2019.07.11 Thursday

想像力で世界を創る[映画]マイマイ新子と千年の魔法

昔の、田舎の子どもの体験すべてが詰まっている映画です。「この世界の片隅に」の片渕須直監督が手がけた「マイマイ新子と千年の魔法」は、山口県防府市を舞台に主人公の新子が千年前の世界に住む女の子を想像し、世界を作り出していく物語です。

千年前の平安の世界と、現実の世界が交互に描かれます。新子は千年前の町の知識を知恵者のおじいちゃんから授かり、現実世界では東京から来た喜伊子と仲良くなり、喜伊子からは文化的な刺激をうけていきます。




想像力で世界を創る


新子のいた昭和30年代、田舎にはなんにもありません。おもちゃもテレビも映画も本も、今のように種類があるわけではない。だからこそ想像力が試されるのです。空き地は戦場や野球場に、防空壕や穴は秘密基地に。

新子も自分の宝物を庭に埋めてガラスで覆って、自分だけの宝箱をつくっています。(妹に見つからないためでもある)このセンスがとてもすてきだでした。

おじいちゃんの言う「千年前の町」も、石碑と田畑の水路がかろうじて面影をとどめているくらいで、遺跡や遺構があるわけじゃない。でもそこから新子は想像の平安の町をつくってしまいます。

モノがないだけ、いくらでも空想を広げることができたのでしょうね。その想像力が、新子がこれから生きていく力になるんだと思います。

新子がモデルにした千年前の女の子は、実際に当時赴任していた清原元輔の娘である清少納言。後の才媛も昔はおてんばだったのかもしれません。



「マイマイ新子」には、昔の田舎の子どもの体験がすべて詰まっている


私も田舎の子どもでしたから、新子や喜伊子が体験したようなこと、覚えがあります。

小汚い男の子が貸した色鉛筆を不格好にしちゃったシーンは、「ああ、昔はこういう男の子いたなあ」と思ったり、転校生のお家に行くと、違う文化の雰囲気を感じ取ったり。

ときおり田舎で起こる事件や、大人のヒソヒソささやく噂話も「そうそう!」と思いました。昔の子供の視点からみると恐ろしくゾワゾワと落ち着かない感じなんですよ。

一緒に冒険をした友達は、ずっと一緒にいると思っていたけれど、いつの間にか別れが来てしまう。今と違って連絡がなかなかできないので、きっと一生の別れになってしまう。そんな寂しさも昔の子どもの頃だれしもが体験したことじゃないかなと思うのです。

新子と、すずさん


「マイマイ新子と千年の魔法」と「この世界の片隅に」この2つの物語はどこか地続きのような着がします。両作品とも、時代が10年ほどしか離れていないし、山口と広島、同じ中国地方が舞台です。主人公はふたりとも空想がすきな女の子です。

もしかしたら、すずさんの生まれるのがもう少し遅ければ、戦争にあわずに、新子のように空想を巡らせて絵を描いていたのかも。あ、でもそれだと周作さんにはであえないか…
この世界の片隅に

2019.07.06 Saturday

民俗学とミステリはよく似合う『 凶笑面ー蓮丈那智フィールドファイル』北村鴻

偶然にもツイッターのフォロワーさんのご縁で知った『蓮丈那智フィールドファイル 凶笑面』読了。歴史好き、民俗学好き、ミステリ好きの私にはたまらい小説でした。おまけに探偵役は美貌で才知に長けた民俗学者!これはシリーズをすべて読まずにはいられません。

もともと栗本薫のミステリ『鬼面の研究』を読んだときから、民俗学とミステリは親和性がある、と感じていました。民俗学は地方独特の文化や風俗を研究する学問なので、僻地での「嵐の山荘」を作り出したり、動機や凶器の演出に効果的なのかもしれません。

横溝正史のミステリも人里離れた旧家の風習が関係していますしね。



民俗学が楽しめるミステリ


大学で民俗学の講義をとっていたのですが、先生が個性的で独善的な物言いの人で若い頃はそれを苦手に思い、最後まで履修しませんでした。あの時マジメにやっておけばと後悔したのですが、まさか大人になりミステリ小説で本格的な民俗学に出会うことができるなんて…!

