族のこと(兄の自殺、父との確執)や比嘉ミカが「死者の声を聞く」ことにこだわる理由などが語られます。設定では知っていたけれど、実際に言葉になると石川と比嘉の深い思いを知ることができました。
そして小説版では石川と比嘉は焼き肉食べに行ったり、比嘉の顔立ちに照れたりする石川の姿もみられてちょっとほっこり。ドラマではいつも殺伐としていたから。こういうちょっとしたぬくもりがあるとうれしいし、こうした暖かさが石川が「あちら側」へ行きそうになる衝動を防いでくれるかもしれない、と思ったりします。
欲を言えば、アクションシーンはもう少しスピード感がほしかったかな。金城さんのスピード感のある文章が懐かしい。はやく小説も書いてくれよ…。
「BORDER 贖罪/衝動」、ドラマのその後、罪を背負った石川がどう生きていくかを描いた「贖罪」、比嘉ミカが石川たちと出会う前の事件を描いた「衝動」どちらも申告な内容でしたが、物語がきちんとあるべきところに収まったという感じです。
比嘉さんは死者と話せずともその卓越した分析能力で犯人にたどり着きます。石川と違ったアプローチですが、彼女もまた「死者の声」を聞き取ることができるのでしょうね。
自らも格闘技を行う金城さんがこだわったアクションシーンは圧巻でした。
そんな『BORDER』がオリジナルストーリーでノベライズ化。登場人物のバックボーンや心情が語られ、より深くドラマの世界を楽しむことができました。
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『BORDER 警視庁捜査一課殺人犯捜査第4係』あらすじ
トンネルで会社員大谷の死体が発見される。特別監察官の比嘉ミカは「犯人は身長160センチ前後、あるいはそのように偽装だれた可能性がある」と推測。時を同じくして大谷の部下の女性社員が自殺未遂。
事件は、恥情のもつれによる犯行とみて捜査が開始される。
石川は静かに死者に問いかける「あなたを殺したのは、誰ですか?」死者からの聞き取りで犯人は「鬼」のような突起を持つ男だという。ほどなく政治家の秘書が殺され、石川は殺された秘書にも話を聞くと、彼もまた「鬼」を見たという。
関連のないように思われた2つの事件が、大きな事件につながっていくと知った石川は…
オリジナルストーリー
ノベライズものって、ただストーリーを文章化したものが多いですが、こうしたオリジナルストーリーはうれしいです。
登場人物たちの設定も深く描かれていて、ドラマでは描かれなかった石川の家族のこと(兄の自殺、父との確執)や比嘉ミカが「死者の声を聞く」ことにこだわる理由などが語られます。設定では知っていたけれど、実際に言葉になると石川と比嘉の深い思いを知ることができました。
そして小説版では石川と比嘉は焼き肉食べに行ったり、比嘉の顔立ちに照れたりする石川の姿もみられてちょっとほっこり。ドラマではいつも殺伐としていたから。こういうちょっとしたぬくもりがあるとうれしいし、こうした暖かさが石川が「あちら側」へ行きそうになる衝動を防いでくれるかもしれない、と思ったりします。
欲を言えば、アクションシーンはもう少しスピード感がほしかったかな。金城さんのスピード感のある文章が懐かしい。はやく小説も書いてくれよ…。
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「BORDER 贖罪/衝動」、ドラマのその後、罪を背負った石川がどう生きていくかを描いた「贖罪」、比嘉ミカが石川たちと出会う前の事件を描いた「衝動」どちらも申告な内容でしたが、物語がきちんとあるべきところに収まったという感じです。
比嘉さんは死者と話せずともその卓越した分析能力で犯人にたどり着きます。石川と違ったアプローチですが、彼女もまた「死者の声」を聞き取ることができるのでしょうね。
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