2019.03.05 Tuesday

まんまことシリーズ『かわたれどき』畠中 恵

まんまことシリーズももう7冊目。『かわたれどき』では以前女房のお寿々を亡くした、やもめの麻之助にもいよいよ新しいご縁が…

畠中恵さんのもう一つのシリーズもの、「しゃばけ」シリーズは、あやかしたちが相手のせいか、時の流れはゆっくりですが、『まんまこと』ではどんどん時が流れていきます。

麻之助の友人、清十郎は結婚し子供が生まれ、同心見習いの吉五郎にも縁談がもちこまれたりと、麻之助の周囲の人々は前に進んでいきます。そんな中、麻之助の前に縁談の相手というおなごが現れ…。


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今回のテーマは「縁談」と「噂」いうところでしょうか。

江戸時代の結婚


江戸時代の結婚は家を背負うわけですから、今よりも重要な役割を担っています。

お気楽ものの麻之助でさえ、後添いをもらうことを納得しているのは、町名主を担う責任を当たり前のことと認識しているからです。町名主の妻というのは、相撲部屋の女将さん、歌舞伎役者の奥様のように、一つの職業ですから、それをになう女性を後添いにしなければ家が成り立たないんですね。

江戸時代は本当に結婚したくなければ家を捨てるくらいの覚悟が必要だし、若い時、初恋のお由有を守れなかったのも、麻之助自身が家を捨てられなかったからでしょう。

江戸時代の噂


現代でもフェイクニュースなどネットの噂は危ういものが多いですが、江戸時代は特に人と人との交流が活発だったためか、さまざま噂が短期間で伝播していきます。

中にはそんな噂を逆手に取り、人を惑わせたり、特定の人をあぶり出そうとしたり、自分の利益のために使う人も。
『きみならずして』では、自分に都合のいい噂を流して人を傷つける無邪気な人がでてきますが、実はこういうのが一番質が悪い。案の定というか、その後手ひどいしっぺ返しをくらいました。

やはり、噂を使うのは剣呑。やるならばそれ相応の覚悟が必要です。


かわたれどき


『君の名は』で有名になった『かたわれどき』は夕方、その対となるような言葉が『かわたれどき』でこちらは朝方を指す言葉だそうです。

麻之助の知り合いの娘、お雪が洪水に巻き込まれて行方不明に。その後、なんとか助け出されるものの、悪夢にうなされ、数年間の記憶を無くしてしまう。

お雪の祖母に頼まれた麻之助は、原因をさぐるべくお雪を助けてくれた矢田屋に向かう。矢田屋では跡取り娘のお市がなくなり、婿の八三郎は微妙な立場に追い込まれ、奉公人たちも彼をよく言わないため、八三郎がお市を殺めたのではないかと麻之助は考えるのだが…。


物語の終わりに、麻之助は縁談についてある決断をします。皆が前へすすみはじめた「まんまこと」シリーズ、これからどんな展開になっていくのでしょうか…。


収録
『きみならずして』
『まちがい探し』
『麻之助がつかまった』
『はたらきもの』
『娘四人』
『かわたれどき』

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まんまことシリーズ


「まったなし」
「ときぐすり」
「こいしり」
「こいわすれ」
「まんまこと」

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