2018.11.05 Monday

読者という希少種を、作家と出版社が奪いあう…というSFが読みたい

『校閲ガールア・ラ・モード』を読んだ時のこと。
表現者は増えている。しかし、その表現に興味を持つ人は減っている」という一文に、確かになあ、と実感しました。ネットの普及で自分の表現を簡単に発表できるようになりました。

その反面、発表された作品を読む「読み手」、本を読む人は少なくなっています。

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これからどんどん本を読む人は少なくなり、ついには書き手より、純粋な読み手が少なくなる時代がくるのでは…。と考えていたら、なんかこれSFになりそうだな〜。と思い、ちょっと書いてみました。


遠い未来。世には「表現者」が溢れていたが、彼らの作品を読み、感想を書く読者は極端に少なくなっていた。表現者たちは自分の作品を読み、評価してくれる「読み手」を巡って、激しい攻防が繰り広げられた。

「読み手」たちは争いを避けるため、ネットの海の小島や、本の森をさまよった。彼らはそこで自分の好きな作品を読み、感想を残してその場を去っていく流浪の民と化していた。

しかしある時、武装モノカキ集団「出版社」と「作家」が「読み手狩り」をはじめた。多くの優秀な「読み手」が捉えられた。彼らは本を無理やり読まされ、作家たちの自己顕示欲の慰み者にされていた…。

この劣悪な状況を打開するため「読み手」の上位種である「本読み」たちは、力を合わせ「読む自由」を勝ち取るための戦いを始めるのだった…


みたいな。作風で言ったら『横浜駅SF』とか、『文豪ストレイドッグス』みたく、あり得なさそう、でもちょっとだけリアルを感じさせる世界観で、「作家」と「本読み」が対決したりして。

私は文才がみじんもないので、だれか書いてくれないかしら…。

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2018.10.25 Thursday

麹と水だけでつくる甘酒の作り方

私がいつも作るのは米麹と水だけでつくる「はや作り」です。お米がいらないのでその分手間が省けて簡単だし、甘さも深まります。

この方法で作る甘酒の味はコンデンスミルクの乳感がない感じ、と言ったところでしょうか。自然な甘みです。

麹と水だけでつくる甘酒の作り方


甘酒づくり、私はいつも「みやこ麹」を使っています。「みやこ麹」はスーパーで手軽に買えるし、量もちょうどいいのでおすすめです。

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  1. 麹200gをボールにバラバラにほぐして炊飯釜に入れる

  2. 炊飯器にほぐした麹を入れる

  3. 60度のお湯300〜400mlを注ぎながらかき混ぜる
    ※お湯の量は少なければペースト状に、多ければドリンクとして使用できます。お好みで調節してください。私は料理やお菓子に使うので少し水分少なめで作ります

  4. 炊飯器にお湯と麹を入れ、湿らせたふきんをかぶせ、蓋を開けたまま保温スイッチを押す

  5. 4〜6時間放置。時々開けてかき混ぜる。発酵時間もお好みで調節をお願いします

  6. できあがったら粗熱をとり、フードプロセッサーにかける。フードプロセッサーを使うとお米のつぶつぶ感がなくなりペースト状になって食べやすくなります。

  7. 甘酒をフードプロセッサーにかける

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甘酒の保存


余った甘酒は製氷皿に入れて冷凍しておきます。砂糖代わりに料理に使うと肉や魚が柔らかく仕上がります。
甘酒を製氷皿に入れて冷凍保存


チョコ甘酒


ココア(無糖)を入れればチョコ甘酒がつくれます。ココアの量はお好みで。私は200gの甘酒にココア大さじ3〜4杯入れます。冷凍しておいてパンに塗ったり、ホットミルクに入れても美味しいですよ。

甘酒にココアを加えてチョコ甘酒に

市販の甘酒


作るのが大変な方は市販の甘酒で代用してください。手作りの甘酒も美味しいですが、やはり、プロが作った甘酒は美味しいので。

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2018.10.23 Tuesday

『校閲ガール』宮木 あや子

ずっと読みたかった『校閲ガール』読了。校閲とは書籍や雑誌の記述や考証をチェックして間違いを正すお仕事。そんな校閲のお仕事には、てっきり「本にまつわる謎とき」があるのかと思いきや…。

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校閲ガール、河野悦子登場!