民俗学には興味があるけど折口信夫や柳田國男などの本も読んでみたいのですが、専門書は素人には敷居が高いので、小説の中で民俗学の知識が多少なりとも学べるのはありがたいです。

鬼の話




タイトルの秀逸さ


本タイトルとなった「凶笑面」をはじめ「双死神」「不帰屋」など意味深で、なにかがおこりそうな気配を感じるタイトルがつけられています。

話を読み進めることで、それが事件のモチーフである土地の風習とうまくリンクしており、そこではじめてタイトルに込められた意味がわかり、ゾッとするのです。

歴史とフィクションの絶妙な融合


「マレビト」「蘇民将来」「女の家」など、民俗学の用語や伝承をモチーフに、そこに独特の解釈を加えたオリジナルの、でも「ありえそう」と思わせてくれるリアルさをかねそなえた蓮丈那智シリーズです。

特に「明治時代の県令(知事)が立場を利用して古墳を盗掘したかもしれない」という実際の噂を「税所コレクション」という謎の、しかも恐ろしい物語の重要な因子して仕立ててしまう。それが歴史と現実のすき間をうまく編み込んでいて、絶妙というほかありません。

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蓮丈那智という「探偵」


人里離れた古い家が舞台なのに、横溝正史作品のようなおどろおどろとした情念があまりないのが新鮮でした。それは、美貌で冷徹な蓮丈那智という人物が、俯瞰的な視点で状況を判断し、冷静に推理し結果を導き出す姿が、探偵というより学者のアプローチで事件に向かうからなのかもしれません。

ワトソン役の助手、内藤三国からみた蓮丈那智の描写も魅力的です。その美貌のために下卑た態度をとる連中には「周りの空気を硬化させ、冷却するほどの能力」を遺憾なく発揮して心を打ちのめす。

剛気にして異端の学者。でもその魅力にはまったら(三国のように)は抗えない。そして、読者となった私も、彼女の魅力に取り憑かれてしまったひとりです。これからシリーズを読むのが楽しみです。


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「触身仏」

2019.07.02 Tuesday

『そして、バトンは渡された』瀬尾まいこ

本屋大賞を受賞した瀬尾まいこさんの『そして、バトンは渡された』読了。この話は多様性が叫ばれる今だからこそ、受け入れられたのではないかと思う。「普通」や「幸せ」は、ひとりひとり違うものだから。

あたらしい家族のかたち


何人もの親の間を、バトンを渡されるようにして育てられた優子。でも、それはちっとも不幸なことじゃなかったし、彼女にとってはそれが「普通」のことだった。

昔であれば「普通じゃない=かわいそう=不幸」という単純な図式で片付けられそうな、優子の家庭事情。(実際一部の人からはそう思われている。)

産みの母を幼い頃に亡くし、父親とふたりだった家族に継母の梨花さんが加わり、その後実の父は海外に。その後は梨花さんの再婚相手・泉ヶ原さんを経て、現在は3人目の父・森宮さんと暮らしている。

これまでの(今も)日本の家族は「血がつながった親子が、同じ家に暮らす」ことが理想とされてきました。それが「普通」で、そこからはみ出たものは「不幸」で「かわいそう」という認識が無意識レベルですりこまれているほどに。

でも「家族」って、「幸せ」って、大切な相手と一緒にいて楽しいのが一番大事なんじゃないかな。それを、優子とその親たちは体現して見せてくれているような気がします。



最後の父親、森宮さん


優子の最後の父親になった森宮さん。友達ともめていた優子に「元気がでるから」と、ひたすら餃子をつくったり、優子にピアノプレゼントしようとして断られると落ち込んでみたり。

