ローマ・ブリテン第二作『銀の枝』ローズマリー・サトクリフ

2020.07.05 Sunday

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    ローマ後期のイギリスを舞台にした『第九軍団のワシ』。その主人公マーカス・アクイラの子孫たちが活躍するのが『銀の枝』の物語です。

    『銀の枝』あらすじ


    ローマ帝国の後期。外科医のジャスティンはローマからブリテンへ派遣される。そこで彼は百人隊長フラビウスと出会い、彼が同じイルカの紋章を持つ親族であることがわかり、親友となる。

    ジャスティンとフラビウスは、当時ブリテンを支配していた皇帝・カロウシウスに目をかけられていたが、ある日、狩りに行った島でアレクトス大臣が「海のオオカミ」と呼ばれるブリテンの男との密談を聞いてしまう。

    このことを皇帝に進言するものの、皇帝は受け入れず、反対に彼らは北の赴任地へ追いやられてしまう。やがて2人は、皇帝がアレクトスに暗殺されたことを知る。

    アレクトスに反旗を翻すため、彼らは行動を開始する。信頼する仲間を失い、長い苦難の末、家の祭壇の下から軍団の旗印である「ワシ」を発見し、寄せ集めの軍団の旗印とするのだった…。




    史実とフィクションの融合


    サトクリフは、発掘されたローマの遺物から、歴史を絡めた壮大な物語を作りだしてくれます。遺跡に刻まれた「槍の人 エビカトス」という文字から、部族をお追われながらも、部族のために戦う孤高の狩人が描かれました。

    旗印となる「ワシ」も、実際に発掘された場所につながるように、物語のクライマックスで登場します。
    それがもう、本当かっこいい。まるで歴史が、その場で作られていくのを見ているようでした。

    また、敵から追われた2人がそこから仲間を集めて、よせあつめの軍団を形成していき、最後に先祖のマーカスに導かれるように「ワシ」を反撃の旗印していくところも痛快でした。

    逆境から立ち上がり、寄せ集めの軍団をつくる展開は最近読んだ『十二国記』でもありましたが、やはり胸が躍る展開です。

    ただ、エビカトスの名前が史跡にどう残っていったのか、そのあたりも描いてほしかったかな…。

    『第九軍団のワシ』感想→

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