『サトコとナダ』から考えるイスラム入門 ムスリムの生活・文化・歴史

2019.01.19 Saturday

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    イスラム女子と日本女子の友情を描いた『サトコとナダ』が終わってしまい、寂しく思っていたところ、こんな本が出版されました。

    『サトコとナダ』から考えるイスラム入門 ムスリムの生活・文化・歴史 (星海社新書)では、イスラム教の歴史、ムスリムとテロ、イスラム教徒とのつきあい方について、漫画「サトコとナダ」を例に解説しています。

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    仏教の宗派と似てる、さまざまなイスラム教徒たち


    『サトコとナダ』の作者ユペチカさんによる、国ごとのイスラム教徒の姿が描かれています。これによるとムスリム女性の体を覆うニカブやヒジャブをつけていない人、お祈りはできる範囲で、モスクには行ったことがないなど、イスラム教徒といっても実にさまざま。

    同じ宗教なのにこの違い、なにかに似てる…と思ったら、日本の仏教に似てます。仏教も宗派によってお祈りも修行もちがうし、滝行や断食をやる宗派もあれば、そういうこといっさいやらない宗派もありますから。

    日本の仏教について楽しく学べる「ぶっカフェ!」は、宗派の違う3人のお坊さん(イケメン)が運営するカフェのお話です。「サトコとナダ」と同じツイ4の連載中。

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    男尊女卑ならぬ女尊男卑?


    『サトコとナダ』で、サウジアラビア人のナダからの情報は、日本人のサトコには驚くことばかりでした。なかでも「モスクの礼拝は女性が後ろ」な決まりは男尊女卑なんじゃないのか、ニカブやヒジャブなどの衣装は抑圧の象徴ではないのか、と考えるのですが…?

    実はそれ「男は女性が前にいるとそわそわちゃってお祈りに集中できないから」というちょっとほっこりする理由です。髪や体を隠す女性の衣装も灼熱の中東では、理にかなった服装なんだとか。

    ムスリム社会では女性は庇護すべき大事な存在である、らしいのです。ただ、世の中、きちんと女性を大事にできる男性ばかりではないですからね…そうした家長制度の場合、女性が声をあげづらかったり、一人で働いて自立するのは(特に中東では)難しそうです。

    ただ、地域によっては女性の社会進出も進んでいるらしいので一概に男尊女卑(あるいは女尊男卑)とは言えないらしいのです。

    以前はそんなでもなかった…?イスラム教が注目された理由とは


    今回驚いたのは、保守…というか厳格なイスラム教の教えに従うサウジアラビアも、50年くらい前までは黒いニカブを着てなかったらしいのです。あと話題のハラル食も以前はそんなに厳密じゃなかったらしい。

    移民先での迫害や戦争など、さまざまな困難にあったムスリムたちは、もういちど自分たちの原点であるイスラム教に回帰していったのだとか。しかし行き過ぎた宗教観が、うっぷんを晴らすテロ行動に結びついてしまうこともあり…

    『サトコとナダ』でもサウジアラビアのイスラム教徒の風習や習慣について語られます。ちなみにイスラム教徒のナダは「お母さんと同じ格好がしたい」からニカブをつけたかったのですって。

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    イスラム教とテロ


    世界で多発する無差別テロ、特にイスラム教徒によるテロの頻発は世界に「イスラム嫌い」を生んでいきました。しかし、テロの実行犯が必ずしも宗教に熱心だったわけではなく、作者はこう言っています。

    テロ実行犯は(過激派など)暴力を正当化してくれる存在がなければ、単なる小悪党にすぎなかったでしょう

    と。

    よく聞かれる「ジハード」は「聖戦」ではなく、「神への努力」という意味なんですって。「努力」をどうとるか、解釈によってそれを暴力にするか、善行にするかは人それぞれの選択なんです。イスラム教ではなく。

    私達は物事を単純化してしまいがちです。だってそのほうがラクだから。「〇〇の考えは間違ってる!」とネットで叩いたり、「テロを起こすからイスラムは危険」みたいな。

    しかしどんな社会でも、過激な事件は起こっています。それを一概に宗教のせいにしてしまうのは危険な考えかもしれません。

    結局は「人による。」だから聞くことが大事


    育った場所や家庭環境によって考え方が違うように、イスラム教徒でもどこまでが禁忌かは、人によって判断がわかれるところです。(お酒を飲む人もいれば、ハラルを気にしない人もいる)

    一見、日本と関わりが少ないと思われるムスリムですが、現在日本にもたくさんのイスラム教徒が暮らし、モスクも全国に100以上あるのだとか。そんな「となりのイスラム」たちとどうつきあっていけばいいのか。

    そのヒントとして「イスラム」ではなく「個人としての隣人」として接するという風に書かれています。それは、自分と違う生活リズムの人として、できることできないことを確認し、コミュニケーションをとっていくことが大事だと。

    「すべてを受け入れなくても、お付き合いはできる」のです。私達だって、友人や知人のすべてを受け入れて付き合っているわけではないのですから。


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