八咫烏シリーズ外伝『あきのあやぎぬ』阿部 智里

2018.06.24 Sunday

0
    八咫烏シリーズ外伝シリーズ『烏百花 蛍の章 八咫烏外伝』刊行から時を待たずにまた新しい物語が発表されました。

    『あきのあやぎぬ』あらすじ


    西家の官僚の妻・環は夫の死後、多額の借金があることを知らされ、子供とともに食うや食わずの生活に落とされる。だがあるとき、夫と面識があったという西家の次期当主・顕彦から側室にと望まれる。

    御曹司らしい、ひょろりとした顕彦の姿に不信感を覚えたものの、生活のために西本家の「紅葉の御殿」へあがった環だったが、そこには正妻の楓のほか、18人もの側室がいた…。



    源氏物語かと思いきや


    18人もの側室、それも老女から幼女まで数多くの側室をもつ顕彦は、さながら光源氏か好色一代男のような女好きかと思いきや、物語は意外な展開に。

    てっきり、若宮のお后候補として女性たちが火花をちらした『烏に単は似合わない』のように女のバトルが繰り広げられると思っていたのですが。それにしても山内の中小貴族・官僚の妻たちは家が没落すると、自活することもできず誰かにすがるしかないというのは悲しいですね。

    八咫烏シリーズ外伝、前回「蛍の章」で書き下ろした話は、内容が正直いまひとつ深みがなかったなあと思ったので、今回の短編もどうなることか…と思っていたら、『あきのあやぎぬ』は、側室たちの衣装の美しさや、山内世界の行事や風俗、人物の描写も詳細に描かれていて、もう少し読みたいと思わせてくれる内容でした。



    本編では語られることのない、こうした市井の八咫烏たちの姿をみられるのも外伝のいいところですね。しかし、若宮たちはこれから彼らの生活をどう守っていくのでしょうか。

    困難が待ち受けていそうな本編に思いを馳せつつ、外伝の八咫烏の物語も楽しんでいこうと思います。

    八咫烏シリーズ


    『烏に単衣は似合わない』
    『烏は主を選ばない』
    『黄金の烏』
    『空棺の烏』
    『玉依姫』
    『弥栄の烏』
    外伝『すみのさくら』
    外伝『しのぶひと』
    外伝『ふゆきにおもう』
    外伝『まつばちりて』
    外伝『あきのあやぎぬ』
    外伝『ふゆのことら』

    JUGEMテーマ:電子書籍

    JUGEMテーマ:最近読んだ本

    コメント
    コメントする
    トラックバック
    この記事のトラックバックURL