出産と手術と大沼田会「逃げるは恥だが役に立つ11」海野 つなみ

2020.06.02 Tuesday

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    平匡・みくり夫婦の妊娠にまつわるドタバタと、百合ちゃんのガン発覚。おまけに平匡さんの会社も人間関係の問題が山積み…。

    報連相で妊娠中のトラブル回避


    産休にはいって症状も落ち着いたみくりさん。平匡さんとともに名前や育休生活についてのミーティングを重ねます。しかし、まだまだ体調のすぐれないみくりさんと、仕事と家事にストレスを抱える平匡さんはささいなことで言い争いをしてしまう。

    まさか平匡さん、流行りの不倫に走ってしまうの…??と思っていたらそんなことにはなりません。(よかった…)平匡・みくりカップルは、これまでのトラブルも家庭生活をビジネス的に捉えて運用してきたので、こうしたすれ違いにも解決策を提案して実践していくんですね。

    家庭生活は精神論、根性論ではなく、これからはシステムとして冷静にマネジメントすることが必要なのかもしれません。

    下心と一般常識


    一方、こじらせ女子雨山さんは平匡さんを諦められず、かといって不倫をするほど勇気もなく、うっかり親切にした同僚北見さん(この人もこじらせている…)から強引なアプローチを受け、断ると逆ギレされ、またしても平匡さんに頼ろうと…。

    平匡さんは単純に「女性と普通に話せるスキル」として喜んでいるだけで、雨山さんの恋心にまったく気づきません。雨山さんの恋愛相談を知ったみくりさんは、なんと出産の最中に雨山さんの相談に答えることに。

    みくりさんは心理学を学んでいたので、アドバイスが(平匡さんより)的確ww

    「好意のない人への親切は一般常識で、好かれたい相手にする親切は下心」
    「好きな人にしか親切にしていないと、相手の親切を勘違いする」

    ほんと、そういう人いますよね…



    「カテゴリー」にとらわれる私たち


    平匡さんが育休中の会社では、セクハラ、振られた腹いせのパワハラが横行。みかねた沼田さんが「大沼田会」を開催することに。

    いったい「大沼田会」とは…?別名コミュニケーション道場。日頃言えない本音や文句はOK、けれど人格否定は罰金。これでみんながどんな風に思って発言をしてきたのかが明確になります。


    私たちは感情や関係性、さまざまなことに「カテゴリー」をつけたがります。「男」「女」「親」「子」たいていそうしたカテゴリーの後にはたいてい「だから」という語句が続き、相手を区別したり、マウントを取るために使われます。

    けれど、そのカテゴリーに当てはまらない人もいる。沼田さんはゲイですし、百合ちゃんの友人・伊吹さんはレズビアンで同姓の恋人と里親制度を適用して子どもと関わろうとします。

    無事、手術が成功した百合ちゃんは、伊吹さん同性カップルとの関わりや大沼田会の経験から、そんな「カテゴリー」をはずして風見さんと向き合うことにします。一度別れた関係の再構築はなかなか難しいですが、それでも思い込みをはずした先には、恋人でも友人でもない、新しい、でも快適な関係になると思うのです。


    どんな性でも


    細かい部分なのですが、私が感動したのは赤ちゃんの性別が最後まで明かされなかったことです。

    生まれる前はへその緒を挟んでいてわからなかったので、男でも女でもしっくりくる名前を、そして将来、子どもの性が変わっても対応できるようにと。この時点で、平匡さんもみくりさんも、子どもの性の選択を柔軟に考えているんですよ。

    赤ちゃんの名前の亜江(あこう)は、「森山」「津崎」をつなぐ川の意味。すてきですね。

    平匡さんのご両親もふたりを尊重して、自分たちのやり方を決して押し付けないんですよ。このあたりは、さすが平匡さんを育てたご両親だなあと思いました。孫が生まれるとなれば、自分たちのやり方を押しつけてくる老親はこの世にゴマンといますから。

    私ごとですが、友人は男の子を生んだ時、義父母に「ようやく跡取りができた。前は女の子で残念」と言われたそうです。家名を残すほどのご家庭でもないなのに、です。私自身も「男じゃなかった。残念」と言われて育ったので、いつも自分が足りないものだと感じていました。

    でも「逃げ恥」のおかげで救われた気がします。どんな生き方でも、人に迷惑をかけず、礼儀としての親切をこころがけて生きればいいし、人によって「普通」なんて違うのだから。


    ドラマ版の最後でも、新垣結衣さん演じるみくりさんはこんな風に言っています。
    「どんな道を選んだとしても、わたしたちは大丈夫」

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