2019.02.14 Thursday

『葉桜の季節に君を想うということ』歌野 晶午

『葉桜の季節に君を想うということ』そんなロマンチックなタイトルから、儚げな純愛小説を想像したのですが、ところがどっこい、冒頭、エロいシーンからはじまります。殺人、詐欺といった生臭い事件と、主人公とヒロインの純愛。それが最後にはあんな風になるとは。気持ちよく騙された作品でした。


『葉桜の季節に君を想うということ』


主人公・成瀬将虎は、高校の後輩・キヨシから、キヨシの想い人・久世愛子の身内の死の真相と、高齢者を対象にした詐欺グループ「蓬莱倶楽部」の調査を依頼される。そんな時、成瀬は偶然駅で自殺を図ろうとした麻宮さくらと運命的な出会いをする。

二人の恋の行方、「蓬莱倶楽部」の詐欺によって人生を狂わせる老人たち、そこに成瀬の過去が絡み合い、事件は意外な方向へと進んでいく…



あ〜!、やられた〜!


最終章を読み終えて、思わずあ〜、やられた〜!って思いましたね。
『葉桜の季節に君を想うということ』は「どんでん返し」がすばらしいミステリとして紹介されていたので、警戒しつつ読んでいたのですが、まさかこうくるとは。

言われてみれば小説の構成や、登場人物たちの言動などに「ひっかかり」は感じていたのですが、最後の最後で実にスムーズにひっくり返されるというか、いかに自分の感覚が思い込みでできているかを実感しました。

そして、読者がミスリードされるように作られた作者の綿密な構成がすごい。確かに読み返してみると核心を避ける表現であったり(多少強引なのもあるけど)、主軸の話の途中で、全く無関係(にみえる)話が入ってくることで混乱を誘ったり、小道具なども選びぬかれていているんです。(ジャイアンツとか)

推理というよりはラテラルシンキングに近い部分もあり、自分たちの感覚が固定概念に凝り固まっているのかを思い知らされました。

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結末がどんでん返しの小説


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80年代、とあるカップルを巡る恋愛小説…かと思いきや、最後の2行でひっくり返される。殺人はないけれど、別の怖さのある作品です。

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