校閲ガールの周りの人々『校閲ガール ア・ラ・モード』
2018.11.12 Monday
校閲ガール続編『校閲ガール ア・ラ・モード』読了。しかし今回、校閲ガールはほとんど登場しません。彼女の周囲の人々のお話です。俺様な編集男子の本にかける情熱だったり、リア充編集者の意外な悩みなど、前作『校閲ガール』ではわからなかった彼らの人物像が深く描かれていきます。
『校閲ガール』は、ファッション女子の河野悦子が畑違いの校閲部で起こる事件や人間模様を描いたお話ですが、当然のことながら主人公・悦子の視点から描かれています。
逆に『校閲ガールア・ラ・モード』は、悦子の周りの人々が、本編とはちがった側面が描かれています。
悦子の同期でリア充にみえる元読モでファッション誌編集の森尾。読モってだけで人生の勝ち組、ヒエラルキーのトップでのうのうとしていてもいいのに、彼女はあがくんですね。
あまり深く考えぬまま入った編集部での仕事、モデルとして成功した友達への複雑な気持ち、そして高級ファッション誌からのヘッドハンティング、ひとつひとつ向き合って行こうとする森尾かっこいいな。
校閲部で悦子と仲の良い米岡。彼(彼女)も、普段は明るいのですが、やはりジェンダーについて悩んだりしています。彼(彼女)の校閲を仕事にするまでのお話も興味深く、少女漫画に文字の間違いを指摘したファンレターを書いたら、編集部から「校閲のお仕事」を勧められたから。
読者から間違いを指摘されたら嫌だろうに、「校閲」という道を米岡に示したその編集者さん、すてきですね。こどもにとっての本や漫画は、子どもたちの一生を決めうる力があるんですから、それらに携わる人々がこういう意識を持って仕事をしてくれていると、読者もうれしい。
・『校閲ガール』感想
そんな、こころなごむ話とは真逆の、出版界の暗黒面を描いたお話もありました。
いつも悦子に面倒を押し付ける編集の貝塚。常に強引で嫌われ気味の貝塚ですが、編集者としての情熱(新人作家の本を出す)は持ち合わせているんですね。そのためには作家のご機嫌取りや周りへの無茶振りも辞さない。
そんな姿はちょっといいかな。って思います。ちょっとだけど。
それにしても、出版を巡る事情はどんどん深刻になっていきますね。
「表現者は増えているが、その表現に興味を持つ人(読者)は減っている」という言葉が刺さります。賞をとってもデビューできない新人作家たち、本が売れない現状、高慢な作家たち…
しかし、編集者に土下座させる作家って本当にいるんですかね…。いるとしたらそんな作家の本は絶対に読みたくない。
大泉洋を宛書した「騙し絵の牙」でも、出版業界の暗黒面に立ち向かう編集長・速水の奮闘が描かれます。こちらもおすすめです。
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登場人物たちの意外な一面
『校閲ガール』は、ファッション女子の河野悦子が畑違いの校閲部で起こる事件や人間模様を描いたお話ですが、当然のことながら主人公・悦子の視点から描かれています。
逆に『校閲ガールア・ラ・モード』は、悦子の周りの人々が、本編とはちがった側面が描かれています。
悦子の同期でリア充にみえる元読モでファッション誌編集の森尾。読モってだけで人生の勝ち組、ヒエラルキーのトップでのうのうとしていてもいいのに、彼女はあがくんですね。
あまり深く考えぬまま入った編集部での仕事、モデルとして成功した友達への複雑な気持ち、そして高級ファッション誌からのヘッドハンティング、ひとつひとつ向き合って行こうとする森尾かっこいいな。
校閲部で悦子と仲の良い米岡。彼(彼女)も、普段は明るいのですが、やはりジェンダーについて悩んだりしています。彼(彼女)の校閲を仕事にするまでのお話も興味深く、少女漫画に文字の間違いを指摘したファンレターを書いたら、編集部から「校閲のお仕事」を勧められたから。
読者から間違いを指摘されたら嫌だろうに、「校閲」という道を米岡に示したその編集者さん、すてきですね。こどもにとっての本や漫画は、子どもたちの一生を決めうる力があるんですから、それらに携わる人々がこういう意識を持って仕事をしてくれていると、読者もうれしい。
・『校閲ガール』感想
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出版界の暗黒面と編集者たち
そんな、こころなごむ話とは真逆の、出版界の暗黒面を描いたお話もありました。
いつも悦子に面倒を押し付ける編集の貝塚。常に強引で嫌われ気味の貝塚ですが、編集者としての情熱(新人作家の本を出す)は持ち合わせているんですね。そのためには作家のご機嫌取りや周りへの無茶振りも辞さない。
そんな姿はちょっといいかな。って思います。ちょっとだけど。
それにしても、出版を巡る事情はどんどん深刻になっていきますね。
「表現者は増えているが、その表現に興味を持つ人(読者)は減っている」という言葉が刺さります。賞をとってもデビューできない新人作家たち、本が売れない現状、高慢な作家たち…
しかし、編集者に土下座させる作家って本当にいるんですかね…。いるとしたらそんな作家の本は絶対に読みたくない。
大泉洋を宛書した「騙し絵の牙」でも、出版業界の暗黒面に立ち向かう編集長・速水の奮闘が描かれます。こちらもおすすめです。
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