やがて優子が結婚相手を連れてくると「あの風来坊」といって父親らしく(?)邪険にするし。

森宮さんが思う父親像は、残念ながらちょっとずれている。
けれどそこがいいんだよなあ。こんな父親と暮らしてみたいと思うもの。

しかし、血のつながらない(しかも成長した)子どもを引き取ることに戸惑いはなかったのか。森宮さんのこんな言葉が、答えなのかもしれません。
自分の明日と自分よりたくさんの可能性と未来を含んだ明日がやってくるんだって。親になるって、未来が二倍以上になることだよって。(中略)未来が倍になるなら絶対にしたいだろう。


この言葉のすごいところは、子供の明日を、自分の所有物と考えてないことだと思うんです。

親は時に自分の挫折や期待を子どもに背負わせ、自分の人生の意趣返しをすることがありますが、森宮さんや梨花さん(泉ヶ原さんや実の父親も)は優子が「自分以外の未来」を見せてくれるのを、むしろワクワクして見守っている。それが、この親たちのすごいところだなあって思うんですよ。

おまけ


私の森宮さんのイメージは、俳優の高橋一生さんです。映像化されたら高橋一生さんに演じていただきたい…。

瀬尾まいこ作品感想


「おしまいのデート」
「ありがとう、さようなら」
「見えない誰かと」
「天国はまだ遠く」
「優しい音楽」
「強運の持ち主」
「図書館の神様」
「幸福な食卓」

2019.06.22 Saturday

騎士と姫君、聖職者の食べた料理『中世ヨーロッパのレシピ』

『中世ヨーロッパのレシピ』では、ファンタジー世界のモチーフである中世ヨーロッパの料理を、当時の調味料を使って再現しています。

中世料理はファンタジーでよく見かける「肉の丸焼き」など豪快な料理ばかりかと思いきや、食材も現代とほとんど変わらない、おいしそうなレシピがたくさんありました。



中世ヨーロッパレシピの特徴


食材やレシピ自体は、現代でも通用しそうなのでが、現代とまったく異なるのが「調味料(スパイス)」と「ハーブ」です。

砂糖はスパイス


とにかく、砂糖は貴重品。中東などからの輸入に頼っているので王侯貴族など、一部の富裕層しか使うことはできませんでした。「少量しか無い、貴重品」なのでスパイスの部類に入るんですね。

中世ヨーロッパでもケーキやパイなどスイーツもあったのですが、ではどうやって甘さを出していたかといえば、「蜂蜜」です。こちらは砂糖よりも比較的手に入りやすかったせいか、蜂蜜を使ったレシピが存在します。

特に「蜂蜜酒」と聞くと、ファンタジー好きの人はワクワクするのではないでしょうか。蜂蜜酒、一度呑んでみたいものです。

果物などもあったのですが、現代に比べると酸味が強いため、揚げたり煮込んだりして使ったそうです。(レモンのフリッターなんて料理もある)

教会とハーブ


薬草は、治療やポーションづくりなど、ファンタジー世界でも大活躍するアイテムです。ハーブは中世では主に修道院で作られました。

用途は食用や薬用、美容など、さまざまな用途で使われていました。現代でも修道院のハーブづくりをルーツに持つ香水や石けんなど作られ、人気を博しています。



ろうそくの火で食べる晩餐


『中世ヨーロッパのレシピ』の作者は中世料理研究のほか、中世の世界を研究されています。本書では、料理レシピの他に、中世楽器の音楽会や蜜ロウから作られるロウソクの灯で食卓を演出するなど、さまざまな試みが紹介されています。

暗い夜、ろうそくの淡い灯の下で食べる晩餐は、よりファンタジー世界を感じられるのかもしれません。

こちらは古代メソポタミアから中世ヨーロッパまで、歴史料理の紹介本


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2019.06.20 Thursday

『菓子屋横丁月光荘 浮草の灯』ほしおさなえ

小江戸・川越を舞台にした『菓子屋横丁月光荘』は、家の声を聴くことのできる主人公・守人と、人と家とのつながりの物語です。

2作目の『菓子屋横丁月光荘 浮草の灯』では、孤独だった守人が家の声をきっかけにして、川越の人々と縁をふかめていき、家である(はずの)月光荘とも仲良くなっていきます。



