八咫烏シリーズ外伝『はるのとこやみ』(ネタバレ)

2020.05.09 Saturday

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    八咫烏シリーズ『はるのとこやみ』は1巻『烏に単は似合わない』の前日譚で、東家の姫・あせびの母親・浮雲のお話です。音楽で心を通わせるラブ・ストーリーなのですが…




    『はるのとこやみ』あらすじ


    東家は音曲を司る家柄。庶民にも広く音曲を奨励しており、双子の伶と倫も「山烏」と呼ばれる庶民の出であるものの、楽才で東家に仕えることを許されていた。

    楽才があれば中央での出仕もかない、出世も約束されているため、修練を積むふたり。しかし、楽の才能は倫の方が勝っていた。自分の才能に限界を感じ、弟に嫉妬を覚える伶。

    ある時、帝である金鳥に嫁ぐ登殿の候補者選びのため梅見の宴が開かれる。そこで二人は驚くべき演奏を聞く。それは浮雲という姫の音だった。姫の音に魅了された弟の倫は、密かに姫と合奏を行い、心を通わせていく。

    弟は姫との恋に溺れ、けっきょく楽士となれたのは伶の方だった。ある日、中央に出仕した伶のもとに、弟が自殺をしたと知らせが入る。

    真相を確かめるため、浮雲の元を訪れる伶。そこで見たのは、弟の髪と目を持つ小さい姫だった。

    浮雲が弟を愛していたと確信した伶は、彼女に対面する。しかし、浮雲の口から出たのは、思いもかけない言葉だった…

    一番怖いのは、自覚がないこと


    最後の浮雲のセリフにゾッととしました。
    浮雲もあせびも、したたかで計算高いのですが、なんというか、その時々で欲しいものがあると全力を尽くすけれど、手に入れるとすぐに飽きて、忘れてしまうんですよね。

    『烏に単は似合わない』によると、浮雲は若君の母親殺しにも絡んでいるらしいのですが、そんな浮雲を持ってしても、敵わなかった大紫の御前すごいわ…。

    世界がなくなっても、争いは消えない


    『烏に単は似合わない』『烏は主を選ばない』では、宮中の勢力争いの物語ですが、八咫烏シリーズを最後まで読むと、現在、八咫烏の住む山内は未曾有の危機、「山内」という世界自体が存亡の危機に陥っています。

    そうなってしまったら、大紫のお前やあせびはどうするのでしょうね。自分たちの権謀術数だけでは通用しなくなる世の中がきても、やはり変わらず、自らの欲求のために動くのでしょうか…。まあそうでしょうね。それしかできないとしたら、いくら通用しなくてもやり続けそうです。彼女たちは。

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    八咫烏シリーズ


    『烏に単衣は似合わない』
    『烏は主を選ばない』
    『黄金の烏』
    『空棺の烏』
    『玉依姫』
    『弥栄の烏』
    外伝『すみのさくら』
    外伝『しのぶひと』
    外伝『ふゆきにおもう』
    外伝『まつばちりて』
    外伝『あきのあやぎぬ』
    外伝『ふゆのことら』
    外伝『なつのゆうばえ』
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