『小さなピスケのはじめてのおてつだい』二木真希子

2020.10.09 Friday

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    『小さなピスケのはじめてのおてつだい』は、ねずみに似たジュムジュムという動物の女の子、ピスケの冒険や生活を描いた『小さなピスケ』シリーズの第3段。

    『小さなピスケのはじめてのおてつだい』あらすじ


    森の中の家に住むピスケは、木の実で粉を作って、それを町で売って生活をしています。ある日、落ち葉の中で眠っていた小さな男の子、クムを助けます。

    クムくんは町の子どもで、どうやら家出をしてきたようです。しかし、クムはなかなかやんちゃな子で、世話になったおじさんのお家でも、椅子にいたずらをして追い出されたらしい。

    ピスケがお掃除をしたり、世話を焼いたおかげでクムとおじさんは仲直りするものの、ある日おじさんが病気になってしまう。ピスケが町に行っていたため、クムはお医者さんを呼びに行こうと一人で町に向かうのだけど…



    新しいコミュニティ


    今回ピスケは、迷子の小さな男の子、クムくんに振り回されながらも、クムの両親をさがしたり、風変わりなおじいさんと知り合ったりします。

    クムくんはかなりわがままできかん坊なのですが、それでもピスケは見捨てずに世話を焼いてあげます。

    これまでのピスケシリーズでは、新しい場所に住み、生活が安定するまでが描かれていました。

    今回の『小さなピスケのはじめてのおてつだい』では、大変なこともあったけれど、遠くからひとりやってきたピスケが、新しいコミュニティに受け入れられていき、これでようやくピスケもこの地域の子になれたんだなと、読んでいてほっとしました。

    なんだか、魔女の宅急便のキキの成長にも通じるところがあります。

    丹念に描きこまれた世界


    ピスケのお家や、森の樹々、雑貨屋さんのいろいろな商品など、詳細に描きこまれた世界が魅力的な『小さなピスケ』シリーズ。二木さんの繊細な描写で、ピスケの生きている世界の中に入り込むことができるのです。

    ピスケが落ち葉を踏むかすかな音(たぶん人が踏むより軽やかな感じ)や、暖炉のパチパチと爆ぜるような音が聞こえてきそう。

    『小さなピスケ』シリーズの第一作。ひとり立ちした女の子・ピスケが自分の家を決めるまでのお話。



    二木さんは宮崎駿監督の右腕と言われた名アニメーターでしたが、数年前に他界され、もうこのピスケシリーズを読むことができないのは悲しいことです。

    しかし、この『小さなピスケのはじめてのおてつだい』は、二木さん亡き後、残された絵をもとに出版社が制作したものだそうです。

    二木さんの遺稿を世に出したい、読み続けたい。そんな人々の思いがつながっていて、一つの絵本にいろいろな思いが詰まっているのだと感じました。

    こちらの『世界の真ん中の木』という本も、未収録原稿を含めた形で再販されています。1989年から愛されている本がこうして再販を繰り返して読まれるってすてきですね。

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    二木真紀子作品感想


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