ゴッホを支えた日本人『たゆたえども沈まず』原田マハ

2018.08.16 Thursday

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    原田マハさんの『たゆたえども沈まず』読了。19世紀パリに実在した日本人画商・林忠正とゴッホ、その弟テオとの交流と、ゴッホの絵を世に出さんとする彼らの葛藤を描いた作品です。

    『たゆたえども沈まず』あらすじ


    加納重吉は語学学校の先輩である林忠正に呼ばれ、パリの美術商「若井・林商会」で働くことになった。19世紀のパリは世界の文化の中心であり、新興ブルジョアジーたちを中心に日本文化・美術ブーム「ジャポニズム」が流行。忠政はその流れに乗り、数々の浮世絵を販売していた。

    パリの浮世絵ファンは多く、その中には「グーピル商会」の若き画商・テオ・ファン・ゴッホがいた。

    彼には魂を分け合ったかのような愛する兄がいたが、画家の道を志すものの、あまりにも斬新なその画風は世情に受け入れられず、テオは友人となった重吉と忠政に兄の絵をみせることに…。

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    ジャポニズムと当時のパリ


    19世紀のヨーロッパといえば日本やアジアなど蔑むべき2等国の扱いだと思っていましたが、ジャポニズムの影響でパリの日本に関する関心は高く、忠政のような日本人は歓迎されていたようです。

    フランスは現在でも日本のアニメ・漫画への理解が深く、すぐ自国風にアレンジする某国とちがい、作品そのものを理解しようとする気質は、このころから培われたのかもしれません。

    もうひとつのジャポニズム漫画


    「ニュクスの角灯」は、明治初頭の長崎で輸入雑貨を営む百年(モモさん)とそこへ雇われた不思議な力を持つ少女美世の物語。物語の中でモモさんもパリで日本美術店を開きます。当時の長崎とパリの文化風俗がよくわかる漫画。

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    ゴッホ兄弟と林忠正


    とにかくまあ、ゴッホ(フィンセント)がダメ人間です。19世紀の芸術家も文豪も社会不適合者ばかりですが、フィンセントもこのひとりですわ。弟テオのお金を安酒や淫売宿に使うし、「俺が売れないのはお前のせいだ!」とか言っちゃうし。

    それでも、あがきながら描き出した絵は当時の新興芸術「印象派」さえも凌駕する全く新しい表現はテオも、重吉も忠政もただならぬものを感じます。

    よく「生まれる時代が早すぎた」といいますが、ゴッホがまさにそうでした。まだ保守的な風潮の残るパリ画壇で、ゴッホの絵を認めさせることがいかに難しいか。

    それでも辛抱強くゴッホ兄弟をささえ「強くおなりなさい」と助言する忠政と、テオを気遣う重吉。やがてゴッホ兄弟が亡くなった後、忠政たちがゴッホの絵を受け取らなかったのは「世に出すには早すぎる」と判断したからかもしれません。

    彼らがもし、ゴッホの絵所有していたらどうなっていたのか。しかし現在、ゴッホの「ひまわり」は彼が恋焦がれた日本に渡り、今も人々の目を楽しませてくれています。

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    ゴッホ兄弟をモチーフにした漫画『さよならソルシエ』こちらのフィンセントは天然だけども優しく明るい青年です。

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    コメント
    日月さん、こんにちは!
    私もこれ、少し前に読みました。

    「ニュクスの角灯」とか、「さよならソルシエ」って漫画のことは全然知らなくて、是非読んでみたくなりました♪
    • by latifa
    • 2018/09/17 10:52 AM
    latifaさん、コメントありがとうございます〜

    「さよならソルシエ」はフィンセントとテオの異なる解釈の物語で面白いですよ。「ニュクスの角灯」もおすすめです。
    • by 日月
    • 2018/09/17 2:23 PM
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