河野悦子はファッション大好き女子。おおよそ小説にも活字にも興味がなく、校閲部にいるのも憧れのファッション雑誌「Lassy」の編集部に入れなかったから。

しかし彼女はすぐれた記憶力と直感力で、小説の齟齬を見つけ出し、作家の意図を探り当ててしまう。こう書くと、いかにもミステリ小説風ですが、実は『校閲ガール』は「お仕事小説」あるいは「恋愛小説」に近く、ミステリ要素はおまけと言った感じ。

それにしても、小説内の電車移動の時間までわかるなんて、やっぱり校閲ってすごい仕事だなあ…。

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でも、悦子をはじめ登場人物たちが個性的で、オネエっぽい同僚・米岡くんや、作家絡みのトラブルに悦子を巻き込む貝塚とのやりとりが面白くて、だんだんミステリ展開に期待するのどうでもよくなってきましたww

校閲のさまざまな仕事をするうちに、だんだん校閲の楽しさにも目覚めていく悦子。そんな彼女の仕事への成長とか、偶然知り合った覆面作家・是永 是之との恋の行方もきになるところ。

悦子の唯一無二の目標は「ファッション誌への移動」で、校閲の仕事はその手段に過ぎないし、「好きなのは顔」と、堂々と言い放つ。

本好きでファッションに疎い私からすれば、ちょっと気後れしてしまうのですが、自分の好きなものがしっかりとあって、それが揺るがないのは読んでいて気持ちがいいです。
本当は校閲部でもっといろいろ活躍してほしいですが、一方で悦子の目標がかなってほしいなとも思います。

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校閲が活躍する物語


こちらもおすすめ!『重版出来!6』では、忠臣蔵の討ち入りの時の天気までもチェックする校閲さんのプロ知識がすごい。

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多様な作家・宮木あや子


作者の宮木あや子さんてR-18文学賞の『花宵道中』書かれた方なんですね。ジャンルの違いにびっくり。もっと他の作品も読んでみたくなりました。

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2018.10.21 Sunday

俳句ゼミという異世界。『ほしとんで』本田

ガイコツ書店員 本田さん (1) (ジーンピクシブシリーズ)』で本屋スタッフの忙しくも刺激的な日々を描いた漫画家の本田さん。

今度は「俳句」をモチーフに、はからずも俳句ゼミはいってしまった主人公と、ゼミ学生たちの物語『ほしとんで』を発表。俳句という未知の分野に四苦八苦しながらも俳句の魅力に目覚めていく主人公・流星と、仲間たちのやりとりが軽快で面白いです。

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本田さんの世界観


漫画でも小説でも、面白いものって「特定の中だけで通じる言葉や雰囲気を、どれだけ外に(わかりやすく)伝えられるか」じゃないかと思うんです。物語ってだいたい小規模なコミュニティで展開しますしね。

『ガイコツ書店員本田さん』では、コミック売り場の個性的な面々(なぜかみんな、様々なかぶりものをしている)や本屋の専門業務、身内(オタク)しかわからないワードを使っているにもかかわらず、そこに読者を引っ張り込んでしまうんです。

『ほしとんで』も、俳句という一見とっつきづらい学問を、新入生である主人公が最初から学んでいくことで、読者にも俳句のしくみや魅力が伝わってきます。

こうしたそれぞれのコミュニティ独特の世界観と、一般社会に共通する部分とのさじ加減を、本田さんは捉えるのがうまいのだと思うんです。

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個性的で愛おしい登場人物たち


また、八島芸術大学(やし芸)の愉快な仲間たちの魅力的なことと言ったら…!特に流星くんと仲良しの春信くん。彼は丸メガネにボブ、語尾に「〜ですぞ」をつける典型的(で古典的な)オタク青年なのですが、彼がまあ魅力的で。キモいはずなのに、読んでいくと愛おしささえ感じてしまう。

ほかにもゼミの坂本先生はじめ、ハーフのレンカさん、子連れゼミ生のみどりさんなど、彼らのキャラがすばらしい。流星くんのおじさんでイケメン教授や幼なじみのイケメン俳優など、どこをとってもおいしい(愛おしい)登場人物たち。これから彼らと流星くんが俳句を通してどんなことを学ぶのか(しでかすのか)。