また、同じく川越を舞台にした『活版印刷三日月堂』に登場した「浮草」という古書店や三日月堂ゆかりの人々が登場するので、三日月堂ファンにも嬉しい展開でした。
・『活版印刷三日月堂 雲の日記帳

家のつくもがみ


今回、読んでいて驚いたのが月光荘です。月光荘は守人の恩師・木谷教授から管理人を任されている古い家…なのですが、この子(と呼びたくなるのです)は守人の前だとずいぶんと「おしゃべり」なのです。

月光荘は最初、昔住んでいた少女が歌っていた歌を口ずさむ程度でしたが、声を聞ける守人と会話が成立するようになります。それは、まるでちいさな少女のような明るくて屈託のない感じなのです。

「ツカレタ」「タノシイ」など、カタコトのような言葉で守人と会話する月光荘がとてもかわいらしい。月光荘の言葉によると、家には魂のようなものがあり、他の家ともある方法で交流できるようなのです。
なんだか年を経たモノが变化した「つくもがみ」のようですね。

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家と人とのつながり


『菓子屋横丁月光荘』を読むまで、家はただの居住空間であり、持ち主の転居など、時期がくれば去っていくものだと思っていました。でも、この物語では家も長い年月を経ていたり、人から大切にされることで家もまた、人を大切に思ってくれているのを知って、ちょっとうれしくなりました。

守人のように声は聞けなくても、こうして家と人とがつながっていると考えると、家がとても愛おしくなりますね。



菓子屋横丁月光荘シリーズ


『菓子屋横丁月光荘 歌う家』

2019.06.19 Wednesday

五体投地と賢者の贈り物『テンジュの国4』

チベットの暮らしを描いた『テンジュの国』。毎回チベットの風俗や習慣などを紹介してくれています。
そして主人公の医師見習い少年のカン・シバと、異国の少女ラティとの恋物語がほのぼのとしていて、かわいらしいのです。




放生と巡礼と沐浴


今回のチベット風俗は放生と巡礼と沐浴です。
放生とは、よく働いた馬などの家畜を野に放ち、余生を自由にすごさせることで、こうすることで徳を積むチベット武侠の教えです。放してから戻ってきた家畜はそのまま家で飼ってもいいのだとか。

巡礼は聖地ラサやその先のカイラス山まで、「五体投地」と呼ばれる体を地につけて祈りながらすすみます。巡礼中は欲や嘘をついてはいけない、川を渡るときは川の幅分、手前で五体投地を行う、など細かいルールが定められています。

偶然、巡礼の一行にであったカン・シバは怪我をした巡礼者を手当するのですが、巡礼を行う人の助けになるのも功徳になるというのは、日本の八十八ヶ所めぐりと似ていますね。

沐浴は夏に川で行われます。しかし、寒いチベットのことですから夏とはいえ川の水は冷たく、乾燥もしているので年に数回でいいのでしょうね。この沐浴のタイミングで服を着替えるそうです。


カン・シバとラティの賢者の贈り物


薬草が大好きなカン・シバと染め物や縫い物が好きなラティ。ふたりとも周りからちょっと変わっている子(でも愛されている)なのですが、お互いのことを思いやり、ラティがカン・シバの薬入れを縫うと、カン・シバはお礼にと染料の紫根をプレゼントします。

おたがいの好きなものがわかっていて、贈り合えるのは、Oヘンリの「賢者の贈り物」を思い出し、ほほえましいです。

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テンジュの国1
テンジュの国2
テンジュの国3

2019.05.27 Monday

幕末、武士の娘の日常「諫早菖蒲日記」 野呂邦暢

古書店を舞台にした小説「森崎書店の日々」。この本が縁となり、野呂さんの本を知ることになりました。
読書三昧の青春を綴った随筆「小さき町にて」から「諫早菖蒲日記」へ。本の縁が続いていきました。

諌早菖蒲日記」は幕末、九州諫早藩の砲術指南役の娘、志津の視点から語られる物語です。



幕末、藩の砲術指南役とくれば、「八重の桜」の八重さんのように、幕末の動乱に活躍する話かと思っていましたが、まったくそんなことはなく「諫早菖蒲日記」では、彼女の周りの日常が綴られているだけで、さしたる大事件は起こりません。

けれども、読み始めると夢中になってしまいました。

戊辰戦争のような、国を巻き込む大事件はありませんが、その当時、諫早で起こった大小の事件が綴られていきます。本明川の氾濫、主筋に当たる佐賀藩からの圧政、志津の家とライバル関係にある砲術家の台頭…。

淡い恋心、新しい矢絣の着物が欲しくて駄々をこねたり、母親に内緒で河岸を観に行ったりと、ちょっとおてんばな様子や、大砲の影響で耳の遠い父親の耳がわりとして、来客の対応をするうちに、世情にもたけていくようすなど、志津の姿がいきいきと描かれます。

考えてみれば、日本中の武士のだれもが、幕末の世情に関わって戦や暗躍をしていたわけではないんですよね。

大きな出来事はおきないけれど、なんだかとても愛おしい物語でした。




そういえば、「武士の家計簿」も幕末だけど、大きな事件が起こるわけではなかったっけ。

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レビューポータル「MONO-PORTAL」

2019.05.25 Saturday

忘れられた作家の、忘れられない随筆『小さな町にて』野呂邦暢

野呂邦暢という小説家をご存知でしょうか。野呂邦暢は昭和49年に「草のつるぎ」で芥川賞を受賞。「諫早菖蒲日記」など名作を残すも、40代の若さで急逝。今では古本マニアや関係者以外からは忘れられている作家です。

『小さな町にて』は、野呂邦暢の故郷・諫早で過ごした少年時代、浪人と称して読書と映画三昧の京都時代、仕事を転々としていた東京時代を、作家になった現在から振り返るかたちで書かれています。

私は古本屋を舞台にした映画『森崎書店の日々』でその名前を知り、随筆『小さな町にて』を読んでみたのですが、これが本当に素晴らしくて、なんど読み返しても飽きないのです。



知識を貪った時代


『小さな町にて』の文章からは、戦争からの開放感とそれまで抑圧された知識を求める熱量、それがビシビシと伝わってきます。モノはなくとも精神が飛躍する、豊かな時代がそこにはありました。

この本の中で私が1番、感銘をうけたのが野呂邦暢の叔父のエピソードです。電電公社(現在のNTT)に勤めていた叔父は戦争と家庭の事情で進学をあきらめたものの、本とクラッシック音楽を愛したインテリでした。

「ミネルバのフクロウは夕暮れに飛び立つ」という言葉の出展を調べるために事典を読み漁り、図書館に何度も通います。筆者が「なぜそんな(役に立たない)ことをするのか」と問うと叔父は「ただ知りたいからだ」と答えます。

今だったら「OK Google」か「Hey Siri」で1秒もかからないのに、昭和20年代では大変な苦労をしないと答えにたどり着けない。

まるで飢えを満たすように、知識を貪り、自分の物にしたいと切望する熱量が、デジタルに慣れてしまった現代の私からすると、とても衝撃的で感動さえ覚えました。

「ミネルバのフクロウは夕暮れに飛び立つ」をGoogleで検索してみた結果


一瞬でわかってしまうのは、便利だけれど、どこか寂しい。
「ミネルバのフクロウは夕暮れに飛び立つ」をGoogleで検索してみた結果


本と珈琲と、音楽の青春


野呂邦暢の青春時代は、本と珈琲と音楽で占められていました。貧乏で思うように本が買えなくても、古本屋で手頃な本を探しては喫茶店で一日中本を読み、名曲喫茶でクラシック音楽を聞きまくる。ときには友人たちの下宿で文学や芸術について夜通し話し込む。

社会生活にかかわらず、好きなものをひたすらインプットするだけの時間は、なんて贅沢なんだろう。おとなになってからはしみじみと思います。それは、作者も同じだったんじゃないかな。


山王書房店主・関口良雄


『小さな町にて』の中には、作者が出会った個性豊かな人々が描写されています。(名曲喫茶の常連紳士が路上生活者だったり)中でも印象深いのが、東京・大森の古書店・山王書房の店主とのエピソードです。

山王書房の店主関口良雄氏は俳人でもあり、当時の作家たちとも親交が熱く、文章にも秀でた方で、若き日の野呂さんはよく本をまけてもらっていたのだそう。

実は、山王書房店主・関口さんの随筆『昔日の客』にも野呂さんが登場します。作家になり、ふたたび山王書房を訪れた野呂さんでしたが、関口さんは当時のことをあまり覚えていなかったらしい…。

それでも「昔日の客」として再会を喜んだ文章が綴られています。

わたしはこういう、本が「つながる」エピソードが大好きなんです。ひとつの本から別の本へ、読書の世界が広がっていきますから。



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2019.05.23 Thursday

首かけタイプは両手が使えて便利!「ハンズフリー ポータブル 扇風機 WFan」

昨年の猛暑は扇子やハンカチだけでは対応できなかったので、今年は両手が使えて便利な首掛けタイプの扇風機、ハンズフリー ポータブル 扇風機 WFanを使ってみました。

ハンズフリー ポータブル 扇風機 WFan 使用感


首かけの扇風機デメリット


・少し重い
・角度を間違うと髪の毛を挟む
・微風でもあんがい音が大きい

首かけの扇風機メリット


両手が使える
・手が疲れない!
・持ち運びが便利!

首にかけたハンズフリー扇風機

いやもう、両手が使えて持ち運び便利ってだけで、数々のデメリットを凌駕してます(あくまで個人の感想です)便利!




ハンズフリー扇風機の収納法


このように携帯に便利な首掛けハンズフリー扇風機ですが、仕事先や、静かな場所などではずっと首にかけたままというわけにもいきません。そういう時に収納しておけるものがないかな…と思ったところ、100円ショップのクリアファイルケース(A4)がジャストフィット!

このままカバンに入れておき、必要な時に出して首にかけて使えます。

ハンズフリー扇風機の収納法

JUGEMテーマ:夏の暑さ対策



2019.05.19 Sunday

OSが違うんだから、話が通じないのは当たり前。

人気漫画「逃げるは恥だが役に立つ」の番外編で、登場人物の風見さんが「わかりあえない人はOSが違うと思っている」という意味のセリフを言ってて、ほんとそれ!

「逃げるは恥だが役に立つ」番外編
みくりの伯母、百合ちゃんと、年下の恋人風見さんとの、ちょっとドラマにできない内容のお話です。

EKiss 2017年4月号[2017年2月25日発売] [雑誌]




OSが違うということ


OSとは、オペレーションシステムのこと。パソコンで言うと、WindowsとMacintosh、スマホならiPhoneとそれ以外というところでしょうか。「逃げ恥」の風見さんはシステムエンジニアなので、こうした例えが出たのでしょうね。

これらのOSがは使えるアプリも違うし、データの遣り取りをすると文字化けをしたり、いろいろな不具合を起こすことが多いのです。

人間同士でも、人の話を聞かなかったり、相手が傷つくような言葉を平気で投げつけたり、思ったことをそのまま、忖度無しで投げつけてくる人がいます。

正直「なんで??」と思いますが、そもそものシステムが違う、と思えばむかつきはしますが納得はいくかなと。人間関係もシステムとしてとらえれば少しはストレスが減るかも。

理解するほどおもしろい! パソコンのしくみがよくわかる本

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