五体投地と賢者の贈り物『テンジュの国4』

2019.06.19 Wednesday

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    チベットの暮らしを描いた『テンジュの国』。毎回チベットの風俗や習慣などを紹介してくれています。
    そして主人公の医師見習い少年のカン・シバと、異国の少女ラティとの恋物語がほのぼのとしていて、かわいらしいのです。




    放生と巡礼と沐浴


    今回のチベット風俗は放生と巡礼と沐浴です。
    放生とは、よく働いた馬などの家畜を野に放ち、余生を自由にすごさせることで、こうすることで徳を積むチベット武侠の教えです。放してから戻ってきた家畜はそのまま家で飼ってもいいのだとか。

    巡礼は聖地ラサやその先のカイラス山まで、「五体投地」と呼ばれる体を地につけて祈りながらすすみます。巡礼中は欲や嘘をついてはいけない、川を渡るときは川の幅分、手前で五体投地を行う、など細かいルールが定められています。

    偶然、巡礼の一行にであったカン・シバは怪我をした巡礼者を手当するのですが、巡礼を行う人の助けになるのも功徳になるというのは、日本の八十八ヶ所めぐりと似ていますね。

    沐浴は夏に川で行われます。しかし、寒いチベットのことですから夏とはいえ川の水は冷たく、乾燥もしているので年に数回でいいのでしょうね。この沐浴のタイミングで服を着替えるそうです。


    カン・シバとラティの賢者の贈り物


    薬草が大好きなカン・シバと染め物や縫い物が好きなラティ。ふたりとも周りからちょっと変わっている子(でも愛されている)なのですが、お互いのことを思いやり、ラティがカン・シバの薬入れを縫うと、カン・シバはお礼にと染料の紫根をプレゼントします。

    おたがいの好きなものがわかっていて、贈り合えるのは、Oヘンリの「賢者の贈り物」を思い出し、ほほえましいです。

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    テンジュの国1
    テンジュの国2
    テンジュの国3
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