続きが本当に楽しみな漫画です。

こちらはKindle版。

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2018.10.14 Sunday

ポイントサイトでこつこつお小遣い稼ぎ

ポイントサイト、使っています。ためてます。最近ではスマホのアプリでポチっと押すだけでもポイントをためることができるので、合間にちょこちょこお小遣い稼ぎをしています。

副業サイトよりポイントサイトが便利な点


最近ではネットの副業サイトが人気ですが、渡しの場合、平日働いて疲れているのに、夜や週末にまた副業…となるとものすごく疲れてしまいます。

なので、あまり頭を使わず、ぼーっとしながらでもできるポイントサイトだと、副業サイトより案外お金がたまりやすかったりします。

私が使っているポイントサイト


実際に登録してつかっているポイントサイトをご紹介。

ちょびリッチ


アンケートや買い物でポイントが貯まるのは他のポイントサイトと同じですが、私がオモシロイと思ったのは、楽天市場の店によって高額ポイントがもらえるシステムです。

楽天はポイントが溜まりやすい反面、ポイント率が低いことが多いんですが、高還元率のお店があるのはうれしい。





マクロミル


インターネットマーケティングの老舗・マクロミル。さまざまなポイントサイトのアンケートでも使われているので安心感があります。LINEやTwitterのアカウントなどがあれば登録できるので、あらたにID、パスワードを設定する必要がないのもうれしい。

メールで届くアンケートに答えるだけでポイントが貯まります。





ポイントタウン


GMOが運営するポイントタウンは、20ポイント=1円と、交換レートは低めと思われますが、たとえレートが低くても表示されるポイント数が大きいと、気分的に多く貯まったような気になるので、貯める達成感がある。

・20ポイント=1円
・楽天やyahooショピングなどで買い物する時、ポイントタウンを経由することでポイントが得られる
・スマホアプリ対応(アプリのみのコンテンツ充実)
・現金への交換可能
・ゲームが豊富
・レベルが上がると交換レートがアップ

ポイントでお小遣い稼ぎ|ポイントタウン

モッピー


モッピーは、1ポイント=1円なので一度に貯まるポイント数は少ないものの、貯まったポイント数がそのまま現金化できるのが魅力。アンケートは毎日コツコツやれば月に数百円になるので、とにかくコツコツためています。
ライティングは、文章入力でポイントを多く貯めることができるので、文章を書くことが好きな方にはおすすめです。

・1ポイント=1円
・楽天やyahooショピングなどで買い物する時、モッピーを経由することでポイントが得られる
・アンケートが多い
・タイピングやライティング機能が充実
・スマホアプリ対応

モッピー!お金がたまるポイントサイト

2018.10.14 Sunday

『明治大正 翻訳ワンダーランド』鴻巣 友季子

以前、黒岩涙香の『幽霊塔』の感想に「物語は大変面白かったものの、明治のトンデモ翻訳、英国なのに日本人名やら歌舞伎のような台詞回しに難儀した」と書きました。

ところが翻訳家・鴻巣友季子さんの『明治大正 翻訳ワンダーランド』を読んでみたら、明治時代の翻訳者の功績について書かれており、先人たちが創意工夫・悪戦苦闘の末、海外文学の翻訳を行っていた姿を知り、失礼なことを言って、も申し訳ない気持ちに…(そうは言っても、やはりわかりづらいけれど…)

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悲劇がハッピーエンドに?明治のトンデモ翻訳事情


明治は言文一致運動(それまで書き言葉と話し言葉がちがっていたので一緒にしよう、という運動)が始まったばかりの時代。その中で外国語の知識と、読者に伝わる日本語センスをもった翻訳者は希少な存在であり、突出した才能の持ち主たちでした。

そして、明治大正の翻訳者は、その才能ゆえか、作品も人生もかなり個性的なのでした…。

奇想天外・黒岩涙香


個性的な翻訳と、奇想天外な展開で人気を博した黒岩涙香。そんな黒岩涙香が手がけた「レ・ミゼラブル」は「あゝ無情」、「モンテ・クリスト伯」を「巌窟王」と日本名にわかりやすくしたのは涙香の功績なのだとか。

黒岩涙香は英語小説を毎日読むことを自らに課し、「百冊に一冊」翻訳に値する小説を探しては日本の読者にわかりやすく、面白い小説を提供してきましたが、中には「翻訳」の域を超えてしまった作品も。

著作権や版権の感覚が現代とは違う明治時代、なんと涙香は小説の結末をも変えてしまったのです…!
「鉄仮面」という小説ではそもそも主人公は鉄仮面をかぶっていなかった!そしてアンハッピーで終わるはずのラストを大胆にも大団円に書き換えてしまったのです…。さすがは「翻訳」ならぬ「翻案」と呼ばれた黒岩涙香…。

『幽霊塔』感想→

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その他にも、トルストイやドストエフスキーが好きすぎて翻訳してしまった翻訳家の話、日本語に翻訳されたことで、忘れられた原作が再び注目された話など、翻訳黎明期の翻訳者にまつわるさまざまなエピソードが満載です。

ちなみに、日本でよく知られている『フランダースの犬』の最初の翻訳ではネロは清、パトラッシュは斑(ぶち)と訳されていたそうな…

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こちらもおすすめ『翻訳百景』

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2018.09.28 Friday

明治の推理作家 VS 天才棋士『涙香迷宮』

以前『幽霊塔』を読んだのは『涙香迷宮』を読む前に黒岩涙香の作品を知っておきたかったから。
『幽霊塔』で明治の翻訳表現に苦しみながらもページをめくる手が止まらなかった涙香のすごさがわかりました。

『幽霊塔』感想→

そんな涙香をモチーフにしたミステリ『涙香迷宮』は、天才棋士が、明治時代のミステリ作家・黒岩涙香が残したいろは歌にまつわる謎を解いていくというもの。暗号、殺人、いわくありげな洋館、そして嵐の山荘…。ミステリ要素が満載の作品でした。

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『涙香迷宮』あらすじ


若き天才棋士・牧野智久は知り合いの刑事から事件の意見を求められる。その人物は碁を打っている最中に後ろから刺され、絶命していた。智久は碁石の数が通常より多いという事実に引っかかりを感じた。

一方、智久の彼女・類子はミステリサークルのイベントで黒岩涙香の研究家である麻生に声をかけられる。麻生は涙香の企画展を計画しており、涙香が残したとされる洋館の発掘調査を行うという。

そこへ智久も招待され、ほかにも歌人、ゲーム作家、編集者などさまざまなミステリマニアが集まり、洋館の地下に残る涙香の暗号を解き明かそうとするのだが…。

日本ミステリの始祖、黒岩涙香


いろは唄はひらがなを一文字ずつ使った和歌で、「いろはにほへと」が有名ですが、その他にも様々ないろは唄がつくられいて、黒岩涙香はいろは唄の達人でもありました。

その他にも涙香は「連珠」と呼ばれる五目並べやビリヤードなど、遊芸百般と言われるほど様々なことに才能を発揮していたそうです。

星座盤を模した天井、十二支を配した部屋にそれぞれ置かれたいろは唄。ミステリ要素がふんだんに含まれていたのは楽しかったです。涙香は自分の新聞社で実際に宝探し懸賞企画をおこなったので、自分のハマった趣味である「いろは唄」や「連珠」で「宝探し」の謎解きをさせるのは実際にあってもおかしくないモチーフですね。

黒岩涙香のこと




ただ、これだけワクワクするモチーフがありながら、宝と内容だとか、殺人事件の結末だとかはいまひとつ盛り上がりに欠けた感じも。十二支いろは唄の部屋は、詳細に描かれていたので、部屋そのものにもなにかあるんじゃないかと期待してしまったんです。

綾辻行人さんの館シリーズを読んでいると特に「部屋の配置図=謎がある」と思っちゃうんですよ…

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いろは唄の解説も、明治期のかな文字表現がむずかしいので、自分で考えられず探偵役が解き明かすのをただただ感心するばかりなので、あまり物語の中に入り込むという感じはなかったかな。

とはいえ、明治の偉大な推理作家と若き天才棋士の頭脳戦は面白かったです。本当の犯人というか仕掛け人は黒岩涙香なのかもしれません。

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2018.09.26 Wednesday

ビブリア古書堂、その後の物語。『ビブリア古書堂の事件手帖 扉子と不思議な客人たち』三上 延

『ビブリア古書堂の事件手帖』の続編が出ました!シリーズ完結から、栞子さんと大輔くんのその後の物語が描かれます。なんと、二人の間には小さな娘が!

物語は、栞子さんによく似たこの「扉子」ちゃんに、栞子さんがこれまで起きた本にまつわる話を聞かせるといった手法がとられています。これまでのビブリア古書堂シリーズに登場した人々も出演します。

それにしてもあのふたり、いつの間に結婚、そして娘まで…。

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二人の娘・扉子ちゃんは利発で本好き。本にまつわる感の鋭さは栞子さん譲りです。性格は明るくて栞子さんの妹文香ちゃんに似ているけれど、本に関する好奇心は大人顔負けです。
これまでのビブリアシリーズのように、1冊の本にまつわる謎を紹介しているのですが、その間にサイドストーリーとして栞子さんと扉子ちゃんが出張中の大輔くんの本を探すと言ったストーリーが添えられています。

その本がなんだったのか、どうしてそれを、娘に見せたくなかったのか、それが最後にわかる仕組みになっています。私が推理したのは二人の出会いのきっかけになった夏目漱石の「それから」でしたが…。

北原白秋 与田準一編『からたちの花 北原白秋童話集』(新潮文庫)


『ビブリア古書堂の事件手帖〜栞子さんと奇妙な客人たち〜』に登場した坂上昌志としのぶ夫妻。夫の昌志は過去に罪を犯して刑務所に入っていた過去から、親戚と断絶していたが、昌志の兄である父親に頼まれた姪・平尾由紀子が夫妻のもとを尋ねることに。

父から叔父へ渡すように頼まれたのが『からたちの花 北原白秋童話集』だった。犯罪者として親戚から嫌われていた叔父の、優しくも悲しい身内との思い出が解かれていく。
「みんなみんなやさしかった」の歌詞がこの物語の謎がわかると、とても切ない。坂口さん、しのぶさんと結婚して幸せになれてよかった…。

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ビブリア古書堂の事件手帖 〜栞子さんと奇妙な客人たち〜 (メディアワークス文庫)




『俺と母さんの思い出の本』


栞子の母・智恵子の友人である磯原未喜から、急逝した息子との思い出の本を探してほしいとビブリア古書堂に依頼が着た。手がかりはほとんどなく、息子のマンションで彼の妻から事情を聞くも、具体的な確証は得られない。

ゲームとイラストが好きでクリエイターとなった息子と、資産家で「まっとうな」仕事についてほしいと英才教育を押し付けた母との思い出の本とは一体なんなのか。

今回、ほとんどヒントがなくて、どうやって探し出すんだろう?と思っていたら細部にヒントが隠されていました。いつものことながら栞子さんの洞察力が冴え渡ります。ゲームは不得手とはいえここまで確信にせまれるとは…。

あと、この回に登場する急逝した息子の親友の存在は切ないですね。友人は有名クリエイターになったのに、自分はライトノベル作家として鳴かず飛ばずで、その格差に苦しんだり。持たざる者の苦悩も描かれます。

にしても、クリエイターと年の離れたコスプレイヤーの夫婦って、どこかで聞いたような…

佐々木丸美『雪の断章』


こちらもビブリア古書堂の事件手帖の常連、ホームレスでせどり屋の志田と、あるきっかけで彼と親しくなった女子高生の小菅奈緒の物語。ある日、奈緒は志田の住む河原で一人の少年に出会う。自分と同じように志田と本の話をする「生徒」らしい。

やがて志田が失踪し、心配した奈緒は、その少年・紺野祐汰とともに志田の行方を探していくうちに紺野が秘密を抱えていることに気がついて…。

今回は栞子さんは登場せず、奈緒がひとりで推理します。奈緒は以前、栞子さんの鋭い洞察で自分の恋心まであばかれたことで苦手意識を持っているようで。確かに、栞子さんて自分の興味に関して暴走するところがあるからなあ。
母の智恵子さんほどではないにしろ、ちょっと人の気持ちを忖度しないところがあるから。

まあ、今は大輔くんがついているので大丈夫ですが、今度は娘の扉子ちゃんが暴走しそうで、栞子さんがあたふたしています。

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内田百聞『王様の背中』


最終巻で栞子、母・智恵子とシェイクスピアの初版本を巡って破れた古書店主・吉原喜市は敗北のショックから倒れ、今は仕事を息子に任せていた。息子の考二は古書の引取に訪問した家で、一足違いでビブリア古書堂が買い取ったと聞かされる。

諦めきれず買い取られた本を見てみようとビブリア古書堂を訪れた考二は、ある理由で本を売った家の息子と勘違いされたことで、本を持ち去ろうと試みるが…。

扉子ちゃん、恐ろしい子…(,,゚Д゚) 純粋無垢であるがゆえに相手を追い込んでゆきます。吉原親子側がどうみたって悪いのですが、本に関して圧倒的な知識と洞察力をもち、時に強引に事を運ぶ篠川家の遺伝子を前にしたら、こんな気持になるのも、わからんでもないんだよなあ…と、凡人の私などは思うのです。


内田百聞先生は鉄道マニアで『阿房列車』などが有名ですが、子供向けの本も書いていたんですね。同じく夏目漱石門下で先輩だった『赤い鳥』の鈴木三重吉さんの影響なんでしょうか…?

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後日譚と前日譚


今回はビブリア古書堂の事件手帖、登場人物のその後の物語でした。なんにせよ、栞子さん大輔くんカップルが幸せになってよかった。今回は「後日譚」だそうですが、あとがきを読むと「前日譚」を書く予定もあるそうで。

栞子さんの父方、母方の祖父(両方とも古書店主)の因縁とか、戦前から戦後にかけての古本事情なんかも織り交ぜて書いてほしいなと思います。

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「ビブリア古書堂の事件手帖〜栞子さんと奇妙な客人たち」
「ビブリア古書堂の事件手帖2〜栞子さんと謎めく日常」
「ビブリア古書堂の事件手帖3〜栞子さんと消えない絆」
「ビブリア古書堂の事件手帖4〜栞子さん2つの顔」
「ビブリア古書堂の事件手帖5〜栞子さんと繋がりの時」
「ビブリア古書堂の事件手帖6 栞子さんと巡るさだめ」 
「ビブリア古書堂の事件手帖7〜栞子さんと果てない舞台〜」

JUGEMテーマ:ミステリ

2018.09.23 Sunday

精霊の守り人 新作外伝『風と行く者』が発売されます!

上橋菜穂子さんの代表作『精霊の守り人』シリーズ、現在はシリーズも完結し、3年に渡って放送された大河ファンタジードラマも終了しましたが、ここへきて外伝、それも長編が発表されます。

『風と行く者』では、昔なじみのサダン・タラム〈風の楽人〉と呼ばれる人々と再会し、バルサがふたたび用心棒となるところから物語がはじまるそうです。

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大きな戦争や災難が終わり、バルサはタンダとつれあい(この表現がふたりっぽくて好きです)となり、一緒に暮らしているのは解説本『「守り人」のすべて』に掲載された短編「春の光」で描かれました。

しかしまた、バルサにはやっかいな冒険が始まっているようです。タンダも着いていくのかな?でもあの体じゃあ留守番かなあ…?

おまけにサダン・タラムの頭は、あらすじを読むと「ジグロの娘かもしれない」と…。
え?どゆこと?(・。・) ジグロの娘?? …この世界にはまだまだ我々のしらない物語があるようです。

増補改訂版 「守り人」のすべて

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物語ること、生きること


バルサの冒険は精霊の守り人シリーズの解説本『守り人のすべて』に掲載された短編で終わったかに見えたのですが、上橋先生によると、さまざまなめぐり合わせにより、このお話を描くことにしたのだとか。

上橋先生は、作家・上橋菜穂子に多大な影響を与えた、好奇心旺盛なお母様を亡くされ、人の生と死について考えられた本も書かれていました。人生には悲しい別れもありますが、またその一方で「めぐりあわせ」というのもあり、どんな縁がつながってこの物語ができたのか、あとがきも楽しみにしています。

まさに「物語を書くことが生きること」なのですね。

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二木真希子さんから佐竹美保さんへ


長く「守り人シリーズ」の単行本の挿絵を担当していた二木真希子さん。ジブリの優秀なアニメーターで宮崎駿の片腕とも呼ばれた女性ですが、惜しくも2016年に早逝されました。

・二木真希子さんが描かれた絵本もまたすばらしので、皆さん見てほしい…

小さなピスケのはじめてのおてつだい

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もう二木真希子さんによるバルサの絵がみれないのは非常に残念ですが、今回の『風と行く者』単行本の挿絵は、少年チャグムの成長を描いた旅人シリーズ(「虚空の旅人」「蒼路の旅人」)で挿絵を担当された佐竹美保さんなんですね。

これも守り人シリーズファンには嬉しい。全く知らない人があの世界を描いてほしくないという気持ちもあったので。守り人シリーズ執筆中も、ジブリの仕事で忙しい二木真希子さんからバトンを受けた佐竹美保さんが「旅人シリーズ」を描かれたので、今回もそうしたバトンが渡された感じがするのです。

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2018.09.16 Sunday

乱歩や宮崎駿があこがれた小説『幽霊塔』黒岩 涙香

乱歩や宮崎駿があこがれた黒岩涙香の翻訳小説『幽霊塔』を読了。宝が隠された塔を巡る冒険活劇ミステリ。「幽霊塔」は少年時代の江戸川乱歩や宮崎駿も憧れた小説で、後に江戸川乱歩によりリライトされ、宮崎駿の「カリオストロの城」にも影響を与えてます。

いわくつきの時計塔、宝の謎、暗号、首無し死体、からくり屋敷など、ミステリの要素がたっぷり詰まっています。

・パブリックドメイン(0円)デジタル書籍版「幽霊塔」。明治時代の描写そのままなので読みづらいところも。

幽霊塔




『幽霊塔』あらすじ


丸部道九郎はおじが買い取った「幽霊塔」と呼ばれる時計塔を視察に行くと、そこには日影色(灰色)の着物を着た美しい女性・松谷秀子がいた。秀子は幽霊塔の内部に詳しく、道九郎にいろいろなアドバイスを行い去っていった。

やがて幽霊塔に住まいを移した道九郎たちであったが、それは様々な謎と恐ろしい出来事の始まりであった。
果たして「怪美人」秀子の正体は、また幽霊塔にまつわる宝の謎は…。

美人の謎、宝の謎、怪しげな洋館、暗号、いわくありげな人物など、ミステリの要素がふんだんに詰め込まれた作品です。

江戸川乱歩のリライト版の「幽霊塔」。物語自体を楽しむならがよいかもしれません。(舞台は日本になっている)宮崎駿の豪華イラスト解説入りです。

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明治の探偵小説


現代の我々から見るとトリックは稚拙だし、ご都合主義的な展開があるものの、謎が謎を呼ぶ展開にページをめくる手がとまりませんでした。

原作となった英語の小説から、暗号部分を漢詩風にアレンジしたり、随所に黒岩涙香の言葉のセンスが光ります。

ひとつの章ごとに山場があり、次への展開が気になるようなつくりになっていたり、私が斬新だな、と思ったのは各章のタイトルが文章中に出てくるセリフや言葉になっていて、今読むと一周回ってとても新鮮でした。

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嗚呼、面倒な明治の描写…


物語は面白いのですが、なにせ明治32年の小説なので、台詞回しや表現が現代とまったく違って読みづらいことといったら…!
しますのサ」「シテ見ると」など、芝居がかった台詞回しや現代では使われない表現など、いちいち頭で現代の表現に変換しながらでないと先に進めず大変でした。

話の展開が面白いので早く読みたいのに、描写がそれを許さない…。

あと、「舞台がイギリスなのに登場人物が日本名」なのには参りました。
涙香の時代は名前や周囲の描写を日本風にアレンジしないと読者が想像できなかったのでしょうが、現代では逆にそ場面や人物が想像しづらく、読みながら「どっちやねん!」とツッコミをいれながら読んでいましたよ…。

「盆栽室」…温室?イギリスには盆栽ないやん…
「衣嚢」…ポケットのことらしい。わからん…
「夫で」…それで。読めん!
「了う」…しまう。終了→終わり→終う→しまう…

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『幽霊塔』と『カリオストロの城』


『幽霊塔』を読んでいて「あれ?この設定カリオストロの城みたいだな…」と思っていたら、調べてみると宮崎駿は幽霊塔からインスピレーションを受けて『カリオストロの城』を作ったのだそう。

宝が隠された時計塔、詩文のような暗号、機械のような時計塔内部、骸骨に部屋の中に落とし穴など、カリオストロの城でみられた設定が随所に出てきます。

少年時代のの宮崎駿が、いかにこの小説に魅入られていたかがわかります